レーヴァティン
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第五十七話 東へその九
「だからな」
「湖にもでありますな」
「行こう、仲間を手に入れることが第一だ」
今の自分達の旅の目的、英雄はそれを誰よりも確かに頭の中に入れていた。それで今も飲みつつ言うのだ。
「それならな」
「次から次にでありますな」
「機会があれば逃さずにだ」
「仲間にしていき」
「十二人揃える、そして十二人揃うとだ」
英雄はそこから先も話した。
「その時は大坂に向かいな」
「そこでやな」
耕平がここで応えた。
「旗揚げやな」
「そうする、そして周りの勢力を次々にだ」
「併呑していくんやな」
「そうしていく、そして堺も都も手中に収める」
そうした都の要地もというのだ。
「そしてだ」
「そこからさらに勢力を拡大していき」
「統一だ」
そこまで進めるというのだ。
「そうしていく、だがな」
「旗揚げをした時こそ」
「はじまりだ」
まさにその時こそとだ、英雄は言い切った。
「そこからだ」
「はい、そうです」
良太もその通りと答えた。
「まさにです、十二人揃ってはじまりではなく」
「むしろだな」
「そこから旗揚げをしてです」
「そこからだ」
「今は冒険です、冒険も重要ですが」
「俺達の冒険は何か」
「統一の前のものです」
それになるとだ、良太は述べた。
「まだまだです」
「それからだな」
「はい、そうです」
「まさにな」
「ですから」
さらに言う良太だった。
「十二人揃え旗揚げをする」
「その時がな」
「はじまりとなります、まだ我々は一日でいいますと」
どうかとだ、良太はさらに話した。
「朝食です」
「その段階だな」
「朝食を済ませ登校なり出社するなりして」
「一日の行動に移る」
「その前の段階に過ぎません」
今の自分達の行動、つまり冒険はというのだ。
「まさに」
「そうだ、ではな」
「今は朝食を食べましょう」
良太は鮎の塩焼きを美味しく食べつつ述べた、鮎の塩焼きは塩加減も焼き加減も実に適度で美味かった。
「しっかりと」
「三食食べんとや」
耕平は飲みつつ話した。
「何も出来んわ」
「だからだな」
「今は朝食をしっかり食べる」
「そうすべきだな」
「そや、十二人しっかり揃えてな」
「出社なり出勤だな」
「学業か仕事をはじめるんや」
そうなるというのだ。
「まさにな」
「そういうことだな、しかしこの岐阜ではだ」
英雄はおちょこの中の酒を飲みつつ話した、七人共酒もしっかりと飲んでいる。岐阜のその酒をだ。
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