ドリトル先生と奇麗な薔薇園
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第八幕その四
「今日の鱈のムニエルは最高だったね」
「うん、いい焼き加減でね」
「味付けもよかったよ」
「大きかったしね」
「最高だったわ」
「サラダも野菜がたっぷり入ったスープもよかったよ」
先生はこちらもと言いました。
「本当にね」
「パンだってそうだったし」
「イギリス風のサンドイッチね」
「あれもよかったわ」
「そう、全体的にイギリスのお料理だったけれど」
このお昼先生達が食べたものはそうでした。
「けれどね」
「ひょっとして」
「先生今朝トミーとお話していたけれど」
「ハリー=ポッターの映画で出ていたあれが」
「随分酷いって」
「うん、それがね」
どういう訳かといいますと。
「日本で食べると」
「美味しかったね」
「同じメニューの筈なのに」
「何故か日本で食べると美味しい」
「不思議よね」
「メニューも問題だけれどそのメニューもね」
先生はさらに言いました。
「日本だとね」
「美味しいってことだね」
「焼き加減や味付けがしっかりしてるから」
「それで」
「うん、そうだね」
まさにと言う先生でした、そして。
先生はあらためてです、皆に言いました。
「それじゃあ今からね」
「うん、薔薇だね」
「薔薇を観に行くんだね」
「雨の中に咲いている薔薇を」
「そうしましょう」
こうしたお話をしてです、そうして。
皆で一緒に渡り廊下に来ました、するとそこのすぐ近くにある薔薇園に咲いている薔薇達がでした。
降り続けている雨に濡れていてです、普段とは違った奇麗さを見せていました。それを見て動物の皆は思わず唸りました。
「これは」
「いいわね」
「晴れの日とはまた違ったよさがあるね」
「お花だけでなく葉や茎も濡れていて」
「棘までが」
その全てがそうなっていてというのです。
「それもまたね」
「よしね」
「しかも遠くに洋館が観えるけれど」
高等部のそれがです、遠くにありますが確かに観えます。
「薔薇と洋館が一緒に観られて」
「しかも雨の中でのそれが」
「ここで観られるなんて」
「思いも寄らなかったわ」
「学園のお花のスポットはね」
先生は笑顔で皆にお話しました。
「全部チェックしていてね」
「それでなんだ」
「ここでなんだ」
「僕達にも見せてくれたんだ」
「そうなのね」
「うん、お花は見ても研究しても嬉しいから」
それでというのです。
「それじゃあね」
「うん、観ましょう」
「今からね」
「じっくりとね」
「そうしようね、しかし日本の雨はね」
その薔薇を濡らして飾ってる雨についてもお話する先生でした。
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