草原のメイド
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第二章
仕事の合間にだ、メイド長であるダークエルフにこの話をしたのだった。
「この馬の下半身の身体でも」
「旦那様はですね」
「何の問題もないってお考えなんですね」
「ゴブリンや魔族のメイドもいますね」
「翼人や蛙人の人も」
「どの種族もそれぞれ特徴があります」
それも大きなだ。
「かく言う私にしましても」
「ダークエルフだから」
「そうです、エルフの亜種ですが」
種族的にはそうなっている。
「この漆黒の肌と銀色の髪が異端視されていました」
「そうだったんですか」
「エルフには差別する人もいます」
ダークエルフ達をというのだ。
「そして人間からもです」
「ダークエルフって差別されるんですか」
「はい」
その通りだというのだ。
「そうした人がいます」
「あの、メイド長さん凄い美人さんですが」
漆黒のツヤのある肌に銀色のさらりとした長い髪、切れ長の緑の瞳とだ。スタイルもよく抜群の美貌である。
「それでもですか」
「肌や髪の毛の色、そして種族が違うので」
「だからですか」
「同じ種族の間でもありますよ」
「ダークエルフの人達の間でも」
「そうです、ですが」
そうした差別があるがというのだ。
「旦那様はです」
「差別はされずに」
「メイドとして優れていれば」
そうであるならというのだ。
「それで、です」
「雇ってくれるんですね」
「素晴らしい人だとわかりますね」
「私もよくしてもらっています」
綺麗な二人部屋に住ませてもらっている、食事は三食しっかりとしたものが出て服も提供してもらっている。入浴も洗濯も毎日出来る。生活に苦労していない。
「他の皆と一緒に」
「そうですね、ですが」
「あっ、さっき言いましたね」
「そうですね、世の中にはです」
「旦那様の様な方もいれば」
「差別する人もいます」
それを行う者もというのだ。
「そしてです」
「私達の中にはですね」
「差別されている人もいます」
そうだというのだ。
「私達は旦那様にお会い出来て幸せなのです」
「いい御主人様に雇ってもらって」
「そうなのです。しかし世の中には」
「差別を行う人もいる」
「このことはわかっておいて下さい」
アバクもというのだ。
「いいですね」
「何か実感出来ないですが」
それでもとだ、アバクは考える顔になってだ。
ダークエルフの言葉に頷いた、そしてだった。
アバクは屋敷のメイドとして働き続けた、その中で外に買い出しに出た時にだ。
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