妖精の尻尾所属の戦闘民族(旧)
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原作開始・幽鬼の支配者編
第19話 妖精と幽鬼
前書き
「お前、飛ばしすぎじゃね?」
貝殻「―――」
返事はない、まるで貝殻のようだ。
男が目的のために旅立ってから約1年。
妖精の尻尾のギルドは変わらず…新たな仲間も増えてより一層賑やかに…そして喧騒が止まないギルドのままだった。
だが――新しく入ってきた仲間の一人を目的にギルドに抗争を仕掛けるギルドが居た。
そのギルドは”幽鬼の支配者”。
前から妖精の尻尾とは仲がよろしくないギルドであり、度々小競合いがあったギルドだ。
その幽鬼の支配者のマスターである”ジョゼ・ポーラ”はマカロフと同じ聖十大魔道の一人であり、少なくともフィオーレでの実力は本物の魔道士だ。
妖精の尻尾といざござが多いのはこの男が妖精の尻尾をよく思っていないことで、マカロフにちょっかいをかけるときもあるらしい。
マカロフはそれでもギルド間抗争を起こさないようにしていたが…それは時間の問題でもあった。
ジェットとドロイ、レビィ・マクガーデンが幽鬼の支配者の手により仲間を傷つけられた。
妖精の尻尾の総長としてをそれは我慢の限界だった。
仲間を傷つけられ、黙っていられるほど妖精の尻尾は大人しくない。
マカロフに歯止めされていた彼らも、マカロフ自身も幽鬼の支配者と抗争を望んだ。
そこからは戦闘だった。
幽鬼の支配者にはS級魔道士であるエレメント4の4人――妖精の尻尾のS級魔道士はエルザ一人。
どう見ても幽鬼の支配者が優位に見える勢力だが…伊達に最強と謳われた妖精の尻尾ではない。
まだ成長期が多い魔道士が居る妖精の尻尾――劣らずにも戦い抜けていった。
そして――マカロフは倒れた。
ジョゼとの対決を前に――エレメント4の一人であるアリアの魔法によって魔力を無くし、倒れてしまった。
総長が倒れたことで妖精の尻尾の魔道士たちは撤退していった。
S級魔道士のエルザでもエレメント4とジョゼを相手に良くない。ナツや実力をつけていっている者たちが居ても戦況はあちらに傾いてしまう。
そして撤退した妖精の尻尾はマカロフを顧問薬剤師であるポーリュシカに任せ…休息を取るのであった。
この状況にミラジェーン・ストラウスは他のS級魔道士に連絡を試みた。
だが…エルザ以外のS級魔道士である2人とは連絡が付かない。
その二人には通信用魔水晶を持っておらず、連絡する手段もない。
だが、一人だけ連絡を成功した者が居た。
「頼れるのはあなたしか居ないのよ……ラクサス」
『――――』
ラクサス・ドレアー。
妖精の尻尾のS級魔道士の一人であり、彼に勝てる者が居るのか?と最近噂されている。
雷の魔法を使い、数々の依頼も熟してきた本物の実力者の一人だ。
そして、仲間の中で信頼もある。
時々困っている仲間が居たら知らぬ顔で気づかないように手助けしたりすることがあり、周りからは照れ屋さん、素直じゃない漢、ツンデレと評されることがある。
妖精の尻尾の兄貴と言ったら、ラクサスだと言う者が居たりする。
ギルドを思い、仲間をも尊重する男。
彼がこの性格に早く成れたのは、やはりあの男のおかげか―――だが。
『―――こっちとらぁ忙しい身だ。依頼を今終わらせたところだが…すぐにそっちにァ行けねえ』
「……」
彼が向かったクエストの場所はここから随分遠い。
それこそ、一瞬で来れる距離ではない。
『――少し待ってろ、今からそっちに大急ぎで向かうからよ』
「…!ありがとう!ラクサス!!」
お礼を言われて彼は通信先から目をそらす。
隣りにいるカナはその様子を「全く、本当照れ屋さんだねぇ」とからかうように言ってから彼の額に眉間のしわを寄せる。
『因みに、ミストガンのことも探してんだろ?』
「ええ…。…!もしかして、ラクサスはミストガンの居場所を知っているの!?」
「何!?それは本当かい!?」
もう一人のS級魔道士を話題に出し、ミラとカナは目の前の通信用魔水晶に身を乗り出して問いかける。
ラクサスはその二人の様子を見て為息を吐く。
『――この前も言ったが、あいつはシャイだ。オレたちの前に出て態々顔を出すようなことはしねェ』
それは丁度ギルドに新しいメンバーが加わってからミストガンが全員に眠りの魔法をかけた時だ。
【ミストガンはシャイなんだ。あんまり詮索するな】
思えばラクサスはミストガンの眠りの魔法が効かなかった。ならば、ミストガンと交流があるかもしれない。
『ミストガンがどこに居るかは知らねえ。だが――ミストガンなりに別のことをしてんだろうよ』
「別の…こと?」
「なんだよそれは…今私達が抗争してる間に他にすることがあんの?」
『あンだろ。例えば…支部の全滅、とかな」』
「「!!」」
『それによ、ジジイが倒れたことも含めて行動してるかもしれねぇ…おかげでオレがババアのとこに行く必要がねえな』
「そうか…ミストガンなりにも…助けてくれているのね」
「…それに顔も出さないで手助けしているって…ラクサスよりもシャイじゃない」
『おい』
「ははっ、わーってるわよ。言わなくても」
さっきまでお通夜のような雰囲気はなくなり、少しだけ空気が柔らかくなった。ミラとカナの表情には笑みが無意識に溢れる。
『だが…油断はするンじゃあねえぞ。幽鬼のクソ共のことだ。なにやらアクシデントを起こすかもしれねえ…そこを注意しとけ』
「――分かったわ」
ラクサスの注意を聞いて二人は顔を引き締める。
『それと…ミラ。分かってんだろうな?今のお前は出ていい時じゃねえ、ってことをよ』
「……」
「今のミラじゃ足手まといになる…例え元S級魔道士でも…そう言いたいでしょ?ラクサス」
『ああ…だから言うが、無茶なことをしようとすんじゃねえ。お前ができることはせいぜい…不安になっている奴等を助けることだ』
「……ありがとう」
注意だけじゃなく、アドバイスをも出すラクサスに二人は心中に「やっぱり…仲間想いだ」と呟くも、本人は言いたいことを言えたのか「もう切るぞ。じゃねえと早く着かねえ」と通信用魔水晶を切ろうとする。
『ああ…そうだ。一つだけ言い忘れたことがあった』
「「?」」
『――アイツが帰ってきた』』
「――え?」
「アイツって…まさか…!!」
『それだけだ、そんじゃ…今からそっちに行く。ギルドを頼むぞ』
プツン、と通信用魔水晶からラクサスを移していた映像が消えた。
「…そっか…」
「――なんとか、いや…行けるわね。絶対に」
一人はこの先にあるであろう希望に期待する。
そしてもう一人も同じく…そして
「レッドが…帰ってくる…!!」
安心と、歓喜の気持ちを表すような顔を浮かべるのだった――
『―――魔導集束砲『ジュピター』用意』
放たれるのはその声には冷酷かつ、残酷な言葉。
場面は数分後に変わり――妖精の尻尾の前…幽鬼の支配者が本部ごと移動することによりその中にいる魔道士も含め、戦力は幽鬼の方があるように見える状態であり…そして、幽鬼たちが持っているであろう。
そして放たれたであろう魔導収束砲――ジュピターが放たれようとしている。
幽鬼の支配者が保有している巨大な大砲から魔力が集中していく――それを感じたであろう緋髪の魔道士――エルザが前に出る。
「―――全員ふせろォォォォオオ!!」
大声で場にいる全ての仲間たちに伝えて換装する。
換装するであろうその鎧は正しく、金属の中で最も高く、そして守護するのに相応しい鎧。
「金剛の鎧!?」
金剛の鎧――エルザが持つ鎧の中で防御力が随一。
その鎧ならば、この場にいるであろう仲間を守れる、そう確信してエルザは受け止めるように構える。
「まさか受け止めるつもりじゃ!?」
数々の阻止する声を上げるが、エルザは止まらない。
何故なら、それではギルドが無事じゃ済まないから。
ならば、自身の身一つで守るしか彼女には手段がない。
「伏せろォォォ!!」
「エルザ―――ッ!!」
「ナツ!!ここはエルザを信じるしかねぇんだ!!」
エルザを止めようと飛び込もうとするナツを氷の魔道士、グレイが止める。
そして――大砲で集約され…その大きな魔力のエネルギーが放たれてしまった。
だが、エルザの金剛の鎧により、そのエネルギーは無駄に…いや、達成した。
ギルドの魔道士を纏めて倒せなかったが…今最も力のある魔道士は倒された。
『マカロフ…そして、エルザも戦闘不能――もう貴様等に凱歌はあがらねえ。ルーシィ・ハートフィリアを渡せ。今すぐだ』
激怒を感じるような声で、幽鬼の支配者の総長――ジョゼ・ポーラは告げる。
それは絶望を表していて、こちらには勝利しか無いと確信しているようにも見える。
だが、それでも妖精は吠える。仲間をやるか、と。
「ふざけんな!!」
「仲間を敵に差し出すギルドがどこにある!!」
仲間を絶対に渡さんと反論する妖精の尻尾に
『―――渡せ』
「…あたし…」
怒りを増す絶望は声を上げる。
ハートフィリア財閥のルーシィはここで大人しく帰って方がいいのかと…思い始める。
自分が居なければ…仲間は傷つかなかった。
そう罪悪感に苛まれる…だが、そんな彼女を救う声はまだ潰えない。
「――仲間を売るくらいなら死んだほうがマシだ!!」
「…!!」
「オレたちの答えは何があっても変わらねえっ!!お前らをぶっ潰してやる!!!」
自分を、まだ自分を必要だと、大切だと思う声がある。
決して渡さないという声が…
ルーシィの目から涙が溢れる。それは、悲しみや絶望ではなく…希望が満ちている涙が。嬉しいという涙が落ちた。
「ほう……ならばさらに特大のジュピターをくらわせてやる!!装填までの15分恐怖の中で足掻け!!」
そして、ついに怒りは爆発した。
何度も自分を苛立たせる妖精に、幽鬼は今度こそ潰すようにジュピターを発射しようと大砲に魔力を集める。
ついに、妖精と幽鬼の最期の戦争が幕を上げた。
時間はたった15分―――長いようで短いその15分は、妖精の尻尾の炎――火竜の手によってエレメント4の一人である兎兎丸を倒し、ジュピターの核を破壊することを成功できた。
妖精の魔道士たちが喜んだのも束の間、また新たな幽鬼からの脅威が生まれる。
幽鬼の支配者ギルドが立ち上がり――巨人のように、まるでこちらを心を折るために作られたような錯覚を覚えるまでに変わっていった。
―――魔導巨人ファントムMk-Ⅱ、幽鬼の支配者が持つ最終兵器――…。
だが、これで止まらない。
ある魔法陣が描かれる。
その魔法陣こそ、ギルドだけではなく、周辺――街にまで巻き込もうとする。謂わば災害を齎そうとする魔法の一種――禁忌魔法。
これを評議員に知られたらもう正規ギルドとして成り立たなくなるのだが…それとはお構いなく、放たれようとされている。
――そして、災害一歩前の地域に――ある男が帰還を果たそうとしている。
白いマントと片眼鏡と似ている機械を右目と右耳に付けた緑色の度をしている、スカウターと青いジャケットを身に着けている男がマグノリアの街へと空を飛びながら向かっている。
「――間に合ってくれよ…皆…!!」
翼を生えておらず、ただ白いオーラを身に纏いながら男は自身の家路へと素早く飛んでいった――
後書き
最後の男は誰だったんだー…。
そして映画でフリーザ様が出てつい叫んでしまった。
そしてレジェンズでフリーザ様じゃなくてフローズが当たって別の意味で家で叫びかけた…フローズてめぇ……歓迎する(サイヤ人のパーティに)
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