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空に星が輝く様に

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331部分:第二十五話 キャンプファイアーその三


第二十五話 キャンプファイアーその三

「そういうのは」
「そうなの」
「それでもいいかな」
「いい」
 いいというのだった。
「高校のダンスはそれでもいいから」
「いいんだ」
「そう、いい」
 また話した。
「それよりもそういうことを気にしたら駄目」
「気にせず踊るんだね」
「恥ずかしがっていても何にもならない」
「じゃあやっぱり」
「一緒に踊ろう」
 椎名はまた赤瀬に話した。
「そういうことで」
「わかったよ。それじゃあね」
「一緒にね」
 こうして二人も向かうのだった。そしてであった。キャンプファイアーの場所にはであった。狭山と津島も一緒にいたのであった。
 二人もそこで話をしていた。それは。
「何かあっという間だったよな」
「この文化祭?」
「ああ、本当にあっという間だったよな」
 こう話すのだった。
「あれやこれやで動いてな」
「そうよね。何か気付いたら終わってたって感じよね」
「さっきまで執事の服だったのにな」
「私もメイドだったし」
「それが今じゃ制服だしな」
 見れば二人共今は制服姿である。その姿で話すのだった。
「何か本当にあっという間でな」
「気付いたらフォークダンスね」
「こんなの入学したときは想像もしなかったよ」
「そうね。同意するわ」
「けれど」
 ここでだった。津島は微笑んだ。そうして狭山に話す。二人はまだ燃え上がっていないそのキャンプファイアーを見ている。火もまだだ。
「今からよ」
「まだ食いたかったな」
「食べたかった?」
「ああ、お菓子とかな」
「あれだけ食べたのに?」
「美味かったからな」
 それでだというのだ。
「だからな。もうちょっとな」
「ふうん、だったらね」
「だったら?」
「はい、これ」
 津島は何処からか何かを出してきた。それが何かというのだった。
 クレープだった。それを出してきてだ。そうしてそのうえで狭山に言うのだった。
「食べる?」
「何処から出してきたんだよ、それ」
「それは言わない約束よ」
 顔を正面に向けて左手でそのクレープを差し出していた。
「だからね」
「食べていいんだよな、これ」
「まだあるから」
「まだなのね」
「そう、まだ」
 こう話すのだった。
「まだあるから」
「そういえば御前今胸のポケットから出してなかったか?」
「それがどうかしたの?」
「滅茶苦茶不自然だろ」
「そんなことは気にしない。とにかくね」
「食べていいんだな」
「そう、どうぞ」
 津島はまたクレープを勧めた。
 
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