もしもコナン君の世界に入っちゃったら
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高校2年生、17歳のナルミは突然いろんな世界に行ける力を手にする。
「今日はこの扉を開けよう」
眠りにつくと扉しかない世界に行き、好きな扉を開けると別の世界に行ける。
「ん………」
気がつくと、3人の子供に囲まれていた。
「あっ!お姉さん大丈夫?」
「大丈夫か?ねーちゃん。」
「こんなとき、コナン君がいてくれれば……」
ナルミは3人の子供を見て飛び起きた。
「歩美ちゃんに元太くんに光彦くんだ!!」
「なんで歩美たちのお名前しってるの?」
ナルミはしまったという顔をして、考える。
「ここらじゃ有名だよ?少年探偵団さん。」
「マジかよ、俺らそんな有名なのか。」
「なんか照れますねぇ」
何とかごまかせたようだ。
(まさかコナンの世界に来るとは……)
ナルミはあたりを見回す。
どうやら公園のようだ。
「おい、おめぇら、急に呼び出しといて何なんだよ?」
「「コナン君!」」
3人の子供は後ろから現れたコナン君に駆け寄る。
「ねー!コナン君!私達有名なんだって!」
「んなわけねぇだろ。だいたい、ただの小学生がそんな注目されるわけないし。」
「でもこのねーちゃんが俺たちのこと有名だって言ってたぜ!」
元太くんはナルミを指さす。
「お姉さんは?」
コナン君がナルミに近づく。
「私はナルミ……えーと、魔法使いなの!」
ナルミはイタズラに答える。
「えーすごい!お姉さん魔法使えるの!?」
歩美ちゃんは夢中。
「そー!私はその人の目を見ただけでなんでも分かっちゃうの!」
「へ、へーそうなんだ。(アホらし……)」
コナン君の引きつった作り笑いを見てナルミはイジワルしたくなる。
「ほんとに何でもわかるよ?君の名前は江戸川コナン。昔から仲のいい発明家の博士に作ってもらった麻酔型腕時計、追跡メガネ、ベルト、シューズはいつも身につける。お父さんとお母さんはいるけど訳あって毛利探偵事務所にお世話になってる。好きなことはサッカー。ホームズオタクで推理もお手の物。」
そこまで言うとコナン君の笑顔は消え、ナルミを警戒した目で見る。
「すげぇー!」
「お姉さんすごーい!」
「全部当たってます!」
ナルミはヘヘッと笑う。
「そういや、おめぇら、博士が呼んでたぞ。」
コナン君が突然いいだす。
「そうだ!今日は博士家で推理ゲームするんだった!」
そう言って元太くん、歩美ちゃん、光彦くん走り出す。
「お姉さんってさ、何者?」
2人きりになるとコナン君がいつもより低い声で聞いてきた。
「言ったでしょ?魔法使いよ。"工藤新一くん"」
私がそう言うと、コナン君は強ばった。
「お姉さん、黒ずくめの仲間……?」
コナン君が麻酔型腕時計をナルミに向ける。
「残念。違います。黒ずくめのこと知らないわけじゃない。でも仲間じゃない。」
コナン君はまだ腕時計をおろさない。
「じゃあ、警察?探偵?」
「魔法使い。」
会話は一向に進まない。
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