空に星が輝く様に
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256部分:第十八話 運動会その十四
第十八話 運動会その十四
「それでなんだよ」
「そうなの、それでなの」
「姉ちゃんそれで旦那さんにも子供にも見せるしな」
「子供ってあんたにとったら」
「ああ、甥な」
それに当たるのだった。狭山はここで性別も話していた。
「甥っ子にな。いつも見せてるんだよ」
「随分凄いの見せるお母さんね」
「それと仮面ライダーな。平成ものばかりな」
何となくその趣味がわかる狭山の姉であった。
「特に好きなのがファイズとキバでな」
「ハードね、特にファイズは」
「あれ子供に見せていいのか?」
「一応子供番組だったけど」
「あれの小説も持ってるんだよ」
しかもそれもなのだというのだ。
「凄いだろ、かなり」
「ファイズの小説ってどんなの?」
津島が狭山に問おうとしたところでだ。椎名がにょっこりと出て来た。閉会式だというのに随分と砕けたものになってしまっている。
「一応てれびマガジンの関係」
「じゃあ子供向け?」
「と思ったら大間違い」
椎名はこう津島に告げた。
「かなりハード。テレビではお見せできません」
「そこまで凄い内容なの」
「読めばわかる」
津島にまた告げた。
「そう、読めば」
「何か読むの怖いけれど」
「ああ、一応言っておくぜ」
また狭山が津島に言う。
「読んでも落ち込むなよ。沈むなよ」
「そういう話なのね」
「すっげえからな。本当にテレビじゃ放送できないからな」
「ううん、何か読むのが怖いけれど」
「後悔するのなら読まないことだな」
狭山はこうも言った。
「そういうことだ」
「そうなの」
「ああ。まあとにかく今日はあれだよな」
「そう、ケーキね」
何はともあれそれは決まっていた。
「いいわね、それで」
「ああ、それじゃあな」
「じゃあ私も」
ここで椎名がまた言ってきた。
「津島の家のケーキ食べたい」
「あれっ、椎名もなの」
「うん」
椎名は津島に対してこくりと頷いてみせた。
「駄目かな」
「いいけれど」
津島は特に反対はしなかった。まさに来る者は拒まずであった。
「それはね」
「そう。いいのね」
「ええ、いいわよ」
津島は最後彼女に話した。
「それじゃあ。三人ね」
「うん、じゃあ」
こう話して運動会を終わる三人だった。陽太郎は月美と共に帰り赤瀬は片付けの後椎名に携帯で呼び出され津島の家のケーキ屋で彼女と合流した。そうして星華はというと。
「まあよかったじゃない」
「そうそう」
「最優秀選手だったし」
ファミレスでだった。三人の慰めの言葉を受けていた。四人用の座席なので他の三つから集中的にそうされる形となっていた。
「優勝したし」
「その最優秀選手の得点でね」
「だから星華ちゃんのお陰よ」
三人は難しい顔になっている星華に対して言うのだった。
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