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ドリトル先生と奇麗な薔薇園

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第九幕その二

「何しろ学問から人は発展してきたからね」
「科学だってそうだしね」
「他の学問だってそうよね」
「人の世界の発展に貢献してきたから」
「無闇に否定出来ないわね」
「人文系の学問もそうだしね」
 こちらでもというのです。
「神学にしろね」
「というか神学こそよね」
「あらゆる学問の幹よね」
「科学だって神学から出ているしね」
「少なくとも影響があるわよ」
「そう、日本ではどうしてもそれぞれの学問が独立しているものと考えられているけれど」
 科学なら科学、文学なら文学とです。それぞれの学問は影響し合っていても独立したものと考えられているというのでう。
「けれど欧州の考えは違うからね」
「そうそう」
「まず神学があるのよね」
「神学から全ての学問が派生したのよ」
「文学も法学も神学も」
「科学だって」
「だから僕も神学を学んでいるんだ」
 キリスト教、この宗教の学問をです。
「医学や科学を学ぶだけじゃなくてね」
「他の学問を学ぶ時も」
「神学も学んで」
「そうしてやっていってるのね」
「そう、神学の博士号も貰ってるしね」
 先生はこちらの博士号も持っているのです、ですからイギリスでは先生と呼ばれることもあれば今のお仕事の教授や博士と呼ばれることもあります。
「神学を学んでね」
「そしてだね」
「そこからさらによね」
「他の学問も学んでるんだね」
「そうだよ、科学にも神様がいるんだよ」
 そこに人を超えた存在があることは事実だというのです。
「そしてこれは他の宗教でも同じだよ」
「仏教でもなの」
「そうなの」
「そう、あらゆる学問に神や仏が存在しているよ」
 これが先生のお考えでした。
「このことを意識して学んで発展させていくとね」
「いいんだね」
「こうした素晴らしいものが出来て」
「さらに素晴らしいものが出来るのね」
「そうなるよ、だからね」 
 それ故にというのです。
「僕は今も聖書を読んでいるだ」
「そして他の宗教も学んでいる」
「高野山とかにも行ってるし」
「神社にもお参りしているのね」
「そうだよ、天理教の教会にも出入りして道教も学んでるし」
 こうした宗教もというのです。
「インドやアラブでもそうしてたね」
「そうよね、ヒンズー教の寺院にも入ったし」
「モスクでイスラムの法学者とお話をしてコーランをアラビア語で読んで」
「凄く学んでるね」
「神を忘れたら人は傲慢になってしまいやすいし」
 それにというのです。
「暴走してもいけないよ」
「信仰は理性と共にあれ」
「そして他の人を認めろ」
「それは守らないといけないね」
「そうだよ、僕は国教会だけれど」
 キリスト教のこの宗派だというのです。
「イギリスも宗派は色々あるね」
「そうそう、清教徒の人も有名だし」
「カトリックの人も多いしね」
「キリスト教といってもそれぞれだし」
「他の宗教の人もいるし」
「日本では尚更だよ、もう日本だとね」
 それこそというのです。
「キリスト教でカトリックやプロテスタントの違いなんてね」
「もうないね」
「殆ど意識されないわ」
「キリスト教はキリスト教」
「新旧の違いはないわ」
 新教がプロテスタント、旧教がカトリックです。 
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