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空に星が輝く様に

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440部分:第三十四話 夜空にあるものその四


第三十四話 夜空にあるものその四

「そうされるといいと思います」
「そうだよな。それじゃあ」
「はい」
「考えるよ」
 今はというのだった。
「よくね」
「それがいいです。それじゃあ」
「ああ、それじゃあ」
 そんな話をしてだった。二人は話を止めた。しかしここでだ。
 狭山と津島がだ。その話を聞いて言ってきたのだった。
「あれっ、何の話してたんだ?」
「そうよね。大事な話みたいだけれど」
 こう言ってだった。陽太郎と月美に顔を向けてきたのである。
「何かあったのかよ」
「それで」
「あっ、いや別に」
「何もないです」
 二人はだ。咄嗟にそれを誤魔化すのだった。
「まあ個人的な話だから」
「別に」
「何か言いたくないみたいだな」
「そうね」
 二人にもそれはわかった。そうしてだった。
 そのうえでだ。こう言ったのであった。
「じゃあいいか」
「そうね」
 これで納得したのだった。それでだ。二人はもう陽太郎と月美に対して言うのを止めた。そうしてそのうえで彼等の話に入るのだった。
「それでだけれどな」
「うん。それで?」
「今日の放課後あれか」
「そうよ、私の家に来て」
 津島の家とはつまりであった。
「それで新しいケーキ試食してよ」
「へへへ、何か悪いな」
 ケーキの試食と聞いてだ。狭山は無意識のうちに笑顔になるのだった。
「当然あれだよな。試食だから」
「そうよ。ただよ」
 津島は天才的な誘惑を出してきた。
「ただ。いいでしょ」
「最高だよな。ただでケーキが食えるって」
「しかも何個もね」
「余計にいいな」
 狭山はさらに楽しげな笑顔になる。
「何かそれ聞いたらな」
「それ聞いたら元気が出るでしょ」
「これ食うのにも力が入るぜ」
 彼が今食べている昼食もだというのだ。
「いやあ、さらに美味くなってきたな」
「実際に元気出て来たみたいね」
「ああ、そうだよ」
 まさにその通りだというのだ。そしてだ。今食べているのを食べ終えた。次は。
「お茶、貰おうかな」
「はい、どうぞ」
 津島が早速お茶を出してきた。熱いお茶だ。狭山はそれを満足した顔で言うのだった。
「さて、それじゃあ放課後な」
「勿論私も食べるから」
「二人で試食か。いいな」
「そうでしょ」
 そんな話をするのだった。二人はそのまま彼等の幸せの中に入った。
 六人は食堂で幸せに食べていた。だが彼女達は。
 やっと学校に来た星華だったが。何処かぎくしゃくとしていた。三人もその彼女に対してだ。心から心配する顔でこう言うのだった。
 場所は校舎の屋上だった。そこで四人車座になってだ。そのうえでパンを食べながらだ。星華を気遣いながら声をかけるのだった。
「ねえ、これ食べる?」
「これどう?」
「よかったら」
 三人はそれぞれだ。星華に自分達が持っているパンの一つを出す。そうして彼女を元気付けようというのだった。
「食べないとね、やっぱり」
「元気でないから」
「だからね」
「うん・・・・・・」
 登校できたとしてもだった。星華はまだ元気がなかった。かつての明るさもだ。そうしたものはまだ取り戻せずにいたのである。
 
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