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空に星が輝く様に

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504部分:第四十話 それぞれの幸せその三


第四十話 それぞれの幸せその三

「駅から学校までね」
「あっ、したんだデート」
「朝からなんて」
「何か大胆」
「えっ、大胆かな」
 星華は三人の言葉にきょとんとした顔になった。
「私、そんなに」
「だって朝からよ」
「朝からデートなんてね」
「誰かいるかも知れないのに」
 三人はこう話すのだった。
「それで朝もって」
「やっぱりね。大胆よ」
「見つかってもいいの?誰かに」
「うん、いいわ」
 微笑んでだ。星華は素直に述べた。
「もうね。いいわ」
「本当にいいの」
「誰かに見つかっても」
「それでも」
「だって。付き合ってるのは事実だから」
 それでだというのだ。
「だからね。誰に見つかってもいいのよ」
「ううん、言い切ったわね」
「付き合ってるからって」
「星華ちゃん何か凄い」
「凄くないわよ」
 星華はその微笑みのまま述べた。
「そんなの全然」
「そうかなあ。凄いよね」
「うん、凄い」
「本当にね」
 三人はこう言って引かない。
「前の星華ちゃんだったらね」
「もう絶対に誰かの目を気にしてね」
「朝のデートなんて絶対にね」
「しなかったわよね」
「そうそう。確実に言えるわよね」
「これは」
「そうかもね」
 そしてだ。星華本人の三人の今の言葉には納得する顔で答えた。
「前の私だったらね」
「怖かったでしょ、誰かに見つかるの」
「それで何か言われたらって思って」
「そうよね」
「そうね、絶対にね」
 自分のことだからだ。それがよくわかった。
「なってたわね」
「けれど今はね」
「そんな風に堂々と言えるし」
「変わったわよ」
 変わったともいうのだった。
「それもよく」
「何か吹っ切れてそれで」
「新しいもの手に入れたって感じで」
「手に入れたことは手に入れたわ」
 椎名と星のことをだ。自分の頭の中に浮かべながらの言葉だった。
「それはね」
「そうよね。やっぱり」
「だから変わったのね」
「そこも」
「そうなるわね。じゃあ」
 そしてだ。星華は確かな微笑みになってここでこう述べた。
「朝のデートもね」
「うん、楽しんでね」
「そっちもね」
「よくね」
 三人は微笑んでその彼女に告げた。そしてであった。
 星華は朝も彼と共にいるようになった。このことは確かに見られて話題になった。だが彼女は微笑んでそれを聞き流すだけだった。
「事実だし」
 まずはこう言ってだった。
 
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