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オズのガラスの猫

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第十幕その五

 お薬は一粒ずつなくなっていってそしてでした。
 オズマの周りに沢山の生きもの達が出てきました、そこには白鳥もいます。
 その白鳥がです、皆に申し訳ないお顔で言いました。
「この度は本当に迷惑をかけて」
「これからは気をつけてね」
 オズマがその白鳥に言いました。
「そうしてね」
「はい、知らない国で知らないものはですね」
「食べない」
「そうします」
「こうしたこともあるからね」
「本当にそうですね」
「さて、後はね」
 オズマは白鳥に注意してからです、あらためて言いました。
「ダマの木をね」
「全部なのね」
「切り倒して」
 そしてとです、ガラスの猫に応えるのでした。
「そうしてね」
「もう二度と実が成らない様にするのね」
「そうするの」 
 まさにというのです。
「そうして二度と誰も食べない様にしましょう」
「元を断つのね」
「そうしましょう、この森の管理人さんがいるから」
「その人を呼んで」
「切ってもらってね」
 そうしてというのです。
「焼いてもらうわ」
「それじゃあ今から」
「ええ、森の管理人さんを呼ぶわ」
 オズマは携帯を出してある人とお話をしました、するとすぐに金髪で逞しい身体をしたウィンキーの服を着た若い男の人が出て来てです。オズマに言いました。
「まさかですよ」
「ダマの木がこの森にあるとはよね」
「思っていませんでした、ただ」
「ただ?」
「声だけがすることは前から森でも話題になっていて」
 それでというのです。
「私も不思議に思っていたんです」
「貴方もなのね」
「はい、森の管理人としても」
 そうだったというのです。
「けれどまさか」
「ダマの木がこの森にあるとはね」
「夢にも思っていませんでした」
「じゃあ声は何だと思っていたのかしら」
「山びこか妖精の悪戯か」
「それかと思っていたの」
「そうでした、しかし違ったんですね」 
 真剣な顔で言う管理人さんでした。
「いや、こんなこともあるんですね」
「私も驚いているわ、それでね」
「はい、そのダマの木をですね」
「これから全部切ってね」
 そしてというのです。
「木も実も全部燃やしてね」
「そうしてですね」
「この森でこうしたことが二度と起こらない様にね」
「すべきですね」
「ええ、そうしてくれるかしら」
「わかりました」
 管理人さんも頷いて答えました。
「そうします」
「それでダマの木はね」
 オズマはスマホを出してそのダマの木の姿を管理人さんに見せてお話しました。
「こうしたのなの」
「ああ、そうした木ですか」
「今から貴方のスマホに画像送るわね」
「はい、お願いします」
「じゃあこの木を探して回ってね」
「見付けたらすぐにですね」
「ええ、切ってね」
 そうしてというのです。
「焼いていってね」
「わかりました、それじゃあ」
「貴方達にも協力して欲しいけれど」
 オズマは森の動物達にも言いました、その姿が見えなくなってしまった彼等にです。見れば結構な数がいます。 
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