怖いお客さん
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第二章
「それはよくないよ」
「いや、外見だけ見たら」
まだ言うミーコだった、外見が如何にもであり過ぎたのでだ。
「どうしても」
「だといいけれど」
「紳士だよ、お花もお茶も嗜んでいるしね」
「本当かしら」
「本当だよ、じゃあね」
主はまだいぶかしむミーコにさらに話した。
「これからその人と御飯食べるから」
「うちでなの」
「その前にお茶も飲んでお話をして」
「御飯何なの?」
「外でバーベキューを焼いてね」
そしてというのだ。
「食べるんだ」
「バーベキューなの」
「ミーコのお肉も焼くから」
主はミーコににこりとしてこちらの話もした。
「楽しみに待っていてね」
「それじゃあね、あとね」
「あの人もだね」
「どんな人か見せてもらうね」
こう言ってだ、そしてだった。
ミーコは実際にだ、その筋の人にしか見えないお客さんを見ることにした。するとその人の態度はというと。
外見は確かにそう見える、だが。
物腰は落ち着いていて紳士的でだ、口調もだ。
「はい、私もです」
「私って」
穏やかで礼儀正しい、見れば仕草も普通にだ。
その筋に見えないと思っていると主との会話に入るとだ。
紳士的になった、それでミーコは思わずお客さんがトイレに行った時に主のところに来て尋ねてしまった。
「あの、あの人」
「紳士だね」
「凄く。けれど」
「外見はだね」
「あんなに怖そうなのに」
「だから怖そうなのはね」
それはというのだ。
「外見だけでね」
「実際はなの」
「凄く礼儀正しくて大人しくてね」
「いい人なの」
「そうなんだ」
それが今日の客人だというのだ。
「温厚で謙虚でね」
「そんな人なの」
「しかも愛妻家で子煩悩でね」
「奥さんいるの」
「凄く奇麗な奥さんがね」
「ああした人の奥さんって」
ミーコのイメージではだ。
「派手で胆の据わった」
「そうした人だね」
「うん、いざとなればドス出す様な」
それこそというのだ。
「そうした人って思っていたけれど」
「けれどなんだよ」
「凄いなんだ」
「可愛い感じの人でね」
「奇麗なのね」
「そうだよ」
「信じられないけれど」
どうにもという顔でだ、ミーコはまたこうも言った。
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