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空に星が輝く様に

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273部分:第二十話 準備の中でその三


第二十話 準備の中でその三

「そういうことだから」
「ああ。ところで椎名」
「何?」
「御前もやっぱり踊るのか?」
 陽太郎は彼女にこのことを尋ねたのだった。
「フォークダンスな。どうするんだ?」
「踊る」
 こう返す椎名だった。
「勿論」
「ああ、やっぱりそうなのか」
「そう。そしてその相手は」
「赤瀬だよな」
「勿論」
 またこう言うのだった。
「赤瀬と一緒に出て一緒に踊る」
「やっぱりそうか」
「もう赤瀬にも話してるから」
「御前この話前から知ってたのか」
「その通り。二学期はじまってすぐに聞いた」
「相変わらず情報通なんだな」 
 陽太郎はここでも発揮された椎名の情報収集能力に感心していた。こうしたことができるからこそ椎名であると言えた。
「凄いな、俺なんか今聞いたばかりなのにな」
「情報は集め方にコツがあるの」
「コツ?」
「学校の情報はさりげなく先輩の話を聞く」
「それでか」
「部活の他には食堂とか廊下でも聞けるから」
「ああ、普通に話してたりするよな」
 陽太郎もわかった。そうしたところから情報を集めるというのだ。
「それを聞いてか」
「そういうこと。他にもサイトとか」
「あれか。学校の裏サイトか」
「悪いことも書かれてるけれどそうしたことも書かれている」
 とにかくあらゆる手段を使って情報を集める椎名であった。それでそのうえで陽太郎や狭山達に対して話すのであった。
「そこでもわかる」
「情報って色々転がってるんだな」
「そういうこと。情報収集には自信がある」
 椎名は言った。
「軍師としての基本だから」
「ああ、じゃあ頼むぜ天才美少女軍師」
「お任せあれ」
 ここで微笑んで左手を出してだ。ブイサインを示す椎名であった。
 その椎名にだ。狭山と津島が言ってきた。
「さっき裏サイトの話したけれどな」
「うちの学校にもあったのね」
「何処にでもある」
 こう二人にも答える。
「どの学校にも」
「そうだったのか」
「まさかと思ってたけれど」
「そういうこと」
「しかし。悪いことも書かれてるって」
「結構以上にまずくない?それって」
「そう、まずい」
 これはすぐに認めた。
「その通り。かなりまずい」
「あれだよな。いじめとかあるんだってな」
「あることないこと書いて」
「そういうことをする奴がいる」
 また話す椎名だった。
「それが問題」
「ううん、何ていうか」
「そうよね。嫌な話よね」
「それどうにかして止められないか?」
「何とかならないの?」
「これが難しい」
 椎名も今はその言葉に確信がなかった。声の響きが弱い。
「それもかなり」
「だよなあ。誰が書いてるかわからないしな」
「嘘でも書かれた本人にはたまったものじゃないし」
「そう。だからやばい」
 それでだというのだ。
 
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