レーヴァティン
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第六十七話 宗教都市その九
「だからな」
「それでだね」
「下水道も今後な」
「調べておくべきだね」
「ああ、若し敵がローマの中に入る」
その時にというのだ。
「そうしたらな」
「下水道を密かに移動して」
「その敵を奇襲することだってあるだろ」
「そうした戦術もあるよね」
所謂ゲリラ戦術だ、第二次世界大戦の時にフランスのパルチザンがそうしてドイツ軍と戦っていたのだ。
「それをだね」
「俺達がやるケースもな」
「あるってことだね」
「そうだ、だからな」
それでというのだ。
「下水道、マンホールの向こう側の世界もだ」
「調べていくってことだね」
「そうしていこうな」
「下水道。臭いけれどね」
それでもとだ、源三が言ってきた。
「頭の中に街のこととしてね」
「入れておくべきですね」
順一もこう言った。
「都市計画としても」
「そうそう、内政でもね」
「頭の中に入れておいて」
「街の内政にも活かしていきましょう」
「是非ね」
「それがいいですね」
順一はこう言った、そしてだった。
彼も今自分達がいるその場の足元、その下に流れている下水道のことを思ってそのうえでこう言った。
「下水道も重要な都市計画です」
「臭い、汚いにしても」
「街の衛生を保ちます」
「だからなんだよね」
「奥州の多くの都市では下水道はありませんでした」
それどころか肥溜めの様なものすらなかった、排泄物は道の端に捨てていたのだ。
「ですから」
「物凄く不潔だったんだよね」
「トイレがあっても」
「出したものを未知の端に捨ててたからね」
源三もこのことを話した。
「だから凄く不潔だったんだよね」
「それが疫病の元にもなりました」
「ペストとかね」
「日本ではなかったですが」
日本でペストは知られていない病気だった、幸いなことに。
「汲み取り式の便所や肥溜めがあったので」
「そのせいでね」
「衛生面は欧州より遥かによかったです」
「そうだね、まあこっちの世界では普通に汲み取り式もあるけれど」
この島でもだ。
「下水道もあるから」
「これは街によりますが」
「あるのならね」
「友好的に使うべきです。そして出来れば」
順一はさらに話した。
「ない街にもです」
「下水道を施設していくんだ」
「そうしていきましょう」
是非にと言うのだった。
「これからは」
「それも内政だね」
「その通りかと」
まさにというのだ。
「このことも」
「うん、衛生が悪いと」
源三もあらためて述べた。
「さっき話した通りになるからね」
「ペスト等が流行して」
「あんな病気流行したら」
「この島は衛生状態はいいですが」
中世の奥州に比べてかないだ、排泄物や廃棄物の処理は進んでいてしかも衛生への知識もあるからだ。それでだ。
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