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ユキアンのネタ倉庫

作者:ユキアン
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デスダッシュから始まる異世界冒険譚

 
前書き
リアルでもインディー・ジョーンズみたいなことをやっていた男の最後は、大岩から逃げ切れなかった。
だが気づけば若返った姿で異世界に。流星雨のタイムラグのために無駄打ち3発を使い切り、全マップ探査でとりあえず近くの街を目指す。 

 

「やっと街が見えた。まともな飯にようやくありつける」

水と干し肉だけってのは辛かった。干し肉もただ塩辛いだけの何かで食うのも辛かった。だから飲まず食わずで走り続けた。まだ朝早くだったために門は開いていないが商人の人たちが固まっている場所があったのでそこに近づく。

「■■■■■■■」

言語が違うみたいだが、これまでの経験で行けば

>シガ国語スキルを取得した

よし、スキルが手に入った。とりあえず5ポイントほど振っておけばいいだろう。

「どうしたんだ坊主、何も持っていないようだが」

よしよし、話も通じるな。

「いえね、数日前に星が降ってきたじゃないですか」

「ああ、あったな」

「それで荷物を載せてた馬に逃げられましてね。そこら辺に生えてる草とかでここまで何とか食いつないできたんです。金は持ってるんでなんかまともな食える物を売ってくれませんか?」

気の毒そうに周りの商人が保存食を分けてくれた。干し果実や焼き締めた黒パンなどだが、それでも塩辛いだけの干し肉よりは断然美味い。それからさり気なく情報と物資を集めていく。途中取得したスキルに10ポイント振ってレベルを上げておく。

>相場スキルを取得した
>値切りスキルを取得した
>算術スキルを取得した
>交渉スキルを取得した
>話術スキルを取得した
>詐術スキルを取得した
>推理スキルを取得した
>考察スキルを取得した
>分析スキルを取得した

相場のおかげで大体の物価が分かったのは好都合だ。ストレージに入っている山のような金貨なんかの価値が分かるようになったからな。馬鹿な買い物をしない限りは一生遊んで暮らせるだけの額がある。

これからどういう風に動くか考えながら過ごしているとようやく門が開き、商人たちが自分の馬車へと戻り門を潜っていく。オレもその流れに乗ることにする。

「坊主、一応規則だから言うけど身分証を見せな。入市税は大銅貨1枚だ」

「すみません。数日前にあった星降で荷物を載せていた馬に逃げられまして。発行していただけないでしょうか」

「ああ、良いぜ。先に入っていった商人達から聞いてるぜ。運が悪かったな。次からは手放すんじゃねえぞ。とりあえず奥に来てくれ」

衛兵に着いていき、詰め所に入る。

「指名手配とかされてないよな?」

「大丈夫です」

「それじゃあ、このヤマト石に両手を置いて名前を告げてくれ」

言われたとおりに石に両手を置いて交流欄に入れている名前を告げる。

「リィン」

「種族:人族」「レベル:1」「階級:平民」「所属:なし」「職種:冒険家」「称号:なし」「スキル:なし」「賞罰:なし」

うん?ステータスの画面と異なるぞ。それっぽいのは、あった、交流欄か。あとで調整しとかないとな。

「よし、問題ないな。ほれ銀貨一枚だ、今度はなくすなよ」

ポケットに手を突っ込んで銀貨を手渡し、代わりに紙をもらう。それと同時に注意事項を告げられる。メモに要点だけ書き込んでおく。

「何か困ったことがあれば詰め所の横にある何でも屋を尋ねな。金さえ払えば無碍にはされないだろうからな」

「ああ、ありがとうございます」

詰め所を出てようやく街に入れた。広域マップ探査からの情報を見る限り、そこそこ栄えてるんだと思う。亜人は人口の5%ほどだから見かけるようなことはない。まあ、ほとんどが奴隷なのが少し気になるところだが、人の奴隷もそこそこ居るから気にしない方向でいよう。

さてと、そこそこの物資は手に入ってるけど靴なんかの足回りの装備と着替えが欲しいな。武器はゴロゴロと手に入ったから問題はないが、着替えや防具はサイズが合う物が少なく、カビ臭い物が多かった。比較的まともな物を着ているのだが、もう少しまともな物が欲しい。

「そこの君!!宿屋の更新がまだならウチにおいでよ!!安く、は出来ないけどサービスするからさ!!」

いきなり客引きの少女に腕を取られて引っ張られるが右腕が気持ちいいのでそのまま流れに身を任せる。腕を取る少女を見てみればクラスに1人はいるであろう、スポーツ少女系の娘で結構かわいい。チップなら払うから夜のサービスを頼めないかなぁ。

「お母さ〜ん、お客さんだよ!!」

店の奥からふくよかな女将さんが姿を現す。

「新しいお客さんなんて星降り以来だよ。って、荷物もなしで、本当にお客さんなのかい?」

「荷物はその星降りで馬に逃げられてね。ある程度は埋めて保管してあるんだ。お金はあるから心配しなくていいよ」

「そうかい?ウチは素泊まりで大銅貨1枚、大部屋の雑魚寝で銅貨2枚。食事はここで食べてくれるなら一品おまけを付けてあげるよ」

「とりあえず10日分で」

「なら銀貨2枚だね」

ポケットから銀貨を取り出してカウンターに置く。

「あいよ。マーサ、宿帳を書いてもらいな」

そう言うと女将さんが再び奥へと引っ込む。たぶん、厨房なんだろう。

「は〜い、お客さん代筆するんでお名前をお願いします」

「リィン」

「リィンさんね。ご職業と年齢をお願いします」

職業か。今は無職だよなぁ。適当なカバーストーリーはTRPGから引っ張ってこればいいか。年齢はステータスに乗ってたな

「冒険家、年齢は16」

「冒険家?」

「金持ちの道楽に付き合ってるのさ。あっちこっち旅して、そこでの風土や習慣、食べ物なんかを纏めてそれを報告する。遺跡なんかも調査対象だから結構大変なんだけど、これが金になるんだよ。ついでにオレの専門も調査できるからwin-winな関係なんだよ」

「へぇ〜、ちなみにリィンさんの専門って?」

モデルがあの宇宙海賊だからな。もちろんこの返しになる。ネタでも良いし、かかったならかかったでも良い。でも、あの宇宙海賊みたいな魅力はないから金の力でブーストを掛ける。

「獲物は女性専門なんだよね」

マーサちゃんにだけ見えるようにこっそりと金貨を覗かせる。それを見たマーサちゃんが挙動不審になる。

>誘惑スキルを取得した

速攻でレベルを10まで上げる。これからはもうちょっとスマートに誘えるはずだ。

「リ、リィンさん、からかわないでよ」

「いやいや、からかう気はないよ」

そのまま金貨を握らせて耳元で囁く。

「今晩、待ってるから。嫌なら嫌でいいよ。返してくれてもいいし、懐に収めても何も言わないよ」

そして金貨とは別に銅貨を握らせる。

「服とか布とかが欲しいんだけど、何処がおすすめかな?」

「えっ!?えっと、お金があるなら中央通りのお店で、そこそこなら東通りで、安さなら西だけどスリとかが多いよ」

「ありがとう。それじゃあ、ちょっと出てくるよ」

宿を後にして東通りに向かう。とりあえず、最低限の服を整えてから中央通りの店で布を買おう。ちょっと雑巾でも縫えば裁縫スキルが手に入るはずだからな。それを使って自分で服を作ればいいだろう。東通りで雑貨屋と古着屋を回ってカバンやタオル、新品の下着を5枚ほどと古着を1着、裁縫道具一式、食器や調理道具を一通り揃える。ついでに屋台で食料を少しだけ調達しておく。ストレージの性能調査だ。時が止まるタイプなら改めて大量に買い占めておく。もうあんな食生活は送りたくない。

それから中央通りの服飾店で一張羅を注文し、ついでに布や革を扱う問屋を教えてもらい、そちらの店で布と革を調達する。これで服や靴も自分の好みで作れる。その前に風呂に入りたいが、マップには領主の館にしか表示されない。となると行水しかないな。奈落の水瓶があるから水には困らない。

宿に戻るとマーサちゃんが顔を赤くしながら近寄ってきて小声で訪ねてくる。

「あの、本当に私なんかでいいんですか?」

「ああ、君がいいんだマーサちゃん、いや、マーサ。待ってるよ。さて、行水がしたいんだけど、部屋でやればいいのかい?」

「中庭があるからそっちで。あっ、その前に部屋に案内するね」

マーサちゃんに案内されて宿の2階の一番奥の部屋に案内される。隣2つは空いているのか掃除が多少甘く見える。なるほど、ちゃんと考えてるんだな。部屋に荷物をおいて奈落の水瓶とタオルと着替えを持って庭に出る。井戸の側に桶と隅の方に衝立が見えたのでそれを移動させてから服を脱いで下着姿で奈落の水瓶を逆さにして全身に水を浴びる。ある程度浴びた所でタオルで全身の垢を落としていく。ついでに今まで着ていた服の洗濯も行う。

>洗濯スキルを取得した

これもレベルを10にしておく。おっ、汚れが簡単に落とせるようになった。これは便利だ。それにしても大分汚れてたんだな。まだ着れるだろうが、そんなに長い間は使わないだろうな。

洗濯を終えた所で着替えを済ませて衝立を戻したり片付けを行う。洗濯スキルのおかげで脱水も素手で殆どできていたので、いい天気のおかげもあり、ほぼ乾いてしまう。部屋に引っ込んで服を縫い始める。こっちに来る前からガチの冒険家みたいなことはしていたから装備に対する要求度は高いのだが、裁縫スキルと防具作成スキルのおかげで簡単に要求性能を突き抜けてくれた。靴も素材以上の性能を発揮しているが、使えるんだから気にしないでおこう。

>裁縫スキルを取得した
>防具作成スキルを取得した
>革細工スキルを取得した

装備一式が出来上がる頃には夕食にちょうどいい時間になっていた。食堂兼酒場に降りてスープとパンとサラダを待つ。物足りない分は買ってきたチーズと干し肉で補う。飲み物はエールだったが、あまり美味くはなかった。まあ、勘違いしている奴も居るがエールはビールと同一語ではなく、食事の時に飲む物という意味で、水が悪いヨーロッパで安全な飲料として酒が飲まれていたのだ。その中で市民が一番簡単に量産できたのが麦酒、それがエールと呼ばれている。ワインは教会が神の血として生産していた。生きるのに必要な水と娯楽を抑えている教会の力が強いわけが見えてくる。

食事を終えて女将さんにランプと油を貸してもらい、部屋に戻って服の作成の続きを行う。ランプにそこそこの値段がかかるのは太陽が登ると同時に起き出して日が暮れれば眠るのが文化なのだろう。産業革命が起きなければこんなものだろう。

旅装がもう一着出来上がる頃には1階も静かになっていた。多少物音がするのは片付けでもしているのだろう。裁縫道具をストレージに突っ込んで片付けると控えめにドアがノックされたので静かにドアを開けるとマーサちゃんが滑り込んできた。マーサちゃんはそのまま後ろ手でドアに鍵をかける。顔自体は下を向いているが、真っ赤になってるのが簡単に想像できる。

「来てくれて嬉しいよ」

軽く抱きしめるだけで身体がガチガチになるのが分かる。たぶん動けないだろうからお姫様抱っこでベッドにまで運び上げる。

「あ、あの、わたし、はじめてで」

「大丈夫。優しく、一生思い出に残るぐらい良くしてあげる」

と言うわけで、いただきます。




>性技スキルを取得した
>睦言スキルを取得した

レベルを上げておこう。一度上げておけば下げることも出来るみたいだからな。



高レベルのスタミナで無限に出来そうだったけど、マーサちゃんが持たないだろうし、精神的には満足できたので3回で終了する。精も根も尽き果てたように眠りに落ちるマーサちゃんを濡れタオルで綺麗にしてから抱きしめて眠りに落ちる。日の出の少し前ぐらいに起きてマーサちゃんを帰らせる。帰り際にマーサちゃんの方から舌を絡ませる大胆なキスをされて、反撃のキスだけで1回逝かせてしまった。性技のレベル10は封印だな。

今日は商業ギルドで身分証を作って、それから文化の調査だろうな。それから行動の方針を決めていけばいいだろう。待てよ、マーサちゃんに言った冒険家として何でも屋に街の歴史と案内をしてもらうのも良い気がする。まあ、遊んで暮らせるだけの金はあるんだ。適当に暮らしていけばいい。

朝食を昨日放り込んだ屋台で買ったお好み焼きらしきものを取り出してみる。未だに出来たての暖かさを持っている。つまりは時間停止系のストレージか。容量も今の所、ほぼ無限と考えていいな。とりあえず、分かりやすいようにタブ分けして、並び替え、スタック数は最大99で好きに分割できると。自動回収した分も整理しないとな。









「流行りの店らしいが、これがこの世界の最先端ね」

パンケーキらしき物を口にして、大量の砂糖の甘さに顔をしかめる。大量の砂糖を使っているだけあって値段も高いのだが、これはコーヒーが無いとキツイ。そんな事を考えながらマップを見てこの街で多種族とやるのは難しそうだと考える。基本的に奴隷しか存在せず、例外であるエルフもそんなに数は多くない。歓楽街は性病持ちが多い。魔法がある世界なのに治療はしないのか?まあ、1回ぐらいは試しに行くだろうが、マーサちゃんを抱いてた方がいいな。それにしても奴隷が固まっている場所があるな。奴隷市かそれに類するなにかだろう。

奴隷か。一度調べる必要があるな。何をさせることが出来て、魔法的な何かで縛ることが出来るのかどうか。場合によってはそれで異種族の奴隷を買ってもいいな。うん?そう言えばハーフが存在しないな。絶対にどちらかになるのか?それとも出来ないのか?それも追々調べていくか。

インターフェイスのメモ帳に箇条書きで気になったことをどんどん入力していく。ある程度入力した所で優先順位の高い順に並び替える。まずは異世界ならではの風習などの調査。次に魔法の取得の有無の確認。異世界での風俗関係の調査。ここにハーフの調査も含まれる。周辺地理の調査、出来れば大まかな国の地図が欲しい。

とりあえずはこんな所だろうと店を出ようとした所で空から悪魔が降ってきた。実際に悪魔かどうかは分からないが、それっぽい見た目の上、友好的ではないな。こそこそと路地裏に駆け込んで壁を蹴って屋根に上る。

>密偵スキルを取得した
>撤退スキルを取得した
>立体機動スキルを取得した
>跳躍スキルを取得した

素で出来るから上げる必要はないのだが、ポイントがゴミのように余っているので全て10に上げておく。冒険家は生き残るための努力をするのが大事な職業だからな。むしろ着地スキルが欲しいな。飛び降りることが多かったからな。

屋根の上から悪魔と討伐に来た騎士たちの戦いを眺めるが、やばいな。騎士が弱いのか悪魔が強いのか分からないが力量が悪魔に偏りすぎている。この都市の住民が皆殺しになるだろうな。それは避けなければならない。

何故か自動回収したアイテムの中にあった金髪のカツラとネプチューンマンみたいな仮面を装着する。服も自動回収した物の中から派手すぎて着ることはないと思っていた騎士服らしきものとマントに着替える。ついでにライフル型の魔力銃を引っ張り出しておく。

>早着替えスキルを取得した

レベルを上げながら声色を変化して発声練習を行う。

>変声スキルを取得した

これもレベルを上げる。普段よりもさらに低い声で喋れば問題ないな。さて、行くか。屋根で伏せたまま悪魔に狙いをつける。騎士たちのランスチャージを迎撃するために足が止まった所を狙撃する。

>射撃スキルを取得した
>狙撃スキルを取得した
>不意打ちスキルを取得した
>望遠スキルを取得した

射撃と不意打ちにだけポイントを振ってストレージから盾を取り出す。直後に悪魔の放った雷が直撃する。

>雷魔法:悪魔スキルを取得した
>雷魔法耐性スキルを取得した
>麻痺耐性スキルを取得した
>盾スキルを取得した

左手が多少しびれるが、問題ない。耐性にポイントを振りながら走り出し、倒れている騎士から槍を拾い上げ、顔に向かって投げつける。悪魔が顔を庇った所で飛び蹴りを噛まし、着地と同時に鳩尾と思われる部分に肘鉄を入れて弾き飛ばす。

>槍スキルを取得した
>投槍スキルを取得した
>蹴撃スキルを取得した
>格闘スキルを取得した

格闘と蹴撃って一緒じゃないのかよと突っ込みたいがそんな暇はない。オレのステータスでほとんど効いていない時点でスキル外攻撃はほぼ無意味。すぐに格闘と蹴撃にポイントを割り振りながら剣を二本拾って一本目で斬りかかる。一撃で折れるが問題ない。

>片手剣スキルを取得した

悪魔の反撃の拳を鞘で受け流しながら右手の剣を捨て、ポイントを割り振る。そしてすかさず二本目を抜刀して腕を斬りつける。さすがに両断は出来なかったが、それでも腕の半ばまでは切り裂くことが出来た。

>居合スキルを取得した

今はいらん。そもそもこの戦闘に耐えられる武器を、ってオレの肉体が一番の武器じゃないか!!折れた二本目も手放し、半ばまで切り裂いた腕を取って一本背負いで地面に叩きつける。ついでに腕を捻り切ろうと思ったのだが遺跡調査中に何度も救ってくれた嫌な予感を感じ、何が来るかを瞬時に判断する。

目に力が入っている、つまり目から何かを出す。ビームか邪眼と予想してマントを翻して視界を奪い、伏せる。予想通り石化の邪眼ビームだったのかマントが石化し始めるので早着替えで脱ぎ捨てる。

>石化耐性スキルを取得した

ポイントを振る。悪魔もオレが石化して驚異ではなくなったと思っているようだが、甘いな。密偵スキルで気配を消しながら気を練る。向こうの世界でも使えていた発勁をブチかます為の気を練る時間が欲しかったんだ。壁を抜くために習得していたから威力は中々の物だが時間がかかるんだよ。

溜めている途中で騎士団が魔法を大量に撃ち込んでくる。気配を消しているせいで死んだと思われているのだろう。余波を大量に浴びることになる。

>火魔法スキルを取得した
>水魔法スキルを取得した
>風魔法スキルを取得した
>土魔法スキルを取得した
>氷魔法スキルを取得した
>光魔法スキルを取得した
>火魔法耐性スキルを取得した
>水魔法耐性スキルを取得した
>風魔法耐性スキルを取得した
>土魔法耐性スキルを取得した
>氷魔法耐性スキルを取得した
>光魔法耐性スキルを取得した

ポイントを振るのは後回し。HPはほとんど削られないからな。悪魔の方は2割ほど削られている。そうこうしているうちに十分に練ることの出来た気を集中させ、化勁で全身の力を収束させて石化したマント越しに叩き込む。石化したマントを砕き、その先にいる悪魔の肋骨あたりから砕ける音が聞こえ、ヒットした部分以外からもその音が響く。

>気功スキルを取得した
>拳法スキルを取得した
>自動HP回復スキルを取得した

手に入るかは賭けだったが、手に入ったのなら10まで上げる。気を練る速度と練り上げれる量が一気に跳ね上がる。今まで以上に化勁がスムーズに行える。今までの人生の中で一番の出来の一撃が悪魔を殴り飛ばす。

吹き飛ばされる悪魔を目で追いながら騎士達の元へ近づく。

「すまんが武器をありったけ貸して、破壊する可能性のほうが高いから返せんかも知れんが貸してくれ。さっきの技は連発できん」

「あ、ああ。おい、予備の武器をありったけ持ってこい!!」

隊長と思わしき男が、自分の腰に刺している剣をこちらに渡してくれ、部下にも武器を持ってくるように指示を出す。次々と渡される武器を近くにあった樽に詰め込みロープで背中に括り付けて装備する。バックラーなんかの予備も借りて装備する。ついでに魔法耐性を全て10にする。

「騎兵は下がれ。バリスタと大砲で遠距離攻撃に従事せよ。前は儂が受け持つ」

戻ってきた悪魔を再び迎え撃つ。大量の武器が破壊されていくが、時間は十分に稼げ、大量のスキルを得る。正直言って武器の摩耗が早すぎて殆ど格闘戦になってたがな。ネタでクォーラルボンバーとかやってしまったが問題ないだろう。


>運搬スキルを取得した
>両手剣スキルを取得した
>弓スキルを取得した
>槌スキルを取得した
>鍛冶スキルを取得した
>対人戦闘スキルを取得した
>投擲スキルを取得した
>プロレススキルを取得した
>毒耐性スキルを取得した
>短剣スキルを取得した
>連携スキルを取得した
>指揮スキルを取得した
>武器破壊スキルを取得した
>兜割りスキルを取得した
>回避スキルを取得した

スキルを後で確認しておかないとな。大砲の散弾を受けた悪魔がボロ雑巾のように転がり、オレも疲れたふりをして座り込んでいるために、騎士団の隊長と思われる男が近づいた瞬間、悪魔が爆散し隊長と思われる男がそれに巻き込まれてミンチになった。

>称号「常在戦場」を取得した
>称号「熟練拳法家」を取得した
>称号「悪魔と踊るもの」を取得した
>称号「勇者」を取得した

ちっ、後味の悪い結果で終わったか。最後の称号なんて皮肉かよ。悪魔の自爆の混乱に紛れてその場から立ち去る。早着替えで騎士服とカツラと仮面を外して旅装に着替える。とりあえず気分を切り替えよう。引きずっていてはまたミスを犯しかねない。

称号は、交流欄の設定だけか。ステータスが変化したりはしないか。スキルは、なんか変なのが混ざってるがとりあえず全部10に上げておく。ついでにシガ国語も10にあげておこう。魔法も10に上げたのだが、剣や気功と違って使えそうな感覚がない。ふむ、触媒なんかを揃える必要があるのか?確か騎士たちの中に杖を持っていたのが居たな。たぶん、アレが必要なんだろう。詠唱も行っていたようだからそれも必要なのか。うん?メニュー欄に魔法があるな。全マップ探査と流星雨か。だが、灰色で表示されている。使用不能なのか。そう言えばこの2つには詠唱がなかったな。それが原因か?要調査だな。

「あのぉ〜」

うん?誰かに呼ばれたか?短距離レーダーを確認すればすぐ近くに光点がある。だが、そこには木しかない。

「上です、上」

見上げてみれば騎士団と同じ格好をしている少女が木に引っかかっていた。ただし、右手と右足が変な方向を向いている。

「すみません、広場の方で戦いが終わっていたらで構いませんので、誰か助けを呼んできてもらえませんか」

「馬鹿!!結構な重体じゃねえか!!ああ、もう、クソ!!すぐに助けてやるから動くなよ!!」

周りを見ても脚立などは見当たらない。引っかかっているのは4m程の高さか。うぅむ、ちょっと目立つことになるが仕方ない。近くの民家に向かって走り、跳躍して民家の壁を蹴り、三角飛びの要領で少女が引っかかっている枝に飛び乗る。出来るだけ揺らさないように気をつけたから落ちることもない。

>軽業スキルを取得した

レベルを上げておいたほうが良いな。こいつは便利だ。

「えっ、あれ?今、下にいましたよね」

「軽業は冒険家には必須だからな。すまんが、胸当てに兜を外させてもらうぞ。それから籠手もだ。少しでも軽くして貰った方が楽に助けれるからな」

返事を聞く前に結び目をほどいて装備を外させる。こんな若い娘まで騎士として戦わないといけないなんてな。

「よし、少しだけ揺れるぞ」

装備を外して軽くなった少女を抱えて民家の屋根に飛び移る。

「っ!?」

着地の衝撃で折れた部分が痛かったのか、悲鳴が出そうになるのを歯を食いしばって堪える少女を優しく降ろして具合を確かめる。オレているのは右手と右足、肋骨も右側が少し折れているな。懐から布を取り出し、もう一度木に飛び移り、手頃な枝を二本折って戻る。

「応急処置を施す。このままだと移動するだけで悪化しそうだからな」

枝と布で右手を軽く固定した所でスキルが手に入る。

>応急処置スキルを取得した

すぐにレベルを上げて、添え木からやり直す。

「凄い、痛みが殆ど無くなった」

「ただの応急処置だ。治っているわけじゃないからあまり動かすな。とりあえず、何処まで運べばいい?先日この街に着いたばかりでこういう場合何処に避難するのかわからないんだ」

「あっ、はい、えっと、基本的には神殿が避難場所になっています」

「なるほどね。それじゃあ、捕まっていてくれ」

再び少女を抱き上げて屋根の上を跳ねていく。軽業スキルと運搬スキルのおかげなのか、負担を与えること無く運ぶことが出来た。教会の近くまで行けば怪我人が集められている場所があるので人が空いている場所に降りて近づく。こちらに気づいたのか白衣を着た女性が近づいてくる。

「汚れを落とします。びっくりしてそちらの方を落とさないようにしてください」

「頼みます」

「■■■ 柔洗浄」

全身を水のような何かが覆い、汚れが落ちていくのが分かる。ただ、全身が濡れたままで若干気持ち悪い。詠唱も初めて聴いたが長文を強引に単語にまで圧縮してみましたって感じだ。

>生活魔法スキルを取得した

「続けて■■■ 乾燥」

なるほど、別の魔法があるのか。うん、服も身体もすぐに乾燥した。だが、風呂とは違う感覚であまり落ち着かない。やはり湯船に浸かりたい。

「それではあのチョークで書かれた円の中に入ってください。あの怪我人が集まっているところです」

円の中には鮨詰めとなって人が集まっている。さすがにお姫様抱っこのままでは迷惑になるな。

「支えるから少しだけ我慢してくれ」

「大丈夫です」

少女の右側をかばいながら支えて円の中に入る。しばらく待っているとシスターのような方が詠唱を始める。だが、先程までの生活魔法と異なりかなり長い2分ぐらい経ち、ようやく魔法が発動する。

「■■ 範囲回復」

>神聖魔法:パリオン教 スキルを取得した

円内が光に満たされるとある程度の怪我が治っているようで、さらに治療が必要そうな人は別の神官が個別に治療していく。オレが支えていた少女も個別に治療がされ、骨折は完全に治っていないから安静にするようにと女性神官に救護所に引っ張られていった。

その後も色々な場所で救助活動を手伝うことにした。こういう非常事態は助け合いが基本だ。自分が同じ目にあった時に助けてもらえるようにな。

大体が倒れた家具の下敷きになっていることが多い。家具を起こして、怪我人を救護所に運んでを繰り返す。助けられた方もお礼をと言って何かを渡してこようとするが、生活の再建のことを考えて気持ち程度で受け取っておく。本屋では割引して貰う代わりに気になる本を数冊購入して取り置きしてもらう。生活魔法に関する本とこの地方の歴史、シガ王国の簡単な歴史書、それから料理のレシピを購入しておく。金貨4枚とそこそこしたがストレージに山ほどあるから問題ない。

日が暮れてから宿に戻るとマーサちゃんが泣き顔で飛びついてきた。何か大騒ぎがあって、凄いことになっていて、他の客は戻ってきているのにオレだけが戻らずにいたことで巻き込まれたんじゃないかと心配してくれていたようだ。

思いっきり巻き込まれていたのだが秘密にしておこう。夕食を軽く取って部屋に戻ると同時にベッドに沈む。久々の戦闘に気疲れした。鍵をかけ忘れていて夜中にマーサちゃんがベッドに潜り込んできたが寝ているふりをしておく。今日はお互いにそういう気分じゃなかったので大人しく眠る。

 
 

 
後書き
web版の方でやっていこうと思います。 
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