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空に星が輝く様に

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332部分:第二十五話 キャンプファイアーその四


第二十五話 キャンプファイアーその四

「何個でもあるから」
「何個でもか」
「クレープ以外にもあるから」
「何でもあるんだな」
「お菓子なら任せて」
 言いながらだった。自分はスカートの右のポケットに右手を入れてだ。そうしてそこから板チョコを出してそれを食べて話を続けるのだった。
「パンもあるけれどね」
「パンは欠かせないんだな」
「一日一食は絶対に御飯を食べるようにしてるけれど」
 それはだというのだった。
「ただ。それでもね」
「パンはなのね」
「そう、パンは絶対よ」
「欠かせないのね」
「そういうこと。だからね」
 また言う津島だった。
「パンは欠かせないわよ」
「じゃあパンもか」
「持ってるわよ」
 そうだというのである。
「何なら出すけれど」
「いや、それはいいよ」
「いいのね」
「お菓子だけでいいさ、今はな」
「じゃああげるわよ」
「ああ、悪いな」
 実際にそのクレープを受け取ってだった。狭山は食べはじめた。
 そうしている間にだった。陽太郎や椎名達も来た。そうしてだった。
 椎名が言うのだった。
「もうすぐね」
「そうね」
 月美が彼女の言葉に応える。
「文化祭もこれで終わりね」
「有終の美」
 椎名はまた言った。
「最後は楽しく華やかに」
「そうだよな。色々あったけれどな」
「うん」
 陽太郎に対しても述べた。
「これで終わりだよな」
「そうね。斉宮は」
「俺は?」
「綿私的にはこの文化祭のMVP」
 それだというのである。
「まさにそれ」
「俺がか」
「そう、斉宮が」
 また彼に話した。
「最優秀選手」
「今度は日本語なんだな」
「あえて変えてみた」
「何で変えたんだ?」
「何となく」
 こう答えるところがやはり椎名だった。その表情もいつも通りない。その無表情で鷹揚のない言葉で話していくのもいつも通りだった。
 しかしだ。それでも彼に確かに言った。
「それでだけれど」
「ああ」
「教室では普通だった」
 そちらはだというのだ。
「教室の最優秀選手は津島」
「あいつか」
「津島がいなかったらここまでできなかった」
 こう話すのだった。
「だから。最優秀選手は間違いなく津島」
「そうなんだな」
「そう。ただ」
「ただ?」
「それでも最優秀選手」
 どうしてなのかはあえて言わなかった。彼女も陽太郎もそこはあえて言わなかったし問わなかった。月美のことを気遣ってである。 
 そのうえで告げてだ。そうしてだった。
「じゃあ後は」
「フォークダンスだよな」
「二人で楽しんできて」
 こう陽太郎に告げた。
「思う存分」
「ああ、そうさせてもらうな」
「私達も踊るから」
 言葉は複数称になっていた。わかってのことである。
 
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