マグネティック=ラヴ
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第一章
マグネティック=ラヴ
磁石は誰もが知っている通りS極とN極がある、どっちも全く違う。そして全く違うからこそつながる。
私は磁石のそのことを聞いて思わずこう言った。
「人間関係もよね」
「そうよ」
母が私に話してくれた。
「要するにね」
「それでお父さんとお母さんもなのね」
「二人共個性が全然違うでしょ」
「ええ」
娘だからよくわかる、母と父はそれぞれ全く違う性格をしている。
「もう何もかもがね」
「水と油でしょ」
「そう言っていい位に違うわね」
「だからなのよ」
「交際はじめて結婚して」
「今も一緒に住んでいるのよ」
「似た者同士は合うっていうけれど」
私は俗に言われる言葉をここで出した、家で一緒にテレビを観ながら。
「実はなのね」
「それがね」
「そうでもないのね」
「お母さんが思うにはね」
こう前置きして私に言ってきた、一緒にテレビのドラマを観ながら。
「かえってなのよ」
「似た者同士だと」
「近親憎悪って言葉があるじゃない」
「ええ、あるわね」
実際にとだ、私も母に答えた。
「それは」
「似た者同士だとね」
「かえってってこともあって」
「そう、お母さんとお父さんはね」
「性格も個性も全然違うから」
「上手くやっていけてるのよ」
「そういうことなのね」
私はテレビを観つつ母の言葉に頷いた。
「夫婦は」
「結婚する前からね」
付き合っていた頃からというのだ。
「そうだったからよ」
「仲がよくて」
「一緒にやっていけてるの」
「そういうことね、ただね」
「ただって?」
「いや、私もそうなのかしら」
ふとこうも思ってだ、私は母に言った。
「まだそうした相手いないけれど」
「あんたも高校生だからね」
「そろそろそうしたお話もあって」
「ええ、付き合う相手の人もね」
まさにというのだ。
「あんたと全然正反対とか」
「そういうこともあるの」
「そう思うわ、だからね」
「お母さんとお父さんみたいに」
「仲良くなれるかもね」
自分と正反対の相手と、いうのだ。けれど正直この時はそんなものなのかしらと思うだけだった。けれど。
その私にだ、クラスメイトが言ってきた。
「今度カラオケボックスで合コンするんだけれど」
「私も?」
「そう、来ない?」
こう誘いをかけてきた。
「あんたも。彼氏いないし」
「彼氏いないのは事実だけれど」
「何かあるの?」
「何時するの?」
それが問題だった、正直その時間によった。
「私部活あるから」
「ああ、部活がある日はね」
「無理よ」
陸上部だ、短距離の選手で県の大会でもいい成績を出している。
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