魔法科高校の劣等生の魔法でISキャラ+etcをおちょくる話
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第百二十八話
「「おはよう」」
「私はノワール」「私はブラン」
「「よろしく、円香」」
「コイツら二人を付ける。戦力としてはIS数機分だから安心していいぞ」
朝食を食べ終え食器を片付けた後、一夏はFA:G二機を呼び出した。
マテリア姉妹だ。
「よろしくおねがいします?」
円香がクロの頬をつつく。
「人間…?」
「小型バイオロイド。ラバー製だ」
身長は15センチ程だが、しなやかに動き流暢に会話する。
「なぁ、一夏。お前そういう趣味でもあるのか?」
「そういう趣味って?ピグマリオンコンプレックス?」
「まぁ、そうだ」
「FA:Gは潜入用だよ」
「そうね」「ご主人様は」「私達を使って」「その子を助けたものね」
「そういうこと。まぁ、情報収集用だと思ってくれていいよ」
「なかでも」「私達は」「特にね」
マテリアは交互に話すのが好きなようで、ずっと文節で区切ったり声を揃えたりして話していた。
「一夏。護衛といったが本当に戦力になるのか?このサイズではどうもな」
「マテリア姉妹は専用アーマーこそ無いけどその戦力は折紙付きだよ」
「ノワール、ブラン。貴方たちってつよいの?」
「ええ」「貴方を守るくらい」「簡単よ」
「まぁ、一応モノクロームアバターも付けるし問題無いだろ」
「所でご主人様」「二人に渡す機体は」「完成してるの?」
「ああ、メインユニットはな。
せっかくだから今日渡す事にした」
一夏がホロウィンドウを呼び出し、叩き始める。
メッセージをモノクロームアバターへ送る。
「直ぐに来ると思うよ」
モノクロームアバターの家…というかアジトは一夏と束が用意した。
一夏達の家からそう遠くない。
モノクロームアバターの二人は一夏が呼び出してから10分程で来た。
「や、スコール、オータム。おはよう」
「おはよう、坊や」
「お、おはよう…」
オータムは未だに一夏が怖いのか、スコールより二歩ほど後ろにいる。
「朝から呼び出してすまない。二人には円香の護衛を頼むよ」
「あら、やっとお仕事?」
「うん。で、一応IS渡しとくね」
一夏が二人に差し出したのはイヤリングだった。
「あら、いいの?こんな物?」
「ああ、構わない。データを見といてくれ」
スコールとオータムがイヤリングを耳に付ける。
一夏は二人をソファーに座らせ、データに目を通すよう命じた。
「それで、箒が迎えに来るんだよな?」
「そうだよ」
「束さんは?」
「束お姉ちゃんは家で待ってるって」
「そうか」
兄との問答の間も円香はノワールとブランの頬をつついたりしていた。
色々触りたい時期なのだろう。
「でねでね!お兄ちゃんが住んでた部屋に泊まって良いっていってた!」
「おー…成る程そうやって釣ったのか。
まぁ、見られて困る物も特に置いてきてないが」
なお一夏と千冬の部屋は篠ノ之夫妻の厚意でそのままにされている。
そこで家のチャイムが鳴らされた。
一夏達が許可を出す前に玄関のドアが開けられ、箒がずかずかと入ってくる。
「おじゃまします千冬さん。
円香。迎えに来たぞ」
「あ、箒お姉ちゃん!」
円香がとてとてと箒に駆け寄り、抱きつく。
「あら、彼女が箒?」「ご主人様の嫁?」
「む。FA:Gか」
箒の視線がマテリア姉妹に注がれる。
「円香とお前の護衛だ」
「私の? 私に護衛はほぼ不要だと思うのだが」
「お前の護衛はついでだよついで」
「むぅ…私もただ守られるだけではないのだぞ?
この前ヘカートⅡを防いで見せたではないか」
「不意討ちされたらどうしようもないでしょ。
あとそこの金髪と茶髪も円香の護衛ね」
「些か過剰だと思うぞ? 護衛なのだろう?
目立つのは反って逆効果じゃないのか?」
「この前円香の重要性は話したと思うけど?」
数日前、一夏は身内━━ここでは戦闘ができる知り合いという意味━━を集め、円香を気にかけるよう言った。
「うむ……円香を守りたいお前の気持ちはわかった。ここは引く。
だがいつまでもこうだと円香に自由がない」
「そこら辺は考えてる。抜かりない」
「ならいいのだが…」
「?」
円香は兄と義姉の会話をぽかーんとしながら聞いていた。
「一夏。円香に準備はさせてるんだろう?」
「ああ、させてる。というかブランに持たせた」
「では円香。行こうか」
「うん!」
箒と円香が手を繋いで、リビングを後にする。
「お兄ちゃん!お姉ちゃん!いってきます!」
「いってらっしゃい」
「ああ、行ってこい」
円香、箒に続いてスコール、オータムが出ていく。
マテリア姉妹は円香の肩に大ジャンプで飛び乗った。
「頼むぞ。スコール」
「ええ、任せてちょうだい。給料分の仕事はさせてもらうわ」
「それは頼もしい」
スコールが一夏と話している間、オータムはドアの外で待っていた。
「オータム。円香を頼んだ」
「はっはいっ!」
「はぁ……。いっていいよ」
スコールがクスリと笑い、オータムの肩に手を回しながら出ていった。
「…………よし」
「ゅ?どうしたの姉さん? そんな覚悟決めたような顔して?」
千冬は一夏を抱き抱えた。
そのまま、リビングを出る。
「なに?二度寝するの?」
「…………………」
すたすたと階段を上り、一夏の部屋へ。
「姉さん?」
千冬はベッドに一夏をそっと下ろした。
「一夏」
「なに?」
「私の願いを聞いてくれないか?」
「いいよ。俺に叶えられる範囲ならね」
一夏がベッドに寝転んだまま、両手を広げた。
一夏は単に姉が甘えたいだけだと思った。
弟である一夏には、姉の弱さが、甘え下手だという事がよくわかっていた。
照れ屋で、がさつで、不器用で…それでも誰かに甘えたい、頼りたい。
ソレを一夏は知っている。
だからこんな事をしているのだ、と一夏は予想していた。
「なら、一夏」
「うん」
「私を女にしてくれ」
「うんわかっ………………」
「は?」
後書き
続きはあっちで。
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