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執筆手記

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ネタバレ注意【SAOIF】ギルドに入ろう!

「それじゃあ、ギルドに入ろうか」

「ギルドですか?」

「そうだ、成長したギルドなら入手コル、入手経験値の大幅アップにモンスターを倒した時に出るドロップ率も上がるぞ」

「便利なんですね」

「あぁ、生産所で付加される生産ボーナスも☆5が出易くなるスキルが全員に付く」

「………それ、ソロプレイヤーの人はどうなるんですか?」

「どうにもならん。ギルドに入らなければ同じ武器を納得が行く生産ボーナスが付くまで厳選し続けるしかない」

「……成長したギルドならって言いましたよね? 成長してないギルドはどうなってるんです?」

「ギルドスキルが付くのはレベル2からで、コル入手10%アップからだな」

「ギルドを成長させるにはどうしたら良いんです? 人を沢山入団させるとか?」

「結果的にはそうなるが、ギルドを成長させるにはデイリークエストやイベントクエスト、後は掲示板でギルドポイントを稼がないとな」

「人数の少ないギルドはギルドレベルが上がりにくく成長も遅くなるって事ですか」

「そのとおりだ」

「……ところで、クラディールさんのギルドってあるんですか? それとも大きなギルドに所属してるとか?」

「ん? 俺のギルドはサブアカウントで固めたレギオンってギルドだな、レギオン(軍団)なのに俺一人ってオチだが」

「……何でそんなギルド作ったんですか?」

「ギルドクエストのイベントがあってな、参加ギルドにはギルドフラッグを表示できるマントのアバターとか色々特典があって、それ狙いだ」

「ひとこと言ってくれればお手伝いしましたよ?」

「俺の一言で爆死リセマラを、ギルドクエストのイベントが終了する期間内に、

 【蒼の追随】引いて終わらせて、更にランキング上位までお手伝いした。と言った様に聞こえたが?」

「ごめんなさい。無理です!」

「そうだよな、自分から『やりたい』だとか興味持ってない奴に、

 爆死リセマラを強要させて自分のギルドに強制加入させてランキング上位を狙うとか……あ、知り合いに結構居たな」

「……その人のギルドには入りたくないです」

「まぁ、そう言うだろうと思って、先日ギルドを作って置いたぞ、その名も≪†血盟騎士団†≫だ!」

「…………何で†(ダガー)使ってるんですか!? それ絶滅した生物の名前に使う奴ですよね!? 縁起悪いですよ!?」

「ネットゲームの伝統的な奴だ――――――――なんびとたりとも文句は言わせねぇ!!」

「何で格好良く言う必要があるんですか!?」


………
……



「それで、クラディールさんのギルドには今何人くらい人が居るんですか?」

「一名だけだな」

「……え?」

「一名だけだぞ? 『ギルドってどんな感じなのか興味があるけど、条件がちょっと』ってふらふらしてた奴を招待しただけだ」

「その条件って何ですか?」

「他所のギルドだとレベルがカンストに近い人や複数のギルドに所属しない条件だとか、職業とか性別や実年齢を言わなきゃいけないし」

「何でゲームのギルドに所属するだけでそんな物を提出しなきゃいけないんですか!?」

「サラリーマンだったらリアルの仕事を辞めてギルドの為に尽くして下さいって所までがテンプレだな」

「どんな世界ですか!? リアルの仕事を辞めちゃ駄目ですよ!」

「まぁ、そこまでやる理由はそれなりにある」

「……どんな理由ですか?」

「まずBOT避けだな、デイリークエストでギルドポイントも稼がず、

 ギルドスキルの恩恵だけ受けて経験値稼いだり生産ボーナス利用したりするだけとか、

 後はサブアカウントでギルドの人数上限を埋められて本アカウントは別のギルド育ててたら成長終わるし」

「ギルドランキング上位を目指す人達には致命的ですね…………クラディールさんのギルドはどんな条件を出してるんです?」

「ウチのギルドは出入り自由の自動承認だぞ? 来る者拒まず。

 ただし、サブアカウントやBOTで埋め尽くされる訳にも行かんから条件を付けた『5日放置で除名』ってな」

「……それ厳し過ぎますよ、人絶対に入りませんよね?」

「うむ。ギルドレベルも低いし、ギルドスキルも入手コル10%アップだけだし、直接加入させた一名以外入って来てないな」

「せめて『50日放置で除名』とかにしましょうよ」

「流石に見知らぬ奴を50日待ってやる義理は無いな、俺がギルドランキングで上位に食い込んだ時だけサブアカウントを増やされても困る」

「……ギルドランキング上位に入る自信はあるんですね」

「気の向いたイベントだけな、参加アバターが気に入らないだとか、報酬に見合うだけの時間をゲームに使いたくないだとかなら放置だし」

「とりあえず、クラディールさんのギルドに入れて貰えますか?」

「他に強いギルドはいくらでもあるぞ? 人数も少ないし成長速度も遅いぞ?」

「別にノラパーティーに参加したらいけないって条件はありませんよね?」

「特には無いな、と言うか何時でも抜けて良いし好きな時に戻って来るのも良しだ」

「なら、クラディールさんのギルドに入れてください」

「面白くなければ直ぐに出てって良いからな?」

「わかってますから」

「本当に分かってるんだろうな? IDは『4019869139』だ。プレイヤー名はコロコロ変えてるから気にするな」

「はい! …………あれ? ギルドってどこから加入するんですか?」

「メニューを開いて中央の二行目に開催中のイベント一覧のタグがあるだろ?」

「あ、これですね」

「一番下がギルドカウンターだ。受付に話しかけてギルド検索、ID検索で数字を入れろ」

「出ました、団長名が見慣れない名前ですね」

「俺が適当に使ってる名前の一つだ、同じ名前を使ってる奴は結構な数が居るから、知り合いだと思って話しかけないようにな」

「どうしてクラディールさんの名前じゃないんですか?」

「そっちはファーストキャラに使ってるからだ、サービス開始当初から使ってるがリセマラ無しでやったら【蒼の追随】が未だに出なくてな、

 ある意味意地なところがある。ファーストキャラで、クラディールで【蒼の追随】を出してやるってな」

「運営さんに嫌われてるんじゃないですか?」

「言うな、両手剣が実装されたらそっちに行く予定だが、クラディールなのに斧がメイン武器とか、俺はゴドフリーじゃねぇんだぞ!」



……
………


「はい、ギルド加入完了しました!」

「そうか、じゃあ、今開催中のソロイベントをクリアしてきてくれ」

「…………え?」

「今開催中のソロイベントをクリアだ」

「一緒にパーティーを組んで行きましょうよ」

「ソロイベントだからパーティー組んでも強制キャンセルされるぞ?」

「何でソロイベントからやらないといけないんですか?」

「そりゃあ、レベルが上限の半分近くまで上がるからな」

「え?」

「レベル上限の四割から五割の経験値が入るんだよ、ほんの数回クエストをクリアするだけでな」

「何でそんなぶっ壊れた仕様なんですか!?」

「サービス開始当初は第一層のボスに辿り着いた時はレベル10前後になってバランスも良かったんだがな。

 ほら、SAOって適正レベルが階層に対してレベルに+10って言われてたろ?

 だから第三層の頃にはレベル上限に到達する奴が多く出てな、第五層から滅茶苦茶難しくしたんだよ。

 そしたら第五層をクリアできない奴が山ほど出てな、暫くして第五層は弱体化されて、経験値バランスも変えられたんだが……」

「その結果が第一層でレベルが半分近くまで上がるイベントですか……」

「うむ。少し腕のある奴ならプレイヤースキルとポーションで死なずに第五層のボスをクリアできるぐらいにはなったな」

「……五層のボスってどれだけ強いんですか」

「四層までボスの攻撃が一撃400から800前後のダメージだったとしよう」

「はい」

「弱体化前の五層ボスは1万とか8千前後のダメージを普通に当てて来た」

「絶対バランスおかしいですよね!?」

「まぁ、五層到達は武器の買い方や変え方を調べもせずにプレイする連中でも到達できたからな、

 初期装備で五層ボスに勝てるのは一握りのプレイヤーだけだろうな、大半は五層まで来たのに武器や防具作ったりってのが面倒だったんだろ、

 定期的だが五層ボスに通用する武器も手軽に作れるイベントが開催される様になったな、しかも良い生産ボーナスも付きやすいときた」

「それじゃあ、今は……」

「一層のソロイベントでレベルを上げてイベント武器をレベル60まで強化すれば五層まで防具を作らずポーションがぶ飲みでクリアできるな」

「やっぱりゲームバランスおかしいですよね?」

「シリカみたいに今からゲームをスタートするプレイヤーが攻略組みに追いつくには、ここまでしなきゃいけないんだろ?」

「早く追付きたいのはそうなんですけど、もっとしっかりゲームを進めたかったような、複雑な気分です」

「まあ、気を取り直して、レベル上げて報酬素材で武器生産して武器レベル60まで強化して来い」

「――――――――はい、がんばりますよぉ!!」




 この後、シリカはソロの地獄を味わった。 
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