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オズのガラスの猫

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第一幕その六

「あの娘とあたしは性格似てるわね」
「かなりね、猫は自分が一番って思うから」
「あたしがこの世で一番奇麗なのよ」
「そう思うからね」
 そこがというのです。
「猫ね」
「猫はそうした生きものだっていうのね」
「まさにね、貴女もそうね」
「あたしは言われる通り猫よ」
 このことは絶対とです、ガラスの猫も認めます。
「ガラスの身体とルビーの脳味噌と心臓を持つね」
「そうよね」
「そう、猫の中でもね」
 それこそというのです。
「特別、最高の猫なのよ」
「それ他の猫も思ってるわよ」 
 つぎはぎ娘がガラスの猫に突っ込みを入れました。
「エリカにしても」
「あら、そうなの」
「自分が一番、最高の猫だってね」
「エリカはあたしより上だって思ってるの」
「あんたもエリカより上だって思ってるでしょ」
「思ってるわよ」
 まさにその通りと答えたガラスの猫でした。
「というか実際にそうだから」
「実際によ」
「ほら、そう言うしね」
「言うと思ってたって返事ね」
「だって猫だから」 
 このことを楽しそうに言ったつぎはぎ娘でした。
「絶対にそう思ってるから」
「そうよね、猫ってね」
「皆こんなのだよね」
「自分が一番でね」
「いつも偉そうなんだよね」
「ガラスの猫やエリカに限らず」
 ナターシャ達五人もこうお話します。
「頭撫でても撫でさせてやる、で」
「怒ったら仕返しするし」
「置いたものは勝手に食べたりして」
「悪戯もしょっちゅうで」
「好きな場所で寝たりして」
「あたしは食べたり寝ないわよ」
 そこは違うと言ったガラスの猫でした。
「後は普通にしてるだけよ」
「その普通がなのよ」
「偉そうなんだよ」
「自分が一番で」
「他の人は家来と思ってて」
「そんな感じだから」
「実際家来でしょ、オズマは違うけれど」
 流石にガラスの猫もオズの国家元首が誰かはわかっています、幾ら自分が一番と思っていてもです。
「他の人はあたしに世話をするのが当然よ」
「その発想が猫なのよ」
 ドロシーはまたガラスの猫に言いました、それも笑って。
「自分が一番っていうのがね」
「他の人があたしに世話をして当然っていうのも」
「それもよ」
 まさにというのです。
「自分が一番だから思うのでしょ」
「実際に一番だから仕方ないじゃない」
「エリカもそう言うしね」
 トトも言ってきました、今はドロシーの膝の上にいます。
「もうね」
「猫はっていうのね」
「そんな生きものなんだよ」
「あんた達犬は違うみたいね」
「うん、僕はドロシーの友達だよ」
 そこはしっかりと言ったトトでした。
「そして他の皆ともね」
「そうなの」
「ナターシャ達ともかかしさん達ともで」
 そしてというのでした。 
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