空に星が輝く様に
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318部分:第二十四話 過ちその二
第二十四話 過ちその二
それで困っていた。ところがだ。思いも寄らぬところから助け舟が出た。
その月美がだ。こう言ってきたのである。
「あの」
「あの?」
「あのって?」
「それなら私」
こう言ってきたのだった。
「受けますけれど」
「そうよ、忙しいんだからね、こっちも」
「当然でしょ」
四人はその月美に礼を言うことなく憮然と返した。
「それはね」
「ならこれで決まりね」
「はい、それじゃあ」
それに頷くとだった。しかしであった。
椎名はだ。ここでまた言うのだった。
「つきぴーって」
「うん、どうしたの?」
「お人よし過ぎ」
そうだというのである。
「そんなのだから」
「そんなのだから?」
「色々苦労する。けれど」
それでもだと。椎名の言葉がここで変わった。
そしてである。こう月美に話すのだった。
「それがいい」
「いいの?」
「そんなつきぴーだからいい」
こう話すのである。
「なら頑張って」
「有り難う」
「私も時間ができたら助けに行くから」
「ちょっと、何であんたが出て来るのよ」
星華は椎名まで来ると聞いてだ。顔をむっとさせて言った。
「そんなの駄目に決まってるじゃない」
「そんな校則はない」
「校則ってね」
「友達を助けるのは普通のこと」
椎名はこう言って星華達に反論する。
「それが悪い筈がない」
「くっ、このチビ・・・・・・」
「いつも口ばかり立って」
「口だけじゃないから」
四人を牽制するように見ての言葉だった。
「動くこともちゃんとできる」
「ふん、じゃあやってみせなさいよ」
星華は苦い顔になって月美に話した。
「やれるものならね、あんたのクラスの仕事だけで手が一杯でしょうけれど」
「私は嘘は言わない」
また言う椎名だった。
「見ていること」
「くっ・・・・・・」
星華も三人も歯噛みした。しかしそれ以上は言えなかった。
それでだった。苦い顔で踵を返す。とりあえずは仕事を押し付けただけだった。
星華達はこれで一旦教室から姿を消した。そしてだ。
椎名はだ。あらためて月美に言ってきた。
「夕方よね」
「うん、後片付けは」
「その時任せて」
こう言うのだった。
「絶対に来るから」96
「来てくれるの」
「そう来るから」
月美に約束する。
「待っててね」
「有り難う、本当に」
にこりと笑ってそれで椎名に返す。
「いつもね」
「つきぴーだから」
「私だから」
「そういうこと。それでキャンプファイアーは」
「うん」
「斉宮と一緒」
このことを強調するのだった。
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