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空に星が輝く様に

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320部分:第二十四話 過ちその四


第二十四話 過ちその四

「そうでしょ?だからね」
「気持ちをリラックスさせろってか?」
「そういうこと」
 彼女が言いたいのはそういうことだった。
「わかった?真面目にやるのはいいけれどリラックスするのも忘れないでね」
「それが怪我をしない為のコツってか」
「周りが見えなくなったら黄信号よ」
 津島はこうも言った。
「そっからもう一直線だから」
「ううん、何かと危ない状況だったんだな、さっきまでの俺って」
「凄くね。注意しておいてね」
「ああ、わかった」
 津島のその言葉に頷くのだった。そうしてだった。
 狭山は周りを見ながら仕事を再開した。それでかなりリラックスもしていた。
 陽太郎もだ。注文をあれこれと受けてそれで仕事をしていた。その中でだった。
 赤瀬がだ。彼に言ってきたのだった。
「まずいね」
「まずいって?」
「あれが来てるから」
 こう陽太郎に言ってきてだ。店の端にいる目つきの悪い男を密かに指し示した。
 眉は剃っていて非常に短い黒い学生服の下から赤いシャツが見える。ズボンも黒でタックが二ついっている所謂ボンタンだった。
 髪は左右は黒く刈っていて上だけが金色である。赤瀬はその男を見ながら言うのだった。
「あれが堀内だよ」
「あの三山のか」
「うん、そこのね」
 その彼だというのである。
「何してもおかしくない奴だから」
「若し店の中で暴れたら」
「その時は僕が出るよ」
 彼がだというのだ。
「相手が拳銃持っていても勝てるから」
「拳銃でもかよ」
「日本刀持ってる相手何人も相手にしたことあるし」
「何でそんなことになったんだ?」
「練習の時に」
 その時にだというのである。
「ちょっとね。ハードにやろうってことになって」
「いや、それハードってものじゃないだろ」
「けれどそういう修行もあるんだ」
 修行と来た。
「道場によってはね」
「何処の山奥の修行なんだよ」
「人にはちょっと言えない場所。椎名さんの紹介で」
「またあいつかよ」
「だから。相手が拳銃持っててもね」
「大丈夫なんだな」
「うん、安心して」
 そうだと。陽太郎に話すのだった。
「そういうことだから」
「その言葉信用させてもらっていいんだな」
「是非」
 こう答えたのだった。
「ああいう奴だったら何てことはないから」
「いや、その時は俺も行くさ」
「君も?」
「ああ、俺もな」
 強い顔になっていた。
「行くさ」
「というと剣道だよね」
「棒持たないと駄目だけれどな。それでもな」
「棒?あるよ」
「あるのか?」
「何処にでもあるよ、それは」
 赤瀬はこう陽太郎に話すのだった。
「棒だったらね」
「箒でも何でもか」
「そうだよ、だからその時はね」
「何でも戦うか」
「うん、だから」
「ああ、わかった」
 これで頷く陽太郎だった。そしてだった。 
 
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