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空に星が輝く様に

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477部分:第三十七話 星座その七


第三十七話 星座その七

「なりました」
「わかったわ。それは貴女にとってね」
「私にとって?」
「いいことみたいね」
 先輩は笑顔のまま星華に話す。
「その顔を見ればそう思うわ」
「笑顔をですね」
「明るくて。いい笑顔よ」
 見ればだ。星華は曇りのないとても明るい笑顔になっている。少女、それも健康なそれに相応しい、その笑顔を見せているのだった。
「よかったわね」
「はい、有り難うございます」
「じゃあその笑顔で」
 先輩はだ。星華にこうも言ってきた。
「ここから帰ってね」
「今度は何処に行きますか?」
「プリクラ行かない?」
 先輩が次に誘うのはそこだった。
「スタープラチナね」
「あっ、あそこですね」
「そう、あそこ」
 スタープラチナについては星華も知っていた。彼女も州脇立ちと一緒に何度か行っている。奇麗なゲームセンターである。
「あそこでプリクラ撮って」
「カラオケもですね」
「そうそう。あそこカラオケもあるし」
 ビルになっていてそこにその店もあるのだ。
「あそこって家でやってるのよ」
「あのカラオケの受付の女の子のお家でしたっけ」
「そう、あのいつもベイスターズの帽子被ってる娘」
 その娘の家だというのだ。
「あの娘ね」
「あの娘って凄い横浜ファンみたいですね」
「そうね。何か凄い感じね」
「横浜ですか。嫌いじゃないですけれど」
「そこから先は言わないでおきましょう」
 笑ってそれは止めた先輩だった。
「あえてね」
「そうですね。それは」
 横浜が負けに負けていることはだ。お互いあえて言わないことにした。そのあまりもの弱さはかつての阪神も同じでそれを思い出すからだ。
 それでだ。二人はその話を止めてだ。プラネタリウムを出てそのうえで百貨店からも出てプリクラを撮りに行くのだった。そんな楽しい日曜だった。 
 椎名もだ。笑顔でだ。今は言うのだった。
「ねえ」
「どうしたの?」
「これからだけれど」
 笑顔で赤瀬に言う。
「どうする?」
「ううんと、どうしようかな」
 そう言われてだ。赤瀬は考える顔になった。そのうえで椎名を見下ろして言ってきた。
「ここは」
「楽しい場所に行こう」
「楽しい場所って?」
「飲む場所」
 そこだというのだ。
「お茶でも」
「お茶なんだ」
「美味しいお茶飲みたくなってきたから」
「それでなんだ」
「最高の気分は最高のお茶でしめたい」
 椎名はまた言った。
「だから」
「ううん、だったらブルーライオンかマジックかな」
 赤瀬は腕を組んでこう述べたのだった。
「どっちかかな」
「そうね。明るい雰囲気ならブルーライオンで」
「そこだね」
「大人な雰囲気ならマジック」
 それぞれ特徴があることが椎名の今の言葉からわかる。喫茶店も店によって違うのだ。
「どっちかだね」
「じゃあブルーライオン」
 そこだと答える椎名だった。
「そこにしよう」
「明るい雰囲気がいいんだ」
「今私とても明るいから」
 だからだというのである。
 
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