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空に星が輝く様に

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230部分:第十七話 姿の見えない嫉妬その三


第十七話 姿の見えない嫉妬その三

「そんなこと」
「ねえ」
「星華ちゃんの為だったらよ」
「何でもするわ」
「有り難う」
 星華も誤ったまま礼を述べる。
「じゃあ相手を」
「まあ特徴はわかったしね」
「ひょっとしたら見つかるかも」
「まずは探してね」
「そうしましょう」
「ただね」
 しかしであった。州脇がふと言ったのである。
「星華ちゃんさあ」
「何?」
「斉宮好きなのよね」
 あまり考えなかった。しかし言ったのである。
「そうなのよね」
「う、うん」
 星華は覚悟を決めた顔で州脇のその言葉に頷いた。
「そうだけれど」
「じゃあ告白したら?」
「そうよね、そこまで好きならね」
「やっぱりね。告白しないと」
 野上と橋口も州脇のその言葉に続く。
「一途なのはいいことだしね」
「ここは一気にね。言ってみたら?」
「そんなことできないわよ」
 今度は困った顔になる星華だった。
「だって。怖いから」
「ううん、怖いの」
「告白するのは」
「怖いわよ。勇気がいるじゃない」
 その困った顔で話す。
「告白なんて。ちょっとやそっとじゃ」
「気持ちはわかるけれどね」
「それはね」
 三人もその感情は認めた。同じ女の子だからわからないわけでもない。だから今の星華の言葉をだ。むげに否定したりはしなかったのだ。
「わかるけれどね」
「それでもよ」
「勇気出したら?」
「ううん、どうしよう」
 困ったものに弱ったものが入った顔になった。
「言えたら」
「機会があればね」
「そうしたら?」
 また告げる三人だった。
「運動会は。そういう機会ないか」
「残念だけれどね」
「クラスとクラスの対抗だし」
 それはないというのである。星華にとっては残念であると共にほっとしたものもある。そうしたことだった。幸か不幸かはわからないが。
「けれどね」
「けれど?」
 野上の言葉に問うた。
「何かあるの?」
「あるわよ。文化祭はね」
 その時はというのである。
「あるわよ」
「あるのかしら」
「あのね、文化祭の最後のフォークダンスだけれど」
 野上はこのことを話に出してきた。
「あれに誘えばいいじゃない」
「フォークダンスに」
「私部活の先輩から聞いたけれどあれに誘えばね」
「どうなるの?」
「そのカップルは一緒になれるそうよ」
 こう星華に話すのだった。
「一緒に踊ったらね」
「それ本当?」
 怪訝な顔で野上に問い返す。
 
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