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ドリトル先生と奇麗な薔薇園

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第二幕その一

                第二幕  園長さんの悩み
 次の日の午後です、講義を終えた先生のところにです。
 電話がかかってきました、その電話の主はといいますと。
「八条大学付属植物園の園長の松江という者ですが」
「あっ、園長さんですか」
「はい、昨日申し出られたそうですね」
「植物園の虫のことで」
 先生から園長さんにお話しました。
「そうさせてもらいました」
「その様ですね」
「そのことで、ですね」
「お話をお伺いしたいのですが」
 こう先生に申し出るのでした。
「宜しいでしょうか」
「はい」
 先生は園長さんに笑顔で応えました。
「それでは今から」
「では私からお伺いします」
「園長先生からですか」
「今時間がありますしお茶でも飲みながら」
「そういえばもう少ししたらティータイムですね」
 講義を終えたその時間は本当にそうした時間でした、用意をしていれば少し早いですがお茶を飲む時間になります。
「それでは」
「はい、先生の研究室にお伺いします」
「僕の研究室の場所はご存知ですか」
「私も大学の方にはよく出入りしていまして」
 それでというのです。
「医学部の場所、それも研究室がある棟もです」
「知っていてですか」
「すぐに行けます」
「それでは」
「はい、今からです」
「わかりました、それでは」
 先生は園長さんのお言葉に頷いて応えました。
「ティーセットを用意してお待ちしています」
「宜しくお願いします」
 こうしてでした、園長さんの方から先生をお伺いしてお話をすることになりました。この電話の後で。
 先生は動物の皆と一緒にお茶の用意をはじめました、今日のティーセットはといいますと。
「レモンティーにしようか」
「アメリカ風ね」
「そちらのティーセットね」
「うん、ドーナツも出してね」
 三段のセットもアメリカ風にというのです。
「チョコバー、そしてキャラメルにしよう」
「うん、アメリカだね」
「レモンティーってだけで一気にそうなるけれどね」
「ドーナツやそうしたお菓子も出すとね」
「余計にそうなるわね」
「そちらにしようね」
 こうお話してです、先生はアメリカ風のティーセットを用意してでした、そのうえで園長先生をお迎えしました。するとです。
 そのティーセットを見てです、園長先生銀髪を丁寧に後ろに撫で付けた五十代位のアジア系の整った顔立ちのスーツがとてもよく似合っている背の高い紳士然とした人はお部屋に入ってすぐに笑顔になりました。
「ドーナツですか」
「何がお好きかわかりませんでしたが」
「いえ、実は私ドーナツが大好きでして」
「そうだったのですか」
「そして紅茶は何でも好きです」
 こちらのお話もするのでした。
「これは有り難いです」
「ではこのティーセットでいいですか」
「はい」
 気品のある笑顔での返事でした。
「では今から」
「お話して下さい」
「そうさせてもらいます」
 こうしてでした、園長先生は席に着いてです。
 そのうえで先生に植物園の虫のことをお話しました、園長さんは甘いレモンティーを飲みつつ先生に困ったお顔でお話しました。
「植物園の様々な場所に出ていまして」
「そのせいで、ですね」
「はい、それで手入れが大変でして」
「虫の駆除まで人手がと聞いていますが」
「回っていません、実はこれまではやっていけていました」
 今の人手でというのです。 
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