空に星が輝く様に
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430部分:第三十三話 告白その二
第三十三話 告白その二
「私が言おうか?」
「星子が?」
「お姉、無理よね」
それは見てわかることだった。それでだった。
「だから今はね」
「言ってくれるの?」
「うん」
こう姉に答えるのだった。
「それじゃあ駄目かしら」
「それは」
「ねえ星華ちゃん」
「私達もいるから」
「だからね」
三人もだ。彼女に言ってきたのだった。
「それはね」
「ここは任せて」
「私達にね」
「ええと。それは」
星華は言葉を止めてしまっていた。それでもなのだった。
何とか言おうとする。だがやはり言えなかった。そして遂にだった。
「御免・・・・・・」
俯いてだ。星子達に話したのだった。
「私、やっぱり」
「うん、いいよ」
「無理しないでいいから」
「だから」
四人もこう星華に話す。
「任せてね」
「ええ」
星華は妹のその言葉にこくりと頷いた。これで決まりだった。
「御免なさい」
「それはいいから」
謝るのはいいというのである。
「それじゃあ」
「うん」
こうしたやり取りの後でだった。星子が陽太郎に対して話す。
「あのですね」
「ああ」
「先輩はお気付きじゃなかったんですね」
「んっ、何がなんだ?」
実際に気付いていない顔で応える陽太郎だった。
「俺が気付いていないって」
「お姉、好きなんです」
星子は姉の気持ちをだ。あえて現在形で話すのだった。
「先輩のことが」
「えっ、俺が」
「はい、先輩のことがです」
そうだというのである。
「好きなんです」
「おい、そんなの初耳だぞ」
陽太郎は驚く顔になっている。そのうえでの今の言葉だった。
「佐藤が。俺をって」
「気付いてなかったんだ」
「やっぱり」
「そうじゃないかって思ってたけれど」
三人もだ。陽太郎に対して言うのだった。
「星華ちゃんの気持ち」
「全く気付いてなかったの」
「本人は」
「だからそんなの初耳だよ」
またこのことを言う陽太郎だった。
「そんなのってな」
「お姉、言えなかったんです」
星子は顔を俯けさせてその陽太郎に話す。
「どうしても」
「どうしてもって」
「お姉、これでも引っ込み思案なんです」
「それも初耳だぞ」
「ですが本当に」
そうだという星子だった。
「お姉は」
「そうだったのかよ」
ここまで言われてだ。陽太郎はようやく把握した。そのうえでの言葉だった。
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