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転生とらぶる

作者:青竹
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機動戦士ガンダム
  2100話

 俺がUC世界に戻ってきた、翌日。
 現在はラル達がコネを使ってダイクン派の人物と会う手筈を整えたりといった感じで、色々と忙しくしているらしい。
 現状の俺には特にやるべき事もなく、だからこそ俺はズム・シティの中を色々と歩き回っては、地道に情報収集をしていた。
 ……ちなみに金に関しては、ラルが宝石の幾つかを金に換えた中から幾らか貰っている。
 何だかそう考えると、現在の俺ってラルから小遣いを貰っている子供に見えないでもないのか?
 まぁ、俺が10代半ばの姿でラルが30代だから、若い時の子供と言えば……無理でもない、か?
 ともあれ、今日も俺は民衆が熱狂的に戦争について語っているのを見ながら、ズム・シティの中を歩く。

「知ってるか? MSを最初に主力にしようとしたのは、キシリア様なんだってよ」
「ん? じゃあ、ドズル閣下は?」
「勿論ドズルも似たような事を考えていたが、キシリア様は主力をMSにして、ムサイをMS母艦という形にしようと考えていたらしい。けど、ドズルはムサイとかを主力にして、MSはその補助戦力って考えだったんだってよ」
「そうなのか!? じゃあ、キシリア閣下の方が先見の明があったって事か」
「そうだな。ただ、ドズルが最初からキシリア閣下の言葉に従っていれば、わざわざ突撃機動軍と宇宙攻撃軍って風に軍を2つに分けるような真似をしなくてもよかったのにな。先見性って意味だと明らかにキシリア様が上だよな」

 何かそんな声が聞こえてくるが……片方があからさまにキシリアを持ち上げてるような気がする。キシリアは様づけしてるのに、ドズルは呼び捨てだし。
 もっとも、ラルから聞いた話によれば、この会話は決して間違っている訳ではない。
 ドズルとキシリアは当初MSという戦力をどう使うかでお互いに議論し、かなり険悪なところまでいって、最終的にギレンが軍を2つに割るという結論をし、ドズルが宇宙攻撃軍、キシリアが突撃機動軍を率いる事になったらしい。
 その後は1週間戦争やルウム戦役でMSが活躍して、結局ドズルもMSを艦艇の補助線力ではなく主力として扱うようになったのだから、今の会話に出ていたようにキシリアの方が先見の明があるというのは、決して間違いではないのだろう。
 そう言えば、エデンの周囲には何人か怪しい……気配をろくに隠せるような事もない奴がいるが、ラルから聞いた話によると、そいつらはキシリア機関だったりするとか何とか。
 タチが所属している方の情報部の方は誤魔化しているらしいが……そういう意味でもキシリアってのは有能なんだよな。
 そんなキシリア機関の人間を排除していないのは、ラルの方から今は泳がせておいた方がいいって言われているからだ。
 まぁ、ここで迂闊に排除するような真似とかをすれば、すぐにエデンでラルが何かを企んでいるって話になるしな。

「ザビ家と言えば、ガルマ様も忘れちゃいけねえよな」
「ああ、士官学校でも……主席なんだっけ?」
「どうだったかな。あの赤い彗星と同期だったらしいけど」
「あー、あの赤い彗星か。それだと……でも、ザビ家だしなぁ」

 そんな風に聞こえてくる声もある。
 ガルマ・ザビか。
 ラルから聞いた話だと、ザビ家の中では一番人気の高い男らしい。
 とはいえ、士官学校の主席に近い成績だったという事であれば、相応の実力はあると考えるべきか。
 もっとも、士官学校を主席で卒業した俺が言うのもなんだけど、士官学校の授業というのは本当に基礎中の基礎といったところだ。
 その後は、実際に戦場に出て実戦の中で強くなっていく必要がある。
 勿論これは俺の体験であって、UC世界においてはその辺も大きく違う可能性もあるが。

「連邦政府なんざ、ゴミだよゴミ! 地球は、ジオンの手で管理されなきゃならねえんだから!」
「ジーク・ジオン! ジーク・ジオン! ジーク・ジオン!」

 ジオン公国、か。
 ここに住んでいる住人は、戦争に酔ってるな。
 連邦政府から受けてきた仕打ちを思えば、そう思うのも無理はない。
 だが……問題なのは、こうして熱狂している状況がどれだけ続くかだ。
 ジオンと連邦の国力差は30倍以上。
 この30倍以上という数字は、とてもではないが馬鹿に出来るものではない。
 それこそ、シャドウミラーのようにキブツで自由自在に物資の類を作ったり、システムXNで目的の場所にその物資を転移させたりといった真似が出来るのであれば、話は別なんだが……
 当然のように、ジオンにそんな技術はない。
 そうなると、今はいいが遠くないうちに戦線が限界を迎える筈だ。
 その時、ジオンという国がどうなるのか。
 恐らく都合のいい事ばかりを流して、実際に自分達が負け掛けているという風には放送出来なくなる筈だ。

「っと、悪いな兄ちゃん。……ヒック。ジーク・ジオン!」

 酒瓶を片手に歩いてきた男とぶつかりそうになり回避すると、その男はそう言って謝ってから、酒瓶を片手にジーク・ジオンと叫ぶ。
 酔っ払ってこっちに絡んでくるような相手じゃないから、こっちは特に問題ない。

「ああ、気にしないでくれ。それより、随分とご機嫌だな」
「そりゃそうだろ。オデッサも手に入れたし、これでジオンが資源に困る必要はない! つまり、連邦の連中をもっとボコボコにしてやれるんだからな! ジーク・ジオン!」

 陽気に叫びつつ、男は去っていく。
 それを見送り、俺は再びズム・シティの中を歩いて回る。
 そうして適当な店でハンバーガーの類を買って食いながら歩いていると……

「アクセル! おい、探したぞ!」

 そう言いながら、コズンが近づいてくる。

「コズン? 一体どうしたんだ? 何だか、妙に急いでるみたいだけど」
「ああ、ちょっとな」

 そう言い、コズンは俺を連れて人混みから抜け出していく。
 もっとも、周囲の者達は殆どが連邦軍との戦争の戦況が有利だということで騒いでいる者が多く、俺とコズンを見ても特に気にするようには思えなかったが。

「で? 何がどうしたんだ?」

 人混みから抜けて、人の目のない建物の陰に入ったところで、コズンに尋ねる。
 見るからに急いでいたその様子は、何か重大な用事で俺を呼んでいるという事を予想させたからだ。
 事実、コズンは俺のその台詞に再度周囲に誰もいないのかを確認してから、それでも周囲に聞こえないようにと口を開く。

「例の、ラル大尉が気にしていた海兵隊の連中……今、エデンに来てるんだ」
「……何? また、随分と早いな」

 俺が聞いた話によると、その海兵隊は突撃機動軍に所属してジオン軍の汚れ役を全面的に押しつけられているという話だった。
 つまり、連邦との戦いが激しい現在では、サイド3の……それも首都コロニーのズム・シティに来るような余裕はない筈だった。

「俺もそう思ってたんだが、どうやら丁度海兵隊の連中が故郷に……マハルに戻ってきていたらしい」
「へぇ……汚れ役をやらされてるって話だったけど、それなりに優遇はされてるのか?」
「どうだろうな。まぁ、腕の立つ連中ってのは間違いないらしいから、多少そういう事があっても驚きはしねえよ。ともあれ、ラル大尉がエデンでお前を待ってるからすぐに来てくれ」

 そのコズンの言葉に頷き、影のゲートを使うか? とも聞いたが、コズンはそれに首を横に振り、ラルが直接来るように言っていた、と。そう告げるのだった。





「あれが海兵隊の連中か?」

 エデンの前、普段であればラルの仲間達が見張りをしており、俺が初めて来た時にはコズンがいた場所に、現在は見るからに不良軍人といった様子の者達がいる。
 海兵隊というのは、サイド3の中で最も貧しいと言われているマハルというコロニーの中でも腕っ節の強い男達を半ば強引に集めて作られた部隊らしいから、正規の軍人ではなく不良軍人っぽいのが増えても不思議ではないか。
 そういう意味では、ラルの部下達も乱暴者揃いというのは間違ってないのだから、意外と仲良く……

「ああ? 何だてめえ。戻ってきたのか」
「ラル大尉に呼ばれたんだ。当然だろ」

 ……仲良くは……どうやら、出来ないらしい。
 同族嫌悪って奴か?
 ともあれ、数人の海兵隊と思しき者とコズンがそれぞれ、至近距離で睨み合う。
 コズンの方は1人だったが、それでも自分よりも大勢を相手に負けている様子はない。
 こうまであからさまにしていれば、それこそエデンを見張っている連中にとっては何かがあったと思われそうなんだが……いや、こうして喧嘩腰になっているのを見れば、手を組んだとかじゃなくて、寧ろ揉めていたって事で、見張りの上が心配しているようなことにはならないのか?
 と、海兵隊の1人が、俺の姿に気が付く。

「おい、そのガキは何だ」
「アクセル・アルマー。ラル大尉が呼んでこいと言った人物だよ」
「ああ? そんなガキをシーマ様の前に連れ出すのか? お前、正気かよ?」

 海兵隊の男は不満そうに俺を睨んでくる。
 睨んでくるが……その割に、こっちに手を出してくる様子はない。
 なるほど。荒くれ者を揃えてはいるが、しっかりと統制は出来ているらしい。

「通して貰うぞ」

 それだけを言い、コズンと共にエデンの中に入っていく。
 海兵隊の連中は不満そうに俺やコズンを見ていたが、それでも強引に止めるような真似はしない。
 その事で、また少しだけだが海兵隊の連中を見直す。
 そんな風に思いながらエデンの中に入っていくと……そこでは、予想はしていたけどちょっと予想外という、微妙な光景が広がっていた。
 まず、ラルの方にいるのは、ラル、ハモン、クランプ、タチ。
 そしてラル達を代表するように、セイラの姿もある。
 海兵隊の方は、扇子を手にした1人の女……20代後半、もしくは三十代前半くらいの美人と呼んでも差し支えはないだろう顔立ちの女だけが椅子に座り、その周囲にはエデンの外にいた海兵隊よりも明らかに格上と思われる男達が護衛のように立っている。
 この女が表で海兵隊の男が言っていたシーマなのだろう。
 シーマを含めた海兵隊の面々は、怒鳴ったりはしていないが、間違いなくラルに対して殺気をぶつけていた。……そう、セイラではなくラルに。

「妙に殺伐としているな」

 呟いた俺の言葉に、そこでようやく俺とコズンがエデンの中に入ってきた事に気が付いたのか、海兵隊の面々はこっちに視線を向けてくる。
 ……が、視線を向けた先にいたのがまだ10代半ばの俺だと気が付いたからか、こっちを見た海兵隊の面々はどこか侮ったような笑みを浮かべる。
 もっとも海兵隊の中でも中心人物らしい扇子を持った女は、侮りではなく訝しげな視線を向けていたが。
 その女が俺に視線を向けていたのは数秒。すぐにラルの方に視線を戻し、冷静な怒りとでも呼ぶべき視線を向ける。
 頭に血が上って怒るよりも、こうして冷静に怒ってる相手の方が厄介なんだよな。
 ただ、海兵隊の面々がラルに対してここまで怒ってるという事は……
 セイラに視線を向けると、ちょうどセイラもこちらを見ている状況で、お互いに視線が交わる。
 俺の視線の意味を理解したのか、セイラは口を開く様子もなく小さく頷く。
 ……なるほど。どうやらラルが以前言ってた件を話したといったところか。
 本来なら、コロニー落としに使うコロニーを確保するのは、ラルが命じられた役目の筈だった。
 だがラルはそれを拒絶し、結果として何がどう回ったのかは分からないが、ドズルの仕事のコロニーの確保が、何故かキシリアの部下たる海兵隊に回された、と。
 俺の知ってる情報によると、キシリアは政治的な立ち回りも上手いらしいからな。
 街中でもキシリアの仕込みらしい会話が聞こえてきたし。
 ドズルに対して恩を売ったといった感じか。

「それで、あたし達に用事ってのは何だい? まさか、今更その件を謝る為にマハルまで来ていた……なんて訳はないよねぇ?」

 畳んだ扇子の切っ先をラルに向けて尋ねるシーマ。
 ルナ・ジオンの件を話すにしても、今の状態でそんな真似をすれば、それこそセイラの存在を……ジオン・ズム・ダイクンの1人娘の存在をキシリアに知らせるんじゃないのか?
 そんな疑問を抱くが、交渉に関してはラルに任せてある以上、俺はそこで何も言わずに、セイラの隣に座る。
 コズンが俺達の後ろに立っているという事で、明らかに俺の方が重要人物という風に見られるのは間違いない訳で……改めて、シーマの視線がこちらに向けられる。

「ラル大尉、あたし達の話をする前に、この坊やの事を紹介して貰えるかい? それと、そっちのお嬢ちゃんもね」
「自己紹介をするなら、まず自分から……って風に言われた事はないか?」

 女の言葉にそう返すと、海兵隊の面々は一瞬自分が何を言われたのかが分からなかったように、動きを止める。
 多分俺はお飾りか何かで、こうして正面から堂々と言い返してくるとは思ってもいなかったのだろう。……今の外見を考えれば、無理もないが。

「てめえ! シーマ様に何て口を利きやがる!」

 そう叫んだのは、シーマのすぐ横に立っていた、素肌の上から軍服を着て、胸元を大きく開けている強面の男。
 その男が叫んだ次の瞬間には、他の海兵隊の面々も俺を睨み付け、何かを言おうとし……

「あはははは。坊や、随分と度胸があるじゃないか。コッセル達がいる中でそんな口を利けるとは、ちょっと驚いたね」
「シーマ様! こんなガキに、何を……」
「落ち着きな、コッセル。確かにこっちが自己紹介をしないで名前を尋ねるなんてのは、不躾だったね。……あたしはシーマ・ガラハウ。見て分かる通り、この連中を率いてる女さ。それで?」

 視線をこちらに向けて名前を尋ねられれば、こちらも答えない訳にはいかないだろう。

「アクセル・アルマー。シャドウミラーの代表を務めている者だ」

 そう告げるも、現在のジオンでシャドウミラーという名前の意味を理解しているのはラルやその周辺の人物だけであり……当然ながらシーマを含めた海兵隊の面々は、俺の言葉に首を傾げるだけだった。 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:5
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1987
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.11
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1389 
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