恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS
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第七十一話 劉備、何進を匿うのことその二
「お客さん来たよ」
「お客さん!?」
「お客さんって?」
「うん、華陀さん」
彼だとだ。にこりと笑って話すのだった。
「それとあと三人ね」
「三人!?」
「三人っていうと」
「そうよ、あたし達よ」
「お邪魔したわ」
いきなりだ。彼等が出て来たのだった。
そしてだ。彼等が出たその瞬間にだった。その場が大爆発に包まれた。
劉備達はその中で吹き飛ばされる。だがそれでもかろうじて立ち上がりだ。黒焦げになった顔で彼等に対して問うのだった。
「あ、あの一体」
「何だこの連中は」
「バケモノなのだ」
劉備と関羽、張飛が言う。
「まさかこんなところで来るなんて」
「おのれ、不意を衝かれた」
「迂闊だったのだ」
「あれ?どうしたの?」
しかしである。馬岱だけはだ。
平然としてだ。何とか爆発から立ち直った劉備達に問うのだった。
「皆急に爆発して。大丈夫?」
「おい、何だよその連中」
馬超が従妹に対して問う。彼女も顔や身体のあちこちが黒焦げになっている。
「見るからにおかしいだろ」
「貂蝉さんと卑弥呼さんだよ」
相変わらず平然としている馬岱である。
「何でも華陀さんのお友達なんだって」
「いやね、お友達なんてものじゃないわよ」
「もっと深い絆で結ばれてるのよ」
こう返す二人だった。
「そう、ダーリンなのよ」
「絆と絆で結ばれたね」
「そうらしいのよ」
また言う馬岱だった。
「この人達も来たから」
「あの、人間ですよね」
「それを確かめたいですけれど」
孔明と鳳統は服のススを払いながら問うた。
「あまりそうは見えませんけれど」
「どうなのでしょうか」
「そうよ。人間よ」
「年齢は聞かないでね」
身体をくねくねとさせながら話す二人だった。
「伏儀さんの頃からいるけれどね」
「うら若き乙女よ」
「ううん、仙人でしょうか」
「妖怪仙人かも」
孔明と鳳統は二人の話からこう考えた。
「とりあえず。普通の人じゃないです」
「それは間違いありません」
「そうだな。少なくとも常人ではない」
それは趙雲も認めることだった。
「何者かはわからないが」
「それでね。あたし達がここに来た理由はね」
「とても大事なことがあってなのよ」
「大事なこと?」
黄忠がその言葉に眉を動かした。彼女も他の面々も何とか立ち直ってきている。そのうえでだ。二人の話を聞くのだった。
「っていうと」
「ええ。ダーリンが来るから」
「ちょっと待ってね」
「ああ、二人共もうそこにいたんだな」
馬岱以上に落ち着いた様子でだ。華陀が来た。
後ろには頭巾を被った女がいる。彼女を連れてであった。
彼は劉備達の前に来てだ。こう話すのだった。
「劉備殿、久しいな」
「あっ、華陀さん」
劉備も彼に顔を向ける。そのうえで言うのだった。
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