Fate/BBB ー血界戦線・英霊混交都市ー
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勝てる気がしない敵と負ける気がしない敵がいるけど実は勝とうとも思えない敵というのがいてですね。っていう話
前書き
何故フェムトがサーヴァント召喚の犯人だと言われたことに激怒したのかというお話。
諸君、みんなの堕落王フェムトだよ。
僕は今、ここ数千年ぶりと言っていいくらいの不満と怒りを覚えている。分かるだろう?最初の名乗りは普段からはありえないローテンションだったってことぐらい君たちの蚤の脳みそでも感じ取れたはずだ。普段ならここで怠惰に溺れた退屈な諸君に刺激的なゲームを提供する所から始まる訳だが、僕にも堕落王として譲れない矜持というものがあるんだよ。今回はその矜持を、甚だ不本意ながら語らせてもらうよ。
率直に言おう。
今、君たちのいるHLで『英霊』なる写し見がポコポコポコポコ湧いて出ている訳だが……僕はその件に関して一切、合切、髪の毛の数ミクロンたりとも関わっていない。関わる筈もない。ちょっと考えれば簡単にわかる事だろうに、君たち下々の人間ではその程度の推論すら成り立たないのかい?思考停止した猿のタンバリンを鳴らす玩具みたいにとりあえず僕の仕業だという事にしている輩のなんと多いことか!!
君たちのイマジネーションは絶滅寸前のパンダか何かかね!?
笹ばかり貪っていて脳に栄養が届いていないのかね!?
いいかい、この僕がこんなにも親切に解説することなんて君たちの一生の中で一度あるかないかの珍事なのだから聞こえてないなら耳掃除を念入りにしてから聞き給え。ああいや、別に耳掃除しなくとも僕の力があれば脳内に直接とか出来るわけだが、そんなことをすると放送の臨場感が失われて実につまらないからその右から左に音が通り抜けるスカスカの耳に態々聞かせてやっているんだよ!!
……ふう、僕としたことが少々興奮しすぎたね。
僕が英霊を発生させていない答えは簡単なんだよ。
英霊。英霊。つまりこれは君たち凡俗の認知する『過去の歴史上の英雄、或いは反英雄』が含まれる。まぁ、一応ながら未知の存在だったもので既に適当な英霊を捕まえて色々と調べて英霊召喚の仕組みやシステムは一通り理解したんだ。そのうえで言おう。
なんという、つまらない!!仕組みが単純すぎて途中から欠伸が止まらなかったよ!!
英霊というのは結局のところ、英霊のデータベースとも言える『座』から転写された写し見だ。いわばHLに溢れる彼らは魔力で構成された分霊のようなものだ。どうやらその体を維持する魔力はこのHLに流れる外界と違う法則によって十全に賄われているようだが、そんなことはどうだっていい。召喚はまぁ、君ら凡俗では難しいだろうが僕ならトイレで用を足しながら足の指で出来るようなものだ。そう、召喚は簡単だ。だからだよ。だから。分かるかい?
なんで!!この!!天才フェムトがっ!!
もともとあるデータファイルのコピー&ペーストを召喚するなどという退屈で怠慢で怠惰極まりない凡人みたいな真似を態々しなければいけないんだっっ!!!
僕が作るならどっかのデータに登録された、しかも過去にいた誰かさんなんて作らない!一から真面目に入念に趣向を凝らして面白おかしく作るに決まっているだろ!!何故かって?元あるものを元ある形に作って何がどう楽しいんだって話だからだよ!!無意味、無価値、時間の無駄!!そんな事をするぐらいなら朝食のベーコンエッグを作りながら片手間で新しい魔獣でも生成した方が100万倍は生産的だ!!
君らはあれか?まさか僕を挑発しているのかい!?だとしたら凡人にしては大したものだと褒めてやろう!だが褒めない!何故ならモニター越しに「え?そうなの?」と鼻水垂らしてマヌケ顔を晒している諸君が見えるからだっ!!
ふぅ。察しの悪すぎる諸君の頭脳でもこれだけ説明すれば分かってもらえたと思う。
――ああ、ちなみに英霊諸君の中に僕が「聖杯」を持っている、もしくは「魔神柱」と繋がっているのではないかと疑いを持っている輩もいるようだが、これについてもNoと言わせてもらう。
まず聖杯だ。この聖杯っていうのは所有者の願望を感知して因果を改変する装置みたいなものなんだが……おや、少しは察している者もいるようじゃないか。そう、そんな凡人の願いが詰まったつまらないもの僕には微塵も必要ないね。
だって聖杯とやらに自動でイメージを実現してもらって何が楽しいんだ。聖杯に出来るなら僕にも出来る。いや、僕なら聖杯よりもっと凄い現実を作るし、作るために動く時間が貴重な暇潰しになって一石二鳥だ。使っても作っても、何も楽しくない。つまらないものを持っておくほど僕はものぐさじゃない。
出来る事を態々装置にやらせるのは凡人の悪い癖だよ。精進し給え。
もう一つ、魔神柱。ああ、魔神柱というのは君らに分かりやすく言えば古代イスラエルのソロモン王がこき使っていたペットみたいなものなんだがね。英霊を調べるついでに一匹見つけたんで捕まえて色々調べてみた。30点かな。うん、30点って感じだった。おっと、これは1000点満点の30点だよ。まぁ、ソロモン72柱に由来するものなのに実は魔術式だったという意外性はあったけど、それ以外は特に注目すべき点のない存在だったよ。なによりも見た目と人格が絶望的に退屈だった。ソロモン王はセンスがないね。
え?殺したのかって?やだなぁ、僕はそこまで酷い事はしないよ。解剖する前にちゃんと「元の形に戻して返す」って約束したし、綺麗に戻して返したさ。一目散に次元の彼方に逃げて行って「こんなところ二度と来ない!我、帰る!実家に帰る!」とか言ってたけど。
しかし、あれだね。彼らもそのシステムも並行世界由来だったのだけど、彼らの世界は随分と窮屈だね。あらゆる法則、あらゆる意志で雁字搦めに拘束されていて見ているだけで息苦しい。ぼかぁ神に感謝なんて凡俗みたいなことはしないが、この世界に生まれた事を幸福なことだと感じたよ。
さて、無駄話はここまでにして――改めて、今回のゲームの説明をしようじゃないか!!
話の流れからして今回はないと思っていたな?ヴァカめ!!
そんな事は一言も言っていない!!前振りだよ、前振り!!
今回は英霊諸君という新たなプレイヤーもいるからビギナー用に少しだけ条件を緩くして見た!まぁ、代わりに今回の魔獣を止められなかったらおおよそ3時間で地球がキノコに支配された惑星になるんで時間制限は厳しめだけどね!!いいかい、僕が放った魔獣は――!
後書き
別に悪口じゃないんですが、別のFGO×BBB書いてる人が「フェムトが聖杯戦争を特殊形式で吹っかけた」みたいなストーリー作ってて、フェムトはこうじゃないの?と思って書いてみました。
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