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空に星が輝く様に

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435部分:第三十三話 告白その七


第三十三話 告白その七

 三人もそれぞれ帰る。後には何もなかった。
 星子は姉を連れてそうして家に帰ってだ。家に帰るとだった。
 すぐに酒を出した。それで居間でだ。二人で杯を出して飲みはじめた。
「おつまみはね」
「何かあったの?」
「するめあるから」
 それをだ。実際に出してきて話すのだった。
「これでね」
「ええ」
「とにかく今日は飲もう」
 杯と杯を合わせてまた話す。
「心いくまでね」
「そうね。お父さんとお母さんには」
「大丈夫よ。帰ってきたらね」
「どうするの?」
「私の部屋で飲もう」
 そうしようというのである。
「流石に居間で堂々と飲んでたらいい顔されないけれどね」
「それでもあんたの部屋で飲むとね」
「別に何も言われないからね」
「だからね。別にね」
「いいのね」
「そういうこと。だから飲んで」
 姉に対して酒を勧める。
「飲んで飲んでそれで」
「そうしてなのね」
「前に進もう」
 笑顔で姉に告げた。
「前にね」
「そうね」
 星華もだ。こくりと頷いてだ。
 杯を口に近付ける。まずは一口だった。
 そのうえでだ。星華は言った。
「美味しいわね」
「美味しいと思うのね」
「ええ、思うわ」
 実際そうだという彼女だった。
「本当にね」
「それじゃあもっと飲もう」
 星子は笑顔でまた姉に話した。
「もっとね」
「もっとなのね」
「そう。もっと飲んで」
 こう言ってだ。姉の空になった杯にその一升瓶の入り口を寄せてだ。そのうえで酒を注ぐ。水に似ているが明らかに違うそれが中に入る。
 それを見ながらだ。星華は言うのだった。
「ねえ」
「どうしたの?今度は」
「お酒って久し振りに飲むけれど」
「ええ。それでなのね」
「美味しいわね」
 言葉を出すその顔に笑顔が少しだけ戻ってきていた。
「やっぱり。美味しいわね」
「そうよ。だからね」
「それで勧めてくれたのね」
「ええ」
 それでだとだ。また話す星子だった。
「それでよ」
「いい味ね。本当に」
「それに飲んでいるとね」
 星子の笑顔が優しいものになっていく。そのうえで酒を飲む星華を見ながらだ。その姉を見ながらまた話をするのだった。
「気持ちが変わるじゃない」
「心がなのね」
「そう。だから今こうして勧めてるの」
 それでだと答えて。彼女も一杯飲んだ。
 自分で次を入れようとすると。ここでだった。
「待って」
「どうしたの?」
「私に入れさせて」
 こう話す星華だった。
「星子の分はね」
「いいの。それだったら」
「ええ。入れさせて」
 星華はまた妹に話した。
「そうさせて」
「わかったわ。じゃあ」
 妹は姉の言葉を受けた。そうしてだった。
 その場に杯と瓶を置く。姉はその瓶を手に取って杯に酒を注ぎ込む。そのうえで妹に対して穏やかな声で告げるのだった。
 
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