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レーヴァティン

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第五十八話 神仏の存在その十一

「大惨事が起こるな」
「だからでござる」
「堤をだな」
「築くべきでござる」
「そうだな、川が多いが」
「その流域全てにでござる」
 まさにと言う智だった。
「堤を築くべきでござる」
「銭も人手もかかるがな」
「それでもでござる」
 あえてというのだ。
「築くべきでござる」
「そうだな」
「それだけのものがあるでござる」
 政の第一だけあってとだ、智は強い声で述べた。そうしたことを話して英雄も川岸、自分の左右を見た。
 そうしてだ、彼もまた言った。
「平野だ、見事なまでのな」
「これはまっことぜよ」
 当季も眉を顰めさせて述べた。
「洪水が起こったら大変ぜよ」
「そうなるな」
「そうぜよ、周りの村なんかすぐに流されるぜよ」
「早いうちに堤を築かないとな」
 若し洪水が起きればとだ、英雄は当季にも話した。
「村も人もな」
「流されてしまうぜよ」
「この世界では生き返ることが出来る」
 例え事故や災害に遭ってもだ、術で確かに蘇えさせられることは出来る。
 だがそれでもだ、英雄は険しい顔で言った。
「しかし痛みがある。ましてや島から流れ出されるとな」
「下の海に落ちるぜよ」
「そうなれば厄介だ、だからな」
「そうぜよ、そうなる前にぜよ」 
 何と言ってもだ、当季は右目を瞑り右手を己の顎に手を当てて述べた。
「洪水で氾濫にならん様にすることぜよ」
「その前にな」
「まっことのう」
「なら治水だ、それをすべきだ」
「そうなるぜよ」
「そうだな、ここだけではない」
「島の他の地域もぜよ」
 まさにとだ、当季は英雄に述べた。
「それこそぜよ」
「治水をすべきだ」
「そこから内政ぜよ」
「整った内政をすればな」
 それでとだ、英雄は鋭い目になって述べた。
「それだけでな」
「勢力として成長していくぜよ」
「そして島の統一にもつながる、そもそも俺はだ」
 英雄は自分の考えも述べた。
「内政は第一と考えている」
「ほう、まさにか」
「政においてな」
「では」
「そうだ、内政は許す限りしていく」
 まさにという言葉だった。 
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