転生とらぶる
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機動戦士ガンダム
2149話
グラナダに対する通信は、すぐに終わった。
俺の顔を見せての一方的な通信だったが、それでもグラナダで俺の戦闘を見て恐れている者達にとっては、安心出来る内容だった筈だ。
向こうから手を出さない限り、こっちも同様に手を出さないというのは、一般人にとってはこれ以上ない程の保証なのは間違いなかった。
……とはいえ、何か妙な勘違いをして、自分達が何をしても俺が手を出さない、なんて勘違いしたような奴が出てくる可能性も否定は出来ないのだが。
そういう相手は、それこそ自分の楽観的な考えを間違いなく後悔する事になる筈だった。
ともあれ、そんな訳で……ニーズヘッグはそれ以上は特に争う様子も見せずにグラナダの宇宙港に入っていき……
「馬鹿が」
T-LINKシステムを使い、ヒートロッドにしたその尻尾は、隠れた場所からこちらに向かって攻撃を仕掛けようとしていたザクの腕を即座に切断する。
次に尻尾の先に念動力の刃を生成し、残っていた左手と両足、頭部を切断する。
ザクのパイロットにしてみれば、自分がどのような攻撃でダメージを受けたのか、全く分からなかっただろう。
尻尾の動きは、それこそかなりの速度だったのだから。
ともあれ、四肢を切断されたザクの胴体は、そのまま床に落ちて派手な音を周囲に響かせる。
ニーズヘッグが来るということで、俺の入った宇宙港は人の姿がいなかったのは、ある意味で幸いだったのかもしれないな。
そんな風に思いつつ、宇宙港から出てグラナダの街中に入る。
もっとも、宇宙港から出たばかりだからか、周囲に人影も敵影も……いや、いたな。
いたというか、かなりの数がこちらを待ち伏せている。
……宇宙港から出たばかりの場所でこちらを待ち伏せしているのであれば、それこそニムバスみたいにグラナダの外でこっちを待ち伏せすればよかったと思うんだが……その辺、どうなってるんだ?
一瞬そう戸惑ったが、すぐに30機を超えるザクがそれぞれザクマシンガンやザクバズーカの類を持たず、ヒートホークだけを持っているのを見て、納得する。
「なるほど。ニーズヘッグの射撃攻撃を封じたかった訳か」
考えてみれば明らかなのだが、グラナダのような月面都市の中でビーム兵器を使おうものなら、それこそ被害は莫大なものになる。
そして、キシリア……もしくはこの作戦を立てた奴が別にいるのかもしれないが、ともあれこっちの攻撃は射撃戦闘特化とでも思ったのだろう。
正直なところ、間違っていない。
ヒュドラを代表する装備に、ニムバス達を瞬殺した拡散ビーム砲、頭部のビームバルカンもザク程度を相手にした場合は驚異的な破壊力を持つだろうし、エナジーウィングから射出されるエネルギーも、拡散ビーム砲並の、あるいはそれ以上の広範囲攻撃を可能としている。
また、小型ながら十分な威力を持つファントムも、敵対する方にしてみれば非常に嫌なものだろう。
勿論この短期間でニーズヘッグの持つ射撃武器の全てを理解したとは俺は思っていないし、当然のように向こうも思っていないだろう。
だが、それでもニーズヘッグが強力な射撃兵器を持っているというのは、映像を見れば明らかな訳で……そう、やはり狙いとしては間違っていないのだ。
残念だったのは、先程の宇宙港で俺が尻尾を使ってザクを倒した光景を見ていなかった事。
いやまぁ、リアルタイムの生中継である以上、あの映像を見ていればここで俺を防ぐために戦力を集中させるような真似は出来なかっただろうが。
「だが……その考えが甘かったという事を、ここで証明してやろう! 降伏勧告はしないぞ。それはさっきグラナダの外からやったからな」
ここは既にグラナダの中なので、外部スピーカーを使ってそう告げる。
そんな俺の言葉に、ザクの群れは一斉に動き出す。
ヒートホークを1本だけ持っているザクもいれば、両手にヒートホークを持っているザクもいる。
そんなザク達を相手に……俺はニーズヘッグを後退させるような真似はせず、一気に前に出る。
これだけ接近戦を挑んでくる敵がいるというのであれば、それこそ俺にとっては嬉しい誤算だ。……いや、誤算って表現は正しくないか。
ともあれ、ザクよりも小さいニーズヘッグだけに、敵の攻撃を回避するのは難しい話ではない。
真っ先にこっちに突っ込んで来たザクが、叩き付けるようにヒートホークを振るおうとして……次の瞬間、ニーズヘッグの尻尾によってあっさりとヒートホークを持っていた腕が切断された。
同時にヒュドラの先端からビームサーベルを展開し、エナジーウィングも近接戦闘用の武器として大いに暴れる。
普通であれば、6本のヒュドラに1本の尻尾、2対のエナジーウィングというのは、到底操りきれるような代物ではない。
だが、それは俺が混沌精霊で、更にT-LINKシステムを使って操縦する事により、不可能が可能に変わる。
ヒートホークの攻撃を回避しながら、ヒュドラを振るって腕を、足を、頭部を切断していく。
背後から襲おうとしたザクに尻尾が巻き付き、身動きを出来なくした状態で電流を流してシステムをショートさせる。
当然のようにシステムがショートしたザクは、それ以上動けなくなり……ニーズヘッグの尻尾に巻き付かれ、そのまま振り回される。
ザクが密集している場所でその機体が好き放題に振り回されているのだ。
当然ながら、そうなれば周囲の被害は大きくなり、ニーズヘッグに向かってヒートホークで攻撃しようとしていた機体の多くが、尻尾の力で振り回されたザクにぶつかり、吹き飛ばされていく。
普通なら、ザクとザクがぶつかっても衝撃を受けるだけで、吹き飛んだりといった事はしないだろう。
だが、ニーズヘッグの尻尾の力はそんなザクを軽々と振り回せるだけに、70t前後の重量そのものが武器として使われた。
……コックピットのパイロットがどうなったのか、ちょっと気になるが……取りあえず、死んではいないだろう。ステータスの撃墜数は増えてないし。
そのまま数機のザクを吹き飛ばし、半壊させると、最後に武器として使っていたザクを尻尾の力で投げつける。
味方機を武器として使われるといった経験をしていた敵は、結構な数がニーズヘッグから離れて様子を見ていたのだが……そこにまともに突っ込んだ形となる。
自分達に向かって真っ直ぐ進んでくるザクを何とか回避しようとした機体もいたが、ザクが投げ飛ばされた速度に対応出来た機体は多くはない。
そして、何とかその一撃から回避した機体も……次の瞬間には、いつの間にかすぐ近くにいたニーズヘッグの振るうビームサーベルによって、手足と頭部を切断される。
ビームサーベル6本を自由に操り、エナジーウィングと尻尾すらも自由に操る。
近接攻撃を弱点と思っていたニーズヘッグに、これだけの近接用の武装があるというのは……ここで待ち伏せしていた突撃機動軍にとって、大きなミスだろう。
次々に撃破されていくザク。
中にはニーズヘッグの圧倒的な力を恐れてか、撤退しようとした奴もいたのだが……生憎とこの戦闘の映像は全世界に生中継されている以上、シャドウミラーの強さを知らしめる為に放っておく訳にはいかない。
ヒュドラに内蔵されている、T.T.キャノンからビームを発射。
グラナダの内部であれば、ニーズヘッグが得意とするビーム兵器を使うのに躊躇する、もしくは使えない。
そう考えたのは正しいが……世界には、何であれ例外というべき物が存在しているのだというのを、知るべきだったな。
T.T.キャノンから放たれたビームは、ビームではあるが、普通のビームとは違ってT-LINKシステムにより、その軌道を自由に変更する事が可能だ。
結果として、放たれたビームは大きく弧を描くようにしながら、数機のザクの手足を消滅させていく。
威力そのものは、こちらもT-LINKシステムによってかなり弱くなるように調整していたので、何機かのザクの手足や頭部を消滅させたところで、ビームは消える。
そう、グラナダという月面都市に一切被害を出すような事をしないままに、ビーム兵器を使ったのだ。
……まぁ、T-LINKシステムによって軌道をコントロール出来る以上、純粋なビーム兵器とは、ちょっと呼べないかもしれないが。
そんな風に考えつつ、俺は周囲を見回す。
気がつけば、俺を待ち伏せしていたザクの数は残り3機にまで減っている。
向こうにとって、この事態は完全に予想外だったのか、俺の方を見ているザクは完全に怯えているようにも見える。……いや、怯えているようにしか見えない、というのが正しいか。
事実、ニーズヘッグが尻尾で地面を軽く叩くと、向こうは動揺したように見える。
とはいえ、MSに乗っている以上は当然ながらパイロットの顔が見えない以上、ザクの微かな挙動でそんな風に感じた、というのが正しいのだが。
そんな状況でニーズヘッグを1歩前に進めると……残る3機のザクのうち、2機は手に持っていたヒートホークを地面に落としてホールドアップの態勢をとる。
だが、そんな2機とは違って残る1機は、寧ろニーズヘッグの存在に刺激されて激しく反応し……半ば自棄になったのか、一気にこちらに向かってくる。
両手にヒートホークをそれぞれ1本ずつ持ったその姿は、見る者が見ればかなり迫力を感じるだろう。だが……今のニーズヘッグを操る俺にとっては、寧ろ改修された機体の慣らしにちょうど良い相手でしかない。
「これは、まだ試してなかったな」
T-LINKシステムによって、念動力の糸を生み出すグレイプニルの糸。
ヒートホークを振りかぶって突撃してきたザクの攻撃を回避しつつ、俺はグレイプニルの糸をザクの身体に巻き付ける。
そしてT-LINKシステムによって念動力を込め……次の瞬間、ザクは四肢と頭部がグレイプニルの糸によって切断された状態で、胴体のみが地面に落ちる。
うん、久しぶりにグレイプニルの糸を使ったが、十分使いものになるな。
その事に安堵しつつ、俺はホールドアップの態勢をとっている残り2機のザクに視線を向け、外部スピーカーで声を掛ける。
「降伏するのなら、コックピットから出ろ」
その言葉に従って、ジオン軍のパイロットスーツに身を包んだ2人のパイロットがコックピットから降りてくる。
両方とも男なのは、そのパイロットスーツの体型を見れば明らかだった。
「よし、機体から20mくらい離れろ」
その言葉にも素直に従い、2人のパイロットは機体から離れていく。
それを確認し、俺はニーズヘッグをザクに近づけ……コックピットから降りて――正確には飛んで――2機のザクに近づいていく。
俺が空を飛んだのを見た2人のパイロットは驚いているようだったが……まぁ、普通なら人間がそのまま空を飛べば驚くよな。
けど、俺が調べたところでは、この世界にはパーソナルジェットのような、個人で空を飛ぶ為のバックパック――という表現が正しいのかどうかは分からないが――もある。
それを思えば、機械もなしで普通に俺が空を飛ぶのはそんなに珍しいものではない、と思う。
そんな風に思いつつ、俺は空を飛びながらザクに触れ……空間倉庫の中に収納する。
いきなり目の前からザクが消えた事に驚いた様子を見せていたパイロット2人だったが、俺はそれに構わずニーズヘッグのコックピットに戻る。
今は驚いて何も考えられなくなってるからいいが、このまま下手に空を飛んでいたままだと、場合によっては歩兵に狙撃される可能性もあるのだから。
いやまぁ、俺には物理攻撃は効果がないので、狙撃されても構わないと言えば構わないのだが。
それでも、俺の異常性をわざわざここで知らせる必要もないだろう。
驚いている者達をその場に残し、ニーズヘッグはその場を後にする。
それにしても、こっちの実力をこれだけ見せつけてしまえば……これ以後も攻撃してくるかどうかは、微妙なところだな。
そんな風に思わないでもなかったが、今回の一件に関して言えば、向こうの戦力は既にかなり消耗している。
であれば、これ以上の被害を受けないために降伏するという選択肢も存在している筈だった。
……とはいえ、ギレンと政治的な対立をしており、ドズルともMSの扱いで敵対した経験がある以上、ここで自分達だけがかなりの被害を受けるといった真似は、とてもではないが好むようなものではないだろう。
ましてや、ここで降伏するような事になれば、キシリアの面子はこれでもかと潰されてしまうだろう。
であれば……いっそこっちと手を組む?
いや、ルナ・ジオンを率いているのがセイラである以上、その選択肢はあり得ない。
そんな風にキシリアの次の手を考えつつ……俺は、グラナダの中を進むのだった。
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:235
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1987
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.11
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1435
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