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空に星が輝く様に

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312部分:第二十三話 嫉妬と憤怒その六


第二十三話 嫉妬と憤怒その六

「それを変えるのよ」
「変えるってそれで」
「どうするの?」
「だから。あいつがキャンプファイアーに出られないようにスケジュールを組み替えさせるのよ」
 そうするというのであった。
「そして私が斉宮とね」
「あっ、それいいかも」
「そうよね」
「名案?」
 三人も彼女のその言葉に笑顔になる。
「じゃあ早速そうして?」
「それでやってく?」
「あいつに言って認めさせて」
「そうしてやりましょう。わざとスケジュール前の時間に合わせて」
 星華は三人に話していく。話していくうちにその顔にドス黒いものも宿っていく。だがこのことには当人も三人も気付いてはいなかった。
「私達の四人分の仕事をそこで押し付けてやってね」
「そうしようか」
「それで星華ちゃんはね」
「斉宮と」
「ずっとだったのよ」
 ドス黒いものが消えて切実な顔になった。
「私、ずっとなのよ」
「ずっと好きだったのね」
「そうだったのね」
「ええ、そうよ」
 まさにその通りだというのである。
「だから。本当にね」
 そして言ったのだった。このことを。
「この文化祭にかけてるのよ」
「だから頑張ってよ」
「私達もいるんだからね」
「本当にね」
「ええ、わかってるわ」
 切実な顔のままこくりと頷いた。
「だからこそね」
「武運長久を祈るわ」
 橋口が言った。
「勝利をね」
「そうよね、勝たないとね」
 州脇も続く。
「こういうのって意味がないし」
「そうそう」
 野上はその言葉に頷いた。
「勝たないと何もならないからね」
「そうだからね」
 また言う星華だった。
「ここは何をしてでもね」
「決める」
「それしかないしね」
「そうよ。明日何があっても」
 星華は不必要なまでに燃え上がってしまっていた。そしてその炎によからぬものが混ざっていることにも気付いていなかったのだった。
 そのままだ。彼女は言うのであった。
「今から。あいつ除ける用意しましょう」
「うん、わかったわ」
「それじゃあね」 
 こんな話をしていた。今それは四人の間だけだった。しかし彼女達は確かに動きはじめていた。それがどういった結果をもたらすかまでは考えずに。
 陽太郎はこの時も月美と一緒にいた。今はお化け屋敷の中にいる。
 その四組のお化け屋敷の中を見ながらだ。彼は言うのだった。
「やっぱりな」
「はい?」
「お化け屋敷って暗いのが一番いいよな」
 こう笑顔で言うのだった。
「ほら、今ここ真っ暗じゃないか」
「はい、お化け屋敷ですから」
「お化け屋敷ってのはさ、暗いところから急に何かが出て来るじゃない」
「そうですよね。ここだと」
「おっと」
 いきなり頬に何か来た。ひやりとしたものがだ。
 
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