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ドリトル先生と奇麗な薔薇園

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第六幕その十

「学生達も私も彼等のイメージは」
「薔薇とですか」
「なりました、森の中でのお話ですが」
 真夏の夜の夢はです。
「恋愛ですね、しかも大騒動の末のハッピーエンドですが」
「そうした恋愛ですと」
「お花ですと」
「薔薇ですか」
「そうした結論に辿り着いたので」
 だからというのです。
「今日は薔薇園で朗読をしていました」
「成程、そうですか」
「それも一種類ではなく」
 薔薇のそれもというのです。
「色とりどりの。幻想的で華やかな」
「この薔薇園の様に」
「それで、です」
「この薔薇園で朗読をされていましたか」
「そうでした」
「わかりました、そう言われてみますと」
 まさにと答えた先生でした。
「薔薇もです」
「真夏の夜の夢という作品にはですね」
「合いますね、それも」
「この薔薇園の様にですね」
「色とりどりの薔薇がある幻想的な場面ですと」
 本当にというのです。
「妖精に相応しいですね」
「そうですよね」
「薔薇は恋愛の花という考えは」
 先生はオーフェルさんに微笑んでお話をしました。
「どの国でもありますね」
「そうですよね」
「薔薇の騎士という楽劇もありますし」
「リヒャルト=シュトラウスでしたね」
「あの作品も素晴らしいですね」
「私もあの作品は大好きです」
 薔薇の騎士と聞いてです、オーフェルさんは先生に笑顔で答えました。
「ウィーンという街も好きですが」
「ウィ―ンを舞台としているあの作品も」
「素敵な恋愛劇です」
「はい、僕もCDとDVDを持っています」
「それは何よりです」
「華やかで美しくそれでいて」
「悲しい作品ですね」 
 オーフェルさんは先生に応えて言いました。
「あの作品は」
「誰も死なない作品ですが」
「それでいて作品の中で」
「少しずつ、何かが死んでいきますね」
「そうした悲しさもある作品ですね」
「あの作品に出て来る薔薇は本当の馬鹿ではありません」
 先生は薔薇の騎士についてさらにお話しました。
「求婚に使われる銀の薔薇」
「銀で造った造花の薔薇ですね」
「その薔薇があの作品の薔薇です」
「そうでしたね」
「あの薔薇がです」
 非常にとお話する先生でした。
「素晴らしいです」
「全くですね」
「はい、とかく薔薇はです」
「恋愛ですね」
「それを表していることが多いです」
「そして真夏の夜の夢でも恋愛はテーマの一つなので」
「あの作品に薔薇をイメージするのよ」
 それもというのです。
「あながち間違ってはいないです」
「そうなりますね」
「はい、そして今日の朗読は非常にです」
「実り多いものになりますか」
「そうなると思います」
 先生はオーフェルさんに笑顔でお話しました。
「是非お励み下さい」
「それでは」
 オーフエルさんも笑顔で応えました、こうしたお話もしながらです。先生はオーフェルさんと薔薇のお話もしてです。  
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