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魔法少女リリカルなのは 平凡な日常を望む転生者

作者:blueocean
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第59話 体育祭(前準備)

「で、何の用ですか?」
「何か体育祭で盛り上がるような事思いつかない?」

そんなことの為に俺は強制的に連れてこられたのか…………





時は遡り、昼休み…………………

「昼ご飯だー!!」

腕を高々と上げ、寝ていた体をほぐしながら言うライ。
伸びるとお前の体に付いている2つの山が強調されて…………


すげえ………SBS団の奴ら、ガン見してる。

「レイ、ご飯にしよう!!」

すかさず前のライが俺を誘う。
夜美もカバンから弁当を取り出していた。

「そうだな」
「どこで食べるのだ?」
「えっと……………」

やっぱり屋上かな?
あそこがなんだかんだ言って気持ちいいし………

最近は少し寒くなってきたけど。
それならアリサ達も誘うか。

「れ、零治!!」

慌てた様子で桐谷がやって来た。

「どうしたんだ?」

慌てていたので近づいてみると…………

「グフッ!?」

俺はみぞうちされた。

「悪いな、会長命令だ」

「か…………いちょう?」

そこで俺の意識は途絶えた。

「みんな悪い、こいつはもらっていく」

「ちょっと、桐谷くん!?」

すずかが止めようとするが、零治を担いだ桐谷はさっさと何処かへ行ってしまった。






そして現在……………

「ねえ、何か無い?」
「思いつきませんね、それにこういう事ははやての方が思いつくんじゃないんですか?」
「彼女、今日来てないじゃない」

そうだった。
魔導師組は今日は休みだ。

そう言えば、あのバカはあれ以来学校に来ていないな…………
一体何やってるんだか。

「ねえねえ………」
「分かりました!考えますから飯食わせて下さい」

そう言って俺は星が作ってくれた弁当を広げる。
連れていかれるとき落とさなくて良かった。

「あら?彼女さんに作ってもらったの?」

「違いますよ、家の者です」

「ああ、転校してきたAクラスの3人ね。3年でも凄い美少女だって評判よ」

「まあ確かに3人は美少女ですから」

「それと1年C組の3人も噂になってるわね。かなり美少女だけど、癖があるって噂ね。その辺りは桐谷君が詳しいんじゃない?」

「俺ですか?」

俺と同様に持ってきた弁当を食べている桐谷。
ダメっ子3人に頼まれて全員分の弁当をエタナドと一緒に作ってるらしい。

いいな…………俺も本当はキャロの弁当作ってあげたいんだけど…………


「彼女達は桐谷君の家にお世話になっているって言ってたらしいわよ」

マジで!?
あいつら何やってるんだ…………

「だから最近下級生から色々声をかけられるのか…………もしかしたら前に貰ったクッキーも………」

…………羨ましい奴。

「いいわね〜新学期早々面白そうで。2学期も楽しくなりそうだわ」

「良くないですよ、ウェンディとはやてが組んだら…………」

「ああ、恐ろしいな…………」

「「はぁ………」」

そう言ってお互いに溜息をつく。

「ウェンディちゃんって、もしかして『〜っス』って口調の女の子?」

「そうですけど…………」

「そういえばさっきすれ違って、『理事長の銅像を見つけたっス!あれは落書きしないと逆に失礼っス!!』って言いながら外に向かってたわよ」

「ちょっと失礼します!!!」

そう言って桐谷は急いで出ていった。

「…………何で止めなかったんです?」

「そっちの方が面白そうじゃない」

会長の言葉じゃない………
俺はこの時、会長、はやて、ウェンディを揃えてはいけないと心の底から思ったのだった…………







「はぁ…………はぁ…………」

帰ってきた桐谷は秋なのに汗だくで、かなり疲れていた。

「お疲れ、ほら」

「サンキュー…………」

俺は取り敢えずタオルとお茶を渡した。
桐谷は俺が渡したお茶を飲み、汗を拭く。

「何するんスか桐谷兄!!これはある意味痴漢だと思うんスけど………」

「絶対アンタが悪いわよ…………」

ロープでグルグル巻にされたウェンディに菊地カナタが突っ込む。

結局、桐谷は間に合い、理事長像に落書きは未遂に終わった。
どうやら、桐谷が着くまで、菊地が止めてくれてたらしい。

ファインプレーだ菊地…………

「あなたがウェンディさん?」

「あ、はいそうっスけど…………」

一体何をする気だ会長?

「ねぇ、ウェンディさん。今度の体育祭を盛り上げたいのだけれど、何かいい案ないかしら?」

「えっ!?そうっスね…………」

怒られると思っていたのか一瞬驚くウェンディ。
だけど、直ぐに考え始めた。

「いいこと思いついたっスよ!!マッスルレジェンドをやればいいんっスよ!!」

「「いやいやいや!!」」

何を考えてるんだ!?
不可能だろ、そんなの…………

マッスルレジェンドとは、前の世界にあったサOケみたいなもので、自身の筋肉でステージを攻略するって番組の事だ。

「いいわね、それ採用!!」

「「いやいやいやいや!!」」

またもや桐谷とハモるが、そんな事気にしてる場合ではない!

「一体どうやってやるんですか!?敷地も資金もありませんよね?」

「いや、資金はあるわよ。それに簡単に準備出来る奴を考えれば可能よ」

いや、ですけど…………

「…………点数はどうするのですか?」

桐谷ナイス質問!

「クリアした人の色に点数を加算すればいいわ」

簡単に問題はクリアーされてしまった…………

「で、ですけど、期間も後一週間後ですし、今回は…………」

「大丈夫よ、私が準備するわ」

この人ならやりかねない。

「でも集まらないかも…………」

「桐谷の言うt………」
「部費で釣るわ」

駄目だ、何を言っても絶対やるなこの人…………
桐谷の顔を見てみるとどうやら桐谷も同じ事を思ったらしい。

願わくば、俺たちには飛び火しないy………

「あっ、二人も出てね」
「「絶対に嫌です!!」」

ほら、やっぱりそうきた…………

「いいじゃない、二人共運動神経良いし、二人が出ると盛り上がるのよ」

「「絶対に出ません!!」」

「………ならクリアしたら文化祭の時、余り迷惑をかけないように配慮するわ」

「「絶対に出ます!!」」

えっ!?簡単に折れすぎ?
いや、絶対に文化祭の方が酷くなるでしょ。

「なら決定ね、今日中に考えて、明日発表するわ!!」

ご機嫌でそんな事を言う会長。
自分が楽しいと止まらないんだからこの人は…………

「…………面白くなりそうっス」

「ウェンディ?」








5時間目……………

「みんな、体育祭の出る種目を決めるわよ!」

アリサが教卓に立ってみんなに話かける。

「先ずは男子1500m走。えっと…………小林君でいいわね」

「強制!?」

「だって野球部じゃない」

「いや、そうだけど…………」

野球部だからって長距離走ってのは酷いと思う……………けど!!
俺に回って来ないしいいか〜

「ウチのクラスは帰宅部ばかりで、長距離走れる人が居ないのよ、お願い!!」

頭を下げるアリサ。
それを見て、圭も驚いている。

「いや、そこまでしなくてもいいからバニングスさん!!分かった、俺が出るよ!!」

おっ、決まったな。

「ありがとう、次は…………」

とこんな感じで効率良くアリサが決めていった……………






「さて、次は2人3脚ね、何故か男女ペアでなくちゃいけないんだけど、立候補は………」

「「「「「「「「「「ハイハイハーイ!!」」」」」」」」」」

SBS団が一斉に手を上げた。

「何でここだけ一生懸命なのよ……………」

アリサが呆れるのも分かる。
今まで沈黙を守ってた奴等がいきなり騒ぎ始めたのだ。

「絶対やりたくない…………」
「気持ち悪い…………」

ほら、女子が引いてるじゃねえか…………

「はい、私やりま〜す!!」

そんな中、空気をぶっ壊す様に坂巻が手を上げた。
その瞬間SBS団から喝采が湧く。

「渚!?考え直した方がいいわよ!!」

進める方のアリサまで止める始末…………
これ…………決まるのか?

「大丈夫だよアリサちゃん。私の相手は良ちゃんだから!!」

「「「「「「「「「「中島!!!」」」」」」」」」」

SBS団が立ち上がり、今にも襲いかかろうとしている。

「ちょっ!?落ち着けって!!俺は出るなんて一言も………」

「嫌…………?」

「うっ…………」

坂巻が良介を潤んだ目でジィーっと見つめる。
あれは反則だな…………

「…………分かった、出ますよ………」

「ありがとう良ちゃん!!大好きだよ!!」

「「「「「「「「「「うわあああああああ!!」」」」」」」」」」

SBS団が血の涙を流しながら良介に襲いかかってきた。

「悪い、俺は抜ける!!」

この展開を分かってた良介はアリサにそう言って直ぐ教室を出ていった。

「逃すな!!」
「リア充に裁きを!!」
「FUCK!FUCK!」

SBS団も全員ついて行った。

「……………それじゃあ帰ってくる前にちゃっちゃと決めちゃいましょう」

ですよね〜









「さて、後はリレーね」

大体の競技を選び終わり、後はリレー各種となった。

いなくなった生徒(SBS団)は徒競走など残りの競技に強制的に入れられていた。
まあどうでもいいけど…………

「取り敢えず高得点だから足の速い人にやってもらうわね…………」

そう言って足の速い人の名前を書いていく。

「フェイト、すずか、私と…………そういえば、星達って足って速い?」

「速いよ!!」

こういうイベントが大好きなライが立ち上がってアピールする。

「ちなみに50mのタイムは?」

「えっと、6秒6」

「はあ!?」

圭が驚きの声を上げている。

まあそうだろうな、だって圭だって6秒8だし、俺も6秒9だもん。
ちなみに圭がクラスの男子で一番早いので実際ライが一番速いという事になる。

「じ、じゃあ夜美は?」

余りにも予想外だったのか、アリサの声が驚きで震えている。

「私は7秒2だ」

夜美も運動神経良い事は分かってたけど、速いな………

「せ、星は?」

「私は2人程速くはないですよ、7秒5です」

それでも全然速いんだけどね。

「それじゃあ、リレーの女子はすずか、フェイト、私、星、ライ、夜美で決定ね」

誰も何も言わないので決定みたいだ。

「男子は、小林、零治、神崎、山本、城山、でいいわね」

あのバカ体育祭来るのか?
ここ最近来てないんだけど………

「後は混合リレーね。さっきのメンバーで速い3人ずつでいいわね。男子は小林、零治、神崎、女子はフェイト、ライ、すずかと夜美はタイムが一緒だけどどうする?」

「夜美ちゃんこの学校での体育祭は初めてだよね?だったら夜美ちゃんが出なよ」

「そうだな、じゃあ我が出ることにしよう」

これで決定かな。

「これで決まりね!私達は赤組よ、体育祭は頑張りましょ!!」

こうして俺達の出る競技は決まった。







次の日……………

「凄いな…………」

昇降口にある掲示板、そこにまた人だかりが出来ていた。

「恐らく会長だろうな」

「「「会長?」」」

「また何か企画してるのか?」

フェリアは不安そうな顔で俺に聞いてくる。
事情を知らない3人は何を言っているか分かってないみたいだ。

「アレを見れば分かるさ」

俺はそう言って掲示板を指差す。
取り敢えず掲示板を見てみることにした。


「さて、何が載ってるのでしょうか………」

そう言って星が見てみる。

「なになに……………『特別障害物走、クリアした選手の色に大量得点!!部活には部費の増加あり!!参加自由なので是非参加を!!』ですって」

流石、会長。仕事が速いな…………

「僕出る!!」

すかさず出ると宣言するライ。

「いいんじゃないんですか」
「頑張るのだぞライ!」

「うん!応援しててね!!」

星と夜美は応援してるけど……………

「大丈夫なのか………?」

「どうだろう…………」

フェリアと俺は不安で一杯だった。

「今の所は何とも…………まあ俺と桐谷も出るし、出来るだけフォローするさ………」

「そうか…………」

そんな可哀想な奴を見る目で見ないでくれ、フェリア。

「フェリアも出る?」

「断固拒否する!」

そんなに強く否定しなくても………

せめて楽しく過ごせる体育祭になってくれ………………

そう俺は願ったのだった。 
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