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オズのガラスの猫

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第八幕その六

「歯が生え替わるって」
「そうなのよ、まず生え替わる歯が揺れてきて」
 ナターシャはそのガラスの猫に詳しいお話しました、その歯が生え替わる時を。
「そしてその歯が抜けてね」
「次の歯が生えるのね」
「永久歯がね」
「そうなるの」
「人間は子供の時に生え替わるの」
「それであんた達は皆なのね」
「生え替わったの、そうしてね」
 そのうえでというのです。
「私達は皆なの」
「生え替わってそうして」
「ぐらぐらすることもなくなったわ、歯が」
「よかったわね、それは」
「ええ、それでそのドラゴンさんは」
「虫歯になってね」
「苦しんでいたのね」
 ナターシャもこのことがわかりました。
「そうだったのね」
「痛かったらしいわ」
「というか甘いものを食べたら」
 それならと言う神宝でした。
「ちゃんと磨かないとね」
「そうそう、普通の食べものの時も磨かないといけないのに」
 カルロスもこう言います。
「よくそう言われない?言われるとね」
「毎日寝る前は絶対に歯磨きをするってね」
 ジョージも歯磨きのお話をします。
「言われるよね」
「しっかりした人は三食後絶対に磨くのよね」
 恵梨香はそうした人のことを思うのでした。
「そうよね」
「そのドラゴンさんは歯磨きをしてなかったのね」 
 ナターシャはこう予想しました。
「そうだったのね」
「そうでしょうね、まあ歯磨きもね」 
 また言うガラスの猫でした。
「あたしにとってはね」
「縁のないものね」
「そうよ、だって食べないしね」
「飲まないし」
「歯と舌はお喋り専用よ」
「そうそう、歯がないとお喋りもね」
「しにくいみたいだしね」
 こうナターシャに返すのでした。
「これがどうも」
「そうよね」
「ええ、じゃあこれからね」
「そのドラゴンさんとなのね」
「会うことになるでしょうね」
「ドラゴンといっても別に怖くないからね」
 つぎはぎ娘が言ってきました。
「安心してね」
「オズの国のドラゴンだから」
「そう、大きな身体をしているけれど」
「優しいのね」
「穏やかな性格だからね」
「紳士ーーです」
 チクタクもそのドラゴンのことをお話します。
「あの方ーーは」
「紳士なのね」
「そうーーです」
「ジェントルマンのドラゴンよ」
 また言うつぎはぎ娘でした。
「だから安心してね」
「それじゃあ」
 つぎはぎ娘達に言われるまでもなくです、五人はオズの国のドラゴンならと特に心配していませんでした。そうしてです。
 先を進んでいくと、でした。煉瓦の道の横で巨大なテーブルと椅子を出してそこに着席してフォークとナイフを使って食べている黄色い鱗の大きなドラゴンがいました、ガラスの猫はそのドラゴンを見てです。すぐに声をかけました。 
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