| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

空に星が輝く様に

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

228部分:第十七話 姿の見えない嫉妬その一


第十七話 姿の見えない嫉妬その一

               第十七話  姿の見えない嫉妬
 星華はその話を校舎の屋上で聞いた。そして最初に言った言葉は。
「嘘・・・・・・」
「嘘じゃないから」
「それは絶対に言わないから」
「本当だから」
 三人は唖然とする彼女にだ。目を少し伏せさせて告げた。
「私達見たし」
「相手は誰かはわからないけれど」
「制服は」
「うちの学校ね」
 星華はさっき聞いた話を自分の口から述べた。
「そうだったって」
「うん。多分斉宮って」
「うちの学校の誰かと付き合ってるよ」
「それは間違いないわ」
「誰なのよ」
 星華は狼狽を隠せない調子で言葉を出した。
「それでその相手は。誰なのよ」
「だからそれはわからないけれど」
「それでもね」
「うちの学校の娘よ」
「どんな外見だったの?」
「ええとね」
 まずは州脇が言った。
「髪は黒かったわね」
「そうそう、それでロング」
「背はあまり高くなかったわね」
 野上と橋口も言ってきた。
「星華ちゃんより小さいわよね」
「何センチかね」
「そう、髪は黒髪のロングね」
 星華はまずはそのことを確認した。そして次は背だった。
「それで背は私より低いの」
「そんな感じ」
「後姿だけがわかったけれど」
「けれどね。わかったのはね」
「それだけよね」
 あらためてこう話すのだった。
「わかったのは」
「それだけよね」
「それだけなの」
 星華はここまで聞いて残念な顔になった。
「わかったことはそれだけなの」
「悪いけれどね」
「それだけなのよ」
「そう。わかったわ」
 星華は暗い顔で述べた。
「とりあえずうちの学校ね」
「どんなタイプの制服だったかな」
「黒いタイツだったよね」
「確かね」 
 今度は制服も確かめられる。三人はそうしたことを思い出しながら話す。
「それで黒いスカート」
「だったわよね」
「ブラウスは白?」
「ピンク?」
「水色だったかしら」
 ところがここでだ。ブラウスについては曖昧だった。闇夜でしかも離れて見たのでだ。三人もそこまでは確かに見られなかったのだ。
「とりあえず黒いタイツだったわよね」
「ハイソックスでしょ、あれ」
「そうだったかしら」
「タイツは夏しないでしょ」
 星華がこのことを指摘した。
「それはちょっと」
「そうよね、言われてみればね」
「暑いしね、まだ」
「だったらね」
 タイツについてはだ。星華も含めて否定された。
 そのうえでだ。あらためて話された。
「じゃあハイソックスね」
「黒なのは間違いないから」
「それはね」
「そう、黒いハイソックスね」
 星華はこのことを確認した。
 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧