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空に星が輝く様に

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231部分:第十七話 姿の見えない嫉妬その四


第十七話 姿の見えない嫉妬その四

「フォークダンスに誘ったらって」
「そうよ。この学校言い伝えだって」
 また話す野上だった。
「じゃあやってみたら?」
「そうね」
 それを聞いてだった。星華は少し考える顔になった。
「それじゃあ。ちょっと」
「いい機会よね、文化祭だと」
「そうよね」
 州脇と橋口もその話を聞いて言うのだった。
「カップルが誕生するにはね」
「絶好のイベントだし」
「だからよ」
 野上はここでも星華に告げる。
「その時に。勝負かけたら?」
「私達も一緒にいてあげるから」
「告白ついでにね」
「そうね」
 三人の言葉を受けてだ。星華も遂に強気を見せた。
「それじゃあ。文化祭の時ね」
「運動会ではいいところ見せてね」
「事前にイメージアップ」
「それどう?」
「運動会はそれなのね」
 また三人の言葉を聞いてであった。
「その時は」
「そうよ。競技一杯出てね」
「斉宮に見せればいいじゃない」
「星華ちゃんの活躍」
 また口々に言う三人だった。
「それから文化祭にかかればね」
「もう御の字じゃない」
「それで行きましょう」
「わかったわ」
 星華の表情に明るいものが戻った。そのうえで頷く。
「それじゃあ。そうするわ」
「まずは運動会頑張りましょう」
「そしてその勢いで文化祭」
「それでね」
「それだったら」
 ここでは勇気を出せた。そうしてである。
 すぐに月美のところに向かう。そうして言う。
「ねえ。いいかしら」
「はい?」
「私運動会の競技幾つか出るから」
 こう月美に言うのだった。
「それでいいわね」
「幾つかですか」
「幾つもよ」
 こうも言い換えたのだった。
「出るからね」
「出てくれるんですね」
「競技は適当にそっちで決めて」
 つっけんどんな言葉だがそれでも月美に話した。
「それで御願い」
「はい、それじゃあ」
 椎名はその彼女をじっと見ていた。しかし今は話さなかった。
 そしてだ。この時はそれで終わった。しかしだ。
 星華は変わった。常に誰かを探していた。そうしていつも三人に対して言うのであった。
「見つかった?」
「その黒髪のロングの娘よね」
「その娘よね」
「ええ。誰かわかったの?」
 不安と猜疑に満ちた顔での言葉だった。
「その相手って。誰なのか」
「ちょっとね」
「まだ」
「悪いけれど」
 三人は眉を顰めさせてだ。こう返すばかりだった。
「黒髪って多いし」
「ロングヘアもね」
「背も。それ位の娘なら」
「そうなの」
 それを言われていつもがっくりとなる星華だった。
 
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