巫女巫女パニック
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第三章
「デート行かない?」
「デートですか」
「うん、八条百貨店どうかな」
「はい、では宜しくお願いします」
この誘いには普通に答えた秋穂だった。
「デートは。はじめてですが」
「うん、僕もはじめてだけれどね」
「宜しくお願いします」
「待ち合わせ場所は神社でどうかな」
「私がアルバイトをしている神社ですね」
「そう、そこで待ち合わせをしてね」
そのうえでというのだ。
「百貨店まで一緒に行って」
「そこまでもデートですね」
「百貨店でもデートをしてお家まで送らせてもらうけれど」
「その時までデートですね」
「それでいいかな」
「楽しみです」
これが秋穂の返事だった、そしてだった。
二人は日曜日にデートをすることになった、遥は彼なりにお洒落をして秋穂がアルバイトをしている神社に行って彼女が来るのを待ったが。
その時の秋穂を見てだ、またしても仰天して叫んだ。
「その格好何!?」
「いけませんか」
上は白の着物、下は赤の袴だった。言うまでもなく巫女の服だ。
「殿方が萌える服ですよね」
「それも漫画の知識?」
「いえ、ネットからです」
今度の知識はそちらからだというのだ。
「記事を見まして」
「まとめサイトとかイラストのだよね」
「そうですが」
「それも偏ってるから、そもそもデートだよね」
「神社の中でのでいいかと」
「これからデートに行くから」
それでと言う秋穂だった。
「その格好はかなりアウトだよ」
「駄目ですか」
「うん、絶対に」
そこは強く言う遥だった。
「着替えるまで待ってるから」
「いえ、着替えでしたら」
ここでだ、秋穂は巫女の服の右肩に手を当てた、そうして服を一気に脱ぐと出て来たのは可愛らしいミニスカートに青いティーシャツと黒のジャケットという派手な服装だった。靴はシューズ太腿の付け根までストッキングで覆っているがよく見ればガーターだ。
その服装になってだ、秋穂は遥に話した。
「どうでしょうか」
「一瞬だね」
「着替えました、下着はティーバックです」
「下着のことはいいから」
「刺激的ですね」
「その知識は何処からかな」
「いやらしい雑誌です」
そこからの知識だというのだ。
「駄目でしょうか」
「それもかなり」
「駄目ですか、ティーバックは」
「今穿いてるんだよね」
「何なら脱ぎますが」
「それもいいから、まあとにかくね」
「これからですね」
「デートに行こうね」
「わかりました」
何はともあれだった、二人はデートをはじめた。百貨店までは普通のデートで百貨店でもそうであったが。
秋穂は二人で百貨店の屋上に行こうと言ってだ、こんなことを言い出した。
「屋上はゲームセンターですね」
「UFOキャッチャーとかもあるよ」
「ではその中に派手な下着やいやらしいおもちゃもありますね」
「ないから」
ここでも即座に答えた遥だった。
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