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おぢばにおかえり

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第四十五話 二学期になってその二十八

「そうなってるけれど」
「私は次女でお兄ちゃんもいますし」
「私は弟がいますから」
 二年生の娘だけでなく一年生の娘もお話に入ってきました。
「教会は弟が継ぎますけれど」
「女の子しかいないとですね」
「そうなの、女の人でも会長さんになれるけれど」
 それで女の人が会長さんの教会もあるにはあります、奥華にもそうした教会が結構あります。
「けれど基本は、でしょ」
「男の人が継ぐから」
「先輩のお家ではですね」
「私がお婿さんを迎えて」
 そうしてです。
「教会長さんになってもらうの」
「そういうことですね」
「それが先輩のお家の事情ですね」
「そうなの、相手の人がいてくれないと」
 一番困るケースです、私にとっても教会にとっても。
「私が会長さんになるしかないの」
「先輩なら大丈夫ですよ」
 二年生の娘が笑って言ってきました。
「相手の人来てくれますよ」
「そういえば先輩阿波野君と仲いいですよね」
 一年の娘がここでとんでもないことを言ってきました。
「あの子と」
「えっ、阿波野君知ってるの」
「はい、隣のクラスで数学の授業一緒ですから」
「そうだったの」
 私は一年の娘に驚いて言いました。
「お隣さんだったの」
「クラスは。明るくて気さくでいい人ですよね」
「世界って狭いわね」
 まさかこの娘が阿波野君と知り合いなんて夢にも思いませんでした、同じ高校ですから知り合い同士なのも不思議じゃないですが。
「それともこれもお引き寄せかしら」
「今日ソフトバンク勝ったって喜んでましたよ」
「ああ、そういえばあの子ソフトバンクファンだったわね」 
 このことを言われて思い出しました。 
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