妖精の尻尾所属の戦闘民族(旧)
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第20話 戦闘民族の帰還
前書き
コメントで来週の休日に投稿するって言った…けど来週じゃ予定があるから投稿する時間がないことに気づいてしまった…。
おかげで溜めるだけで書いたはずだけど…もう完成しちゃったんで載せます。次回はちゃんと書き溜めよう(白目)
幽鬼の支配者との戦いにまた熱が上がっていった。
マスタージョゼに手によって兵士――幽霊を作り出して妖精の尻尾たちに牙を向けていた。
何の感情も持たず、何より痛覚のない敵によって苦戦を強いられ、沢山の魔道士は傷を付き負傷者が出てくることが増えた。
だが、それでも希望は消えていない。
幽鬼の支配者も押されているのは確かだ。
火の魔法使いである兎兎丸は火の滅竜魔導士であるナツに倒され。
水を操る魔法使い、大海のジュビアは氷の魔道士のグレイに一目惚れ…敗れた。
大地のソルと異名を持つソルは全身接収で獣王の魂を解放したエルフマンに倒された。
そして――
「――マスターが貴様ごときにやられるハズがない……今すぐ己の武勇伝から抹消しておけ」
エレメント4の最後の一人――大空のアリアはエルザ・スカーレットの手によって堕ちた。
禁句魔法の煉獄砕波は止まり、妖精の尻尾の皆は安堵の息を吐いた――だがまだ、まだ終わらない。
『妖精の尻尾の皆さァん。我々はルーシィを捕獲しました』
その声から響きは愉快そうに、まだ止まらない。ジョゼは1つ目の目的は達成されたという。
ならば、2つ目の目的は?
『我々に残された目的はあと一つ…貴様らの皆殺しだ、糞ガキども』
守るべき仲間が捕獲されたことが信じられないのに、止まらない幽鬼の悪意によって勝機が薄れていく。
もちろん、それでも止まらないのが妖精の尻尾だ。
なんとかここを退いて、仲間を助けるために動こうとする。
だが、自身たちにやってくる魔の手は止まぬ。
「さて…楽しませていただいたお礼をしませんとなァ…」
合流を果たしたグレイ、エルフマン、ミラ、そしてエルザの前に聖十大魔道という巨大な悪意が現れる。
男から放たれる魔力は正に邪悪、場にいる四人にとっては居ていられない場になっている。
男――ジョゼ・ポーラは四人の吐き気を抑える顔を見て笑みを深める。
ジョゼの前に構える二人の男――グレイとエルフマンは立ち向かおうとするも――
「――たっぷりとねェ」
ジョゼに傷一つ与えず、逆に自分たちが男の魔法から出る闇によってなぎ倒されていくのであった。
「エルフマン!!グレイ!!」
ミラの悲鳴が上がる。
ジョゼは手を横へと振りかざし、自身の魔法で倒されたグレイとエルフマン、ついでと言わんばかりにミラを衝撃で吹き飛ばしていくのだった。
「きゃあ…!!」
「ぐああああ!!」
「くっ……ッ!!」
範囲から居なかったエルザは黒羽の鎧を換装し身につけ、ジョゼに攻撃しかけようと剣を振るも避けられ、おまけにエルザの剣を掴んでる方の手を掴み瓦礫へと投げる。
流石は妖精女王というべきか、痛みを感じながらも着地を成功してジョゼへと向き直る。
「貴様……確かジュピターをまともにくらったハズ…何故立っていられる?」
ボロボロの状態で痛みを感じながらも構えてる彼女の行動が無意味だと嘲笑うように問いただすジョゼに、エルザ・スカーレットはまだ諦めない、まだ終わってないというような真剣な表情を向けて――
「――仲間が私の心を強くする、愛する者たちの為ならこの体などいらぬわ」
大切な家族のために立ち向かうその姿は正に騎士だと言われることがあるのはこのことだろう。
ジョゼに剣を向けて、エルザは構える。
「強くて気丈で美しい…なんて殺しがいのある娘でしょう…!」
まるで新しいオモチャを見つけたようなその物言いに、悪意を体現させたような笑みを浮かべるジョゼにエルザは怯まず、ただただジョゼに立ち向かう――――
そして別の場面から、二匹の竜が戦闘を繰り広げていた。
幽鬼の支配者最強の魔道士、鉄竜のガジルと妖精の尻尾魔道士、火竜のナツ。
二人の戦闘は瞬く間に巨大になり、周りを壊していく。
その二人の戦闘を見守っているのは仲間のハッピーと捕獲されていたのだろうルーシィ・ハートフィリア。
二人が激烈な戦いをしていく内に、エレメント4で体力を使い続けたナツが魔力の消耗で押されていく。
反対にガジルは周りのある鉄を食事し、魔力の回復をし、技が強化していく。
滅竜魔導士は属性にあった物を食べて魔力が回復していく特性を持つ。
だからだろう、火がない場所でナツは回復をまともにできず、ただただガジルに倒されていく。
そして、壁が壊れたところまで殴られたナツはそこからの光景を見た。
壊される、壊される。
妖精の尻尾のギルドの建物が―――皆の思い出が
目から映る崩壊されていく建物を、ただ呆然と眺めていくナツ。
――――【妖精には尻尾があるのか、ないのか。もっとも本当にいるのかどうかさえ誰にもわからない。だからこそ永遠の謎、永遠の冒険。そんな意味が込められておるのじゃ】
総長の言葉から紡ぎ出される言葉はその時わからなかったが、確かに興奮を覚えた。
そして新たな仲間との関わりが、生活がとても楽しく、大切になった。
喧嘩ばっかりする変態。
いつのまにか服を脱いでいる変態を咎めるカナ。
自分たちが喧嘩する時に必ず止めてくる怖いエルザ。
そしてそのエルザと喧嘩を繰り出すミラ。
そんなギルドの様子を見て笑ったり呆れるマカオ、ワカバ、レッドとラクサス。
苦笑いするリサーナとエルフマン――。
壊されていくギルドの光景を見て怒りに震えながら立ち上がるナツがこれからする行動は――
例え、残された力がなくとも、彼は立ち上がり、敵を倒す。
仲間の為に―――仲間の報復を果たす。
「レビィ、ジェット、ドロイ、じっちゃん、ルーシィ、仲間たち!そしてこれは…ぶっ壊されたギルドの分だ!!!!オラァアア!!!」
「…ふん………よく暴れまわる竜だ…」
そしてまた場面が戻り、ジョゼとエルザへと戻る。
破壊されていくギルドで、ジョゼは呟く。
「ハァ…ハァ…。――ナツの戦闘力を計算できてなかったようだな…。…私と同等か、それ以上の力を持っているということを……」
息を吐きながら自分よりも可能性を持つ男にジョゼは鼻で笑う。
「フン、謙遜はよしたまえ妖精女王。君の魔力は素晴らしい。現にこの私と戦い…ここまでもちこたえた魔導士は初めてだ。ジュピターのダメージさえなければ、もう少しいい勝負をしていた可能性もある」
まるで力だけ認めているような良い草にエルザは気にも止めていない。
「そんな強大な魔導士がねぇ―――」
最後まで言い切る前に、ジョゼの声からは再び怒りが現れる。
「――マカロフのギルドに他にもいたとあっては気に食わんのですよ!!」
「うぁぁぁっ…!!」
ジョゼから放たれる魔法をエルザはまともに受けて壁に当たるもすぐに保ち、次から来る攻撃を避けていく。
「なぜ私がマカロフを殺さなかったかおわかりですか?」
「――!!」
止まぬ攻撃の中にエルザはジョゼの言葉を聞き取れた。
それは自分たちの親を殺せたという言葉に怒りをこみ上げるのを堪えながら彼女はジョゼを睨む。
「絶望――絶望を与えるためです」
「――どういうことだ?」
「目が覚めた時、愛するギルドと仲間が全滅していたらどうでしょう?くくく…悲しむでしょうねぇ……。あの男には絶望と悲しみを与えてから殺す!!ただでは殺さん!!!苦しんで苦しんで――苦しませてから殺すのだァ!!!」
「…下劣な……!!」
理由を聞いて声を怒りに震えさせるエルザにジョゼはまた魔法に威力を上げながら「くく…」と笑みを零す。
「幽鬼の支配者はずっと一番だった…この国で一番の魔力、一番の人材、一番の金があった。…がここ数年で妖精の尻尾《フェアリーテイル》は急激に力をつけてきた。エルザにラクサス…ミストガンとレッドにギルダーツの名は我が町にまで届き、火竜の噂は国中に広がった。いつしか幽鬼の支配者と妖精の尻尾はこの国を代表する二つのギルドとなった。気に入らんのだよ…もともとクソみてーに弱っちぃギルドだったくせにィ!!」
「――キサマァ…!この戦争はその下らん妬みが引き起こしたというのか!?」
「妬み?違うなぁ。我々はものの優劣をハッキリさせたいのだよ」
「そんな…そんな下らん理由で……!!」
怒りを抑えきれないエルザは黒羽の鎧の力を発揮するように跳躍力も上昇させジョゼを斬りかかる。
数々の剣さばき、残像を作るような速さでエルザはスピードを増し続ける。
「チィ…ッ!」
対象にジョゼは先ほどまで余裕の表情を浮かべてたものの、自身に付いてきているエルザに苛立て、
自身の魔法でエルザの動きを止め、剣を弾き飛ばしエルザの体を捉える
「くっ…!!」
動けなくなったエルザにジョゼは笑みを浮かべて近づく。
「前々から気にくわんギルドだったが、この戦争の引き金は些細な事だった。ハートフィリア財閥のお嬢様を連れ戻してくれという依頼さ」
「うっ…!く……!」
エルザの頭で思い浮かべるのは最近仲間になったであろうルーシィだった。
「この国有数の資産家の娘が妖精の尻尾にいるだと!?貴様らはどこまで大きくなれば気が済むんだぁあ!!」
ハートフィリア財閥はフィオーレのとして大きい資産家の財閥である。
その財閥が妖精の尻尾に居る?
それだけで彼の逆鱗に動かせたようだ。
「ハートフィリアの金を貴様らが自由に使えたとしたら…間違いなく我々よりも巨大な力を手に入れる!!それだけは許してはおけんのだァ!!!」
「ぐぅ!?が…アア!!」
自然と拳に力を入れたからか、エルザを縛る魔法の威力を上げエルザに痛みが増す。
そして、息を整えてからエルザはジョゼに向けて哀れな人を見るような目で見る。
「ふ…どっちが上だ下だと騒いでいること自体が嘆かわしい……。…が、貴様らの情報収集力のなさにも呆れるな。それでよく一番のギルドなどと言えたものだ…」
「――なんだと?」
「ルーシィは家出してきたんだ……家の金など使えるものか…!」
「…!!?」
「家賃7万の家に住み、私たちと共に行動して……共に戦い…共に笑い…共に泣く…同じギルドの魔道士だ……戦争の引き金だと?ハートフィリア家の娘だと?花が咲く場所を選べないように子だって親を選べない……貴様に涙を流すルーシィの何が分かる!!?」
渾身の叫びを上げるエルザは残った力で自身を縛る魔法を破り捨てようとする――だが。
「これから知っていくさ」
それがどうした、とジョゼは笑みを浮かべる。
「…!?」
「ただで父親に引き渡すと思うか?金がなくなるまで飼い続けてやる、ハートフィリアの財産全ては私の手に渡るのだ」
そう笑みを深めて口にするジョゼの顔は、正しく悪魔とも言える実相だ。
エルザを縛る魔法にまたも力を入れて抵抗を止める。
「くゥ…貴様ァ…!!おのれぇぇぇぇ!!」
「力まん方がいい…余計に苦しむぞ」
そして魔法の強化を続け―――エルザは悲鳴をあげていく
「くっ…!!ぐああぁああ…!!」
苦しんでいくエルザの声を聞いてジョゼは益々上機嫌になっていく。
そして――ここでイレギュラーがやってくる。
妖精の尻尾にジョゼの手で放たれた幽兵により、魔道士の皆や建物を破壊していく
壊されていくギルドを見て悔しく、そして悲しい思いで涙を浮かべる者が多く居る中―――黄色い光が通り過ぎる
最初にその光に気づいたのは誰だったか。
「あれ…は…」
その光が通り過ぎる時、呆然とする者たちを襲いかかろうとする幽兵にだけ雷が落ちる、仲間を傷つかないように気をつけて…。
「この雷…ラクサス!!」
雷である人物を気づいたカナ・アルベローナは後ろに振り向く
カナの言葉で他の皆がハッとなり、カナと同じ方向へと振り向いていく
「…ああ、アイツ…突っ走るのは変わってねえな」
目線を集められていくラクサスはそれを気にせず、光が突っ込んでいた場所を見て呆れるような――嬉しそうに口格を上げた。
「誰だ…!!」
ジョゼが出していた魔法はとある光により解除され、エルザを縛っていた魔法も消える。
落ちていくエルザを何かがが受け止めた。
受け止められたエルザは閉じていた瞼を上げ…驚愕そうに大きく開いた。
「あ…貴方は…まさか…!!」
自分を受け止めているその何かにエルザは見覚えがある…忘れられない人物だ。
彼女がマスターの次に憧れて、尊敬する者。
その姿を見ただけで左目から涙が溢れてくる
自身と似た髪だったその茜色は今では黄金に輝く金髪――
その姿は、昔に見た彼の強化形態の一つ…
「―――許さねえ…」
ジョゼはその存在を気づいて、忌々しそうに睨み…その存在の名を口にするのだった。
「黄金のサイヤ人…レッド・パッペェ…!!」
白いマントを靡かせ、エルザを片手で抱きしめるように受け止めている男――レッドは黄金の魔力――オーラを放出させて答えるのだった。
「てめえはオレがぶっ飛ばす…覚悟しろよ、幽鬼…!!」
後書き
次回の投稿はまだ来週…かなぁ……?()
それでは…また次回見て下さい!!
6/25日にて誤字を直しました。
誤字報告してくれた方、本当にありがとうございました!!
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