空に星が輝く様に
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475部分:第三十七話 星座その五
第三十七話 星座その五
「部活はここに来るのなら休めるから」
「有り難う」
「御礼はいいから」
またそれはいいというのであった。
「それは」
「またそう言うのね」
「本当にいいから」
「だからなの」
「そう、それで」
こう星華に話していく。
「御礼とか言われるの好きじゃない」
「そうだったの!?」
「恥ずかしいから」
理由はそれであった。
「だから。いい」
「そうなの。じゃあね」
「御礼はなしで」
「わかったわ。じゃあ行ける日はね」
「連絡して」
言いながらだ。椎名は早速携帯を出してきた。彼女がそれを出してきたのを見て星華もだ。自分の携帯を出したのである。二人はそうした。
星華のその携帯を見てだ。椎名は言った。
「緑色なの」
「うん、緑好きだから」
それでだと答える星華だった。
「だからね」
「私も緑は好き」
椎名もその色はいいというのだった。
「けれど」
「けれど?」
「携帯はこの色」
見ればだ。一番オーソドックスなシルバーであった。
「これ」
「その色なの」
「特にこだわらなかったらこの色になったの」
「携帯って大抵シルバーだからね」
「今思うと」
「どうなの?」
「派手にしたかった」
こう星華に話すのだった。表情はなく言葉にも抑揚がないのはいつも通りである。
「マークつけたりして」
「マークねえ」
「番号だと十一」
それだというのだ。
「それか十」
「確かその数字って」
「阪神の永久欠番」
それは三つある。この二つの他には二十三である。この三つの背番号は阪神においては誰も着けることのできない神聖なものなのだ。
「村山、藤村」
「それで二十三は吉田よね」
「数字ならそれ」
「ってあんた阪神ファンだったの」
「関西人だから」
今度言う理由はこれだった。
「猛虎最高」
「私も阪神よ」
星華はここでは微笑んで述べた。
「お父さんもお母さんもね」
「阪神ファンなの」
「そうなの」
微笑んで告げた言葉だった。
「妹もそうよ」
「妹いたの」
「そうなの。一人ね」
何時の間にか打ち解けてだ。星華は椎名に次々に話していく。
「中学校三年で」
「じゃあ今年受験」
「うちの高校受けるって言ってるわ」
星華は打ち解けてだ。自分から話していくのだった。
「それで今必死に勉強してるわ」
「そうだったの」
「そうなの。私なんかよりずっと頭がよくてね」
星華は今も成績は今一つだ。かなり苦労しているがそれでもあった。
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