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レーヴァティン

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第五十八話 神仏の存在その九

「そのそれがしを見付けられる奴がおったら」
「かえってだな」
「そいつを誉めたいわ」
「そうだな、ではな」
「ああ、名古屋では城に行って来るわ」
「吉報を待っている」
「さて、召喚士となりますと」
 謙二はその者のことを話した。
「若し仲間に加えることになれば」
「まさにだな」
「はい、非常にです」
「戦力として充実するな」
「そうです、召喚された精霊や神々の力は絶大なので」
「だからだな」
「はい、是非です」
 まさにと言う謙二だった。
「彼女が拙僧達と同じ外から来た者であり」
「十二人の一人ならな」
「仲間に加えましょう」
「そうしてな」
「より充実した力で」
 まさにそれによってというのだ。
「戦い勝っていきましょう」
「魔物との戦いも旗揚げしてからの戦いもな」
「はい、ではこれよりですね」
「船で名古屋に向かう」
 まさにその街にというのだ。
「そうしてだ、そこからな」
「伊勢にもですね」
「向かう」
 この街にもというのだ。
「そうする、ただ何で行くかだ」
「名古屋から伊勢までは」
「陸で行くのもいいがこの島の伊勢も湖に近い」
 起きた時の伊勢と同じくというのだ、伊勢は前に海があり後ろに山がある。二つの世界を共に抱くことが出来る場所なのだ。
「それならな」
「船で行くこともですか」
「いいだろう、ではな」
「これから名古屋に」
「そうだ、行くとしよう」
 こう話してだ、そのうえでだった。 
 一行は川を船で進んでいった、そうしつつ英雄はあることに気付いた。その気付いたことは何かというと。
「川が多く流れも複雑で水量も多いな」
「そうでござるな、しかも」
「堤があまりない」
「これではでござる」
 智もその川達を見て述べた。
「少し雨が多いと」
「この島に台風はない様だがな」
「はい、ですが雨が多いと」
「容易に洪水になるな」
「そして川沿いの民達が苦しむでござる」
「治水をしないとだ」
 この辺りの、というのだ。
「厄介な状況であり続けるな」
「左様でござるな」
「この辺りを勢力圏に収めたならな」
「すぐにでござるな」
「治水が必要だ」
 まさにこれがというのだ。
「さもないとな」
「大変なことになるでござる」
「そうだな、俺も気付いた」
「治水はやはり」
「政の基本の一つだ」
 このことは何時でも変わらないことだ、人は水がなければ何も出来ず川はその水に他ならないからだ。
「それを怠ってはな」
「どうしようもないでござる」
「政ではない」 
 治水をおろそかにすればというのだ。
「それだけでな」
「古代中国からでござった」
「堯、舜だな」
 五帝に数えられる伝説の帝王達だ、この帝王達も治水からその名を上げて伝説の帝王となったのである。 
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