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転生とらぶる

作者:青竹
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機動戦士ガンダム
  2125話

 ジオン・ズム・ダイクンの娘。
 ガイア達もジオンに住んでいる以上、その言葉の意味はしっかりと理解出来たのだろう。
 信じられない……といった表情でこちらを見る。
 まぁ、それも無理はない。
 そもそも、今のジオン公国の人間にとって、ジオン=ザビ家という認識の者が多い。
 そうである以上、まさかここでセイラが出てくるとは思わなかったのだろう。

「ルナ・ジオンだと? それはつまり、月に作る新国家って事か?」

 ガイアの呟きに、頷きを返す。
 この世界では月の住人をルナリアンと言ったするらしいから、ルナ・ジオンという名前を聞けばそれが月の事を意味するのは確実だろう。
 ましてや、黒い三連星の面々はキシリアが率いる突撃機動軍の所属で、突撃機動軍というのは月にあるグラナダを本拠地にしている。
 そうである以上、月の事情について気になるのは当然だろう。

「そうだな。ただし、その前に言っておくべき事がある。……普通に考えて、セイラ……アルテイシアが、ラルやシーマを仲間にしたところで、国家の建設など出来る筈がない。それは分かるよな?」

 その言葉に、ガイアどころかマッシュや……オルテガまでもが頷きを返す。
 頭脳担当のガイアやマッシュはともかく、体力担当のオルテガにしても、それが信じられないと思えた内容だったのだろう。

「そこで、俺だ」
「……お前が、どう関係してくるんだ?」
「そうだな、やっぱり手っ取り早く俺がどのような存在かを証明して見せるには、直接見せた方がいいか」

 一瞬、ここで刈り取る者でも召喚しようかと思う。
 それこそ、あの異質さ……そして俺の影から姿を現す様子を考えれば、一気に俺がこの世界では異質な存在であると理解するだろう。
 だが……問題なのは、現在のこの場所がリリー・マルレーンにある俺の個室だという事だろう。
 俺と黒い三連星、それにシーマ。合計5人も入っているこの状況で更に刈り取る者を召喚しようものなら、色々と面倒な事になりかねない。
 そんな訳で、俺は今まで何度もやってきたように、腕を白炎に変え……次の瞬間、炎獣を生み出す。
 部屋の狭さを考えて、小さなリスや小鳥といった炎獣だ。
 それでも10匹近いそのような炎獣が周囲を走り回るのは、どこか幻想的な雰囲気を周囲にもたらす。

「これは……一体……」

 普段は冷静だろうガイアの口から、思わずといった様子で驚愕の声が出る。
 向こうにしてみれば、自分の常識が完全に破壊されたといったところか。

「言っておくが、これは別に手品でも何でもないぞ。……催眠術とか幻影とか、そういうのでもない」

 ああ、でも催眠術はともかく、幻影となればこれも一種のファンタジーになるのか。
 世の中には魔法ではなく手品の類の幻影とかそういうのもあるので、必ずしもそうだとは言い切れないのだが。
 次の瞬間、指を鳴らして炎獣を消去する。

「さて、見て貰った通り、俺は色々と特殊な存在だ。……こういう言い方で理解出来るかどうかは分からないが、端的に言って俺は異世界の人間だ」

 正確には人間ではなく混沌精霊なのだが、ここでそれを言えば色々と面倒な事になりそうなのでその辺はスルーしておく。

「異世界、だと?」
「ああ。そして俺がこの世界にやってきて会ったのが、セイラ……アルテイシアだった訳だ」

 正直なところ、サイド7に転移しなければセイラと会う事はなかっただろう。
 その場合、俺はどう行動したか……
 念動力による導きだったり、ミノフスキー粒子を始めとした未知の技術だったり、色々と興味深い世界なのは間違いないが……それでも、ルナ・ジオンのように国を建国するような真似はしたのかどうか。
 やるとすれば、シャドウミラーとしてこの世界に接触する事か。
 連邦、ジオンのどっちに接触したのかは微妙なところだが。
 結局そういう事にはならなかったので、こっちとしては助かったんだが。

「ムウ……いや、アクセルか。お前が異世界の存在だという事は分かった。だが、何故お前がわざわざジオン・ズム・ダイクンの娘に協力してまで新国家の建国なんて真似をするんだ?」
「俺の国……シャドウミラーがあるのは、正確には異世界じゃなくて次元の狭間と呼ぶべき場所だ。そのような場所にあるからこそ、俺達の国は様々な世界と接触して関係を持ってきた。それこそ、現在ではシャドウミラーの本拠地があるホワイトスターは、幾つもの世界のハブ的な場所として使われていて、異世界間貿易も頻繁に行われている」
「……それで、今回はこの世界に目を付けた訳か」
「正確には、偶然この世界にやって来たってのが正しいんだけどな。ともあれ、シャドウミラーというのは高い技術力を持っている国だ。具体的にどれくらいの技術力を持っているのかは……ミロンガ改との模擬戦を見たシーマやラルなら予想出来るんじゃないか?」

 あの戦いでは、結局S-11ミサイルやエナジーウィングのエネルギー放射といった武器は使わなかった。
 にも関わらず、ジオン軍の中でも腕利きと言われている海兵隊、それもシーマのS型含めた12機相手に圧勝したのだ。
 あれは、俺の操縦技術の高さもあるが、ミロンガ改の性能の高さもあれだけの成果を出せた理由の一つだ。
 ぶっちゃけ、S型だろうと何だろうと、ザクではミロンガ改を相手にするのは厳しすぎる。
 それこそ、メギロートでも恐らくザクには楽に勝てるだろう。
 もっとも、それはあくまでも純粋な機体性能での話だ。
 メギロートのAIは100年以上の戦闘経験を持っているが、結局はAIでしかない。
 パイロットの能力がAIよりも上の場合、ザクであってもメギロートに勝てるという可能性は十分にある。
 とはいえ、それはあくまでもパイロットの能力が機体の性能を覆す程のものであるという前提での話だが。

「……そんなに凄いのか?」

 ガイアがシーマに短く尋ねる。
 シーマがそれに返したのは、一瞬の躊躇なく頷くという行動だった。

「まず、機体の機動性そのものがザクとは段違いだ。それ以外の性能もかなり高いし、何よりあたしが驚いたのは、アクセルの乗っていた機体がビーム兵器を持っていた事だ」
「ビーム兵器!?」

 2人の会話を聞いていたマッシュの口から、驚きの叫びが出た。
 このUC世界において、ビーム兵器というのは宇宙艦とかにしか使われてないしな。
 このリリー・マルレーンにも当然ビーム兵器は装備されているが、MSサイズにはまだ小型化されていない。
 とはいえ、宇宙艦に装備されているビームはメガ粒子砲という名称がついており、シャドウミラーを始めとして他の世界で使われているビーム兵器とは種類が違う。
 あくまでもこの世界のビーム兵器は、ミノフスキー物理学という下地があってこそのものだ。
 同じビーム兵器でも、属性? みたいなものは違うんだろうな。

「そうだな。一応言っておくと、シャドウミラーの機体は基本的にビーム兵器が主体のものが多い。残弾数的な問題でな」

 シャドウミラーで使用しているビーム兵器は、W世界のように前もってエネルギーを充電しておくといったものではなく、動力炉からエネルギーを貰っている。いわば、SEED世界のビーム兵器に近い形だ。
 そうである以上、動力炉が無事な限り、もしくはビームを連発しすぎて動力炉からのエネルギー供給が追いつかなくならない限り、弾切れになるという事はない。
 そんなビーム兵器に比べると、ザクマシンガンやザクバズーカのような物理的な兵器は、どうしても残弾数というものが関わってくる。
 継戦時間という点で考えても、明らかにシャドウミラーの場合はビーム兵器の方がお得なのだ。
 その辺りを説明すると、ガイア達は唖然とした表情をこちらに向けてくる。
 この様子を見る限りでは、シャドウミラーの機体で使われている動力炉は基本的にブラックホールエンジンで、武器の中にはビームだけではなく重力波砲を使っている物が多いというのは、言わない方がいいか。

「取りあえず話は分かった。いや、まだ完全に理解した訳じゃないが、お前達がどのような勢力で、どのような事をやろうとしているのかも。……で、さっきの模擬戦における賭けで、俺達にそれを手伝わせようと、そういう訳だな?」
「そのつもりだ。……国を作る。お前達にとっては、賭けの内容もそうだが、実際にやってみれば面白そうだとは思わないか?」

 面白そうだとは思わないか。
 そう言った俺の言葉に、一瞬だがガイアは驚きの表情を浮かべる。
 まさか、そのように言われるとは思っていなかったのだろう。

『実際、アクセル達と行動するのは楽しい。それこそ、今まで儂らが知らなかった光景を、これでもかと見せてくれる』

 ラルの言葉が部屋の中に響く。
 ……ラルの言う光景ってのは、もしかしてホワイトスターの牧場にいるワイバーンとかじゃないよな?
 以前ラル達をホワイトスターに連れていった時、ワイバーンの姿に驚いていた事を思い出す。

「あー……そう言えば、シーマ達もまだホワイトスターに連れて行ってなかったな」
「うん? まぁ、それはしょうがないさね。お姫様やその周辺は、現在のところそこまで仕事はない……言ってみれば、無職だろう?」
『ぐ!』

 あ。シーマの何気ない一言がラルにダメージを与えたな。
 いやまぁ、現在のラルの仕事がなんなのかと言えば、それはセイラの側近と言えるだろう。
 実際に色々とエデンを監視しているキシリア機関とかの目を眩ましながら、色々と動いているのは事実だ。
 だが……それは俺達だからこそ知っている事で、何も知らない者の目から見れば、ラルは特に何か仕事をしているようにも思えない。
 それでも無理矢理ラルの職種に名前をつけるとすれば……そうだな、エデンの護衛か?
 一瞬、エデンを経営しているハモンのヒモという言葉が思い浮かんだが、それは色々と酷いので黙っておく事にする。

「ラルにダメージを与えておくのはその辺にしておけ。……ただ、そうだな。今はまだシーマ艦隊にも、そして黒い三連星にもジオン軍として動いて貰わないといけないから、ホワイトスターに連れていくのは難しい。ただ、ルナ・ジオンを建国したら……もしくはそれが一段落したら、ホワイトスターに連れていくよ。色々と面白いぞ? ワイバーンとかエルフとか、普通にいるし」
「……どんな世界だ、それ」
「そうだな。例えば人間が拳銃で撃たれても刀で斬り払ったり、そういう連中が大量にいたりする場所だ」
「人外魔境か」

 しみじみとガイアが呟いたのは、自分が軍人で銃とかの威力をきちんと知っているからだろう。

「ある意味で正解だな。魔法とかが普通にある世界とかも普通にあるし。例えば……」

 そう言い、空間倉庫からイクシールを取り出す。
 見るからに精緻な飾りが彫られている容器に入っている液体。

「これはイクシールという魔法薬で、それこそ瀕死の状態からでもあっという間に蘇る事が出来る代物だ。当然それだけの効能だけに、非常に高価な代物だが……戦争をやっている身としては、こういうのが欲しくないか?」

 もっとも、宇宙でMSを使って戦闘をやるとなると、どうしても撃墜されれば即死亡というのが多い。
 そうなれば、イクシールを持っていても意味はないだろうが。
 瀕死の病人や怪我人であっても、瞬く間に治療が可能なイクシールだが、それでも死人を蘇らせるような真似は出来ないのだから。

「本物、なのか?」
「ああ。ただし、今も言ったようにかなり高価だけどな。これさえ持っていれば、それこそどんな病気であってもすぐに治療は可能だ」

 軍人というのは、とてもではないが健康的とは言えない仕事だ。
 いや、軍人ではなくても、将来的に誰がどのような病気になるのかは分からない。
 とはいえ、ルナ・ジオンに所属していればこちらとしてはある程度シャドウミラーの技術力で病気の治療は受け持つつもりなのだが。
 だが、それを知らないガイア達にとって、イクシールというのは是非とも貰っておきたい代物だろう。
 それに、シャドウミラーにいつでも頼れるという訳ではない以上、この手のマジックアイテムはあればあっただけいいし。

「この手のマジックアイテムは、ホワイトスターを経由してネギま世界やペルソナ世界といった、魔法の存在する異世界に行けば入手出来る。とはいえ、高価な代物である以上、そう簡単に入手は出来ないだろうが」

 特にペルソナ世界においては、タルタロスが消滅してしまった以上、この手の高ランクのアイテムは非常に入手しにくい。
 桐条グループの方で色々とマジックアイテムの研究はしているらしいが、その研究も決して上手くいってる訳じゃないらしいしな。

「取りあえず、他にも色々と詳しい事はラルから聞いてくれ。ラルにはシャドウミラーという存在がどのようなものかを教えているしな。ただし……模擬戦の結果を忘れないようにしろよ」

 そう言い、俺は取りあえず色々と事情を説明させる為にシーマとラル――こちらは映像だが――と黒い三連星を部屋に残して、出ていくのだった。 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:235
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1987
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.11
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1435 
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