| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

レーヴァティン

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第六十話 召喚士その三

「飲み茶屋に来る」
「それでは」
「これよりな」
 行って来るとだ、こう言ってそしてだった。
 英雄は小屋の楽屋裏に向かった、そして小屋の者に話してだった。
 そのうえでだ、彼は。
 楽屋裏に入りそこで召喚士と会った、すると召喚士から言ってきた。
「うちに会いに来たということは」
「そうだ、わかるか」
「うちを仲間に入れたい」
「そう思っている」
「そうか」
「そうっちゃね」
「ちゃね、か」
「これがうちの喋り方っちゃ」
 召喚士は英雄に笑って答えた。
「意外っちゃ?」
「そうした口調は想像していなかった」
 こう返したのだった。
「というかむしろだ」
「喋り方まではっちゃ」
「考えていなかった、しかしだな」
「それでもっちゃ」
「用件は一つだ」
「うちを仲間に入れたいってことちゃ」
「そうだ、それで来た」
「やっぱりそうっちゃね」
「それでだが」
「いいっちゃよ」
 召喚士は英雄に笑顔で答えた。
「うちもこのまま旅をしていてもっちゃ」
「一召喚士として終わるというのだな」
「これはこれで楽しいっちゃが」
 それでもというのだ。
「あんた達に入った方が面白いっちゃ」
「そう思ってか」
「それでっちゃ」
 こう言うのだった。
「今いいと言ったっちゃ」
「そうか、交渉は難しくなるかもと考えていたが」
「まあそこはあれっちゃよ」
「運命と言うか」
「それっちゃよ、神様か仏様にお導きか」
 英雄に笑って話した。
「それでっちゃよ」
「俺達の仲間になるか」
「寝たらここに来てるのは同じってことだっちゃ」
 実に明るい口調での返事だった。
「それでうちも聞いていたっちゃよ」
「外から来た世界の者がだな」
「十二人、あんたの下に集まってっちゃ」
「この島、ひいては世界を救う話をか」
「もう聞いていたっちゃよ」
 それで知っていたというのだ。
「そうだったっちゃしな」
「一緒に来ていいか」
「望むところだっちゃ」
 こうまで言うのだった。
「うちにしても」
「ではその召喚術をだな」
「これから宜しくだっちゃ」
 英雄にこうも言った、それも笑顔で。
「召喚術役に立てさせてもらうっちゃ」
「この世界を救う為にだな」
「そうさせてもらうっちゃ」
 このことを笑顔で約束した、そうしてだった。
 英雄は召喚士に今度はこう尋ねた。
「風神と雷神を呼んでいたが」
「ああ、そのことっちゃね」
「あれは召喚術の八段にはないな」
「全くないっちゃよ」
「そうだな、しかしだな」
「うちは召喚出来るっちゃ」
 召喚士は英雄にこのことも明るく答えた。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧