駄目な後輩に
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第二章
「そういうのも」
「そう、爪もスカートも」
「先輩厳しいっすね」
「校則を言ってるだけよ」
学校で定められたそれをというのだ。
「私は」
「いやあ、別に人として筋を守っていれば」
「服装はっていうのね」
「いいじゃないですか」
「よくないわよ、もうどれだけ校則違反してるのよ」
「人間杓子定規じゃ駄目ですよ」
「規則は守るものよ」
みなみは笑って言う後輩にあくまで厳しく言う、しかし一年生の娘はみなみの言葉にも笑って返して。
そうして平気な顔で校舎の中に行く、みなみはその彼女を睨んで送るだけだった。
風紀部の面々はそのみなみにあえてこう言った。
「ねえ、もうね」
「アクセサリーとか没収したらいいじゃない」
「先生に言うとか」
「あの娘何言っても笑って聞き流すし」
「それじゃあね」
「そういうことはしないから」
みなみは風紀部の面々にも真面目な口調だった、そしてその真面目な口調で言うのだった。
「私は」
「それがあんたのポリシーだからよね」
「それでよね」
「あのアクセサリーは没収しないし」
「先生にも言わないのね」
「あんな恰好なのに」
それでもとだ、みなみは風紀部の仲間達に話した。
「不思議と生活とか学業は真面目だから」
「部活にしてもね」
「遅刻は絶対にしないし」
「いじめとか意地悪はしなくて」
「授業はいつもちゃんと出て」
「お掃除も何があってもさぼらない」
「真面目なところは真面目なのよね」
「そうした娘だから」
自分で言う通り真面目なところは真面目だからだというのだ。
「言い続けるわ」
「真面目になの」
「そうしていくのね」
「ええ、あの娘も服装以外は真面目だから」
それでというのだ。
「私もよ」
「真面目になのね」
「正々堂々と対して」
「毎朝注意していくのね」
「そうしていくわ、あの娘がちゃんとした格好になるまでね」
こう言ってだ、実際にだった。
みなみは一年生を毎朝注意していった、すると次第にだった。
その一年生はメイクを薄くしてスカートの丈も短くしていってだ、アクセサリーも減らしていった。そうしてだった。
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