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レーヴァティン

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第五十七話 東へその八

「それはあの山にあったからだしな」
「ですからこの世界でもです」
「寺社があの山に籠られるとな」
「大変なことになります」
「そうなるな、ではな」
「はい、敵対した時は」
「策を使って攻めてやる」 
 英雄は鋭い目になり山を見た、そうしてこう言ったのだった。
「おそらくその時は相手は絶対に攻め落とせないと思う」
「そこをですね」
「鼻をあかしてやる、難攻不落なぞだ」
「絶対に陥とせない城はない」
「そんな城はない」
 絶対にとだ、英雄は言い切った。
「その傲慢の裏をかいてやる」
「そうされますか」
「敵対した時はな」
「そうですか」
「この世に絶対はない」
 ただしジャーナリストが公平な報道なぞ絶対にないと言うと偏向報道を認めたことになる、戦後の日本の報道となる。
「城も魔神もな」
「どちらもですね」
「攻め落とせるし倒せる」
 それが出来るというのだ。
「俺はな、だからな」
「あの山もですね」
「戦の時は攻め落とす、そしてだ」
「魔神もですね」
「倒す、しかし山はな」
「敵対した時で」
「何もないなら別にだ」
 心にある刃を収めてだ、英雄は述べた。
「俺としてもだ」
「攻めることもですね」
「しない、ではな」
「はい、それではですね」
「これから見て回ろう。この街をな」
 岐阜のそこをというのだ、こう言ってだった。
 英雄は実際に仲間達と共に岐阜の街の中を歩いて見て回った。そうして。
 情報も聞いた、その結果ここでもわかったことがあった。
 英雄は宿に入ってだ、そこで仲間達に言った。
「色々聞けたな」
「はい」
 こう答えたのは智だった。
「この街でも」
「有り難いことにな、東に行けばな」
「山がさらに多く険しくなる」
「そうだ、そして名古屋から西に行けば伊勢だな」
「その伊勢にでござる」
「巫女がいる、そしてその巫女は」
「拙者達と同じでござる」
 智は目の光を鋭くさせて英雄に応えた。
「他の世界から来ているでござる」
「そうだな、ではだ」
「伊勢に行くでござるか」
「そうする、次はな」
 英雄は智に酒を飲みつつ答えた、今日の肴は鮎の塩焼きでかなりの量がある。
「伊勢だ、ただ名古屋にもな」
「通りですね」
「街を見ていく」
「そうしていくでござるな」
「それから伊勢神宮だ」
 伊勢のそこに行くというのだった。
「あちらに行く」
「伊勢神宮でありますか」
 ここでこう言った峰夫だった。
「あちらにも行くことになるでありますが」
「そうだな、そういえば伊勢も傍に大きな湖があるな」
「はい、前はそうです」
「ならそこにも行くか」
 湖の方にもと言うのだった。
「そしてだ」
「湖も観るでありますか」
「そうしようか、そこでまた仲間がいるのならな」
「誘いをかけるでありますな」
「そうする、おそらく湖つまり水に強い仲間もいる」
 十人の中にとだ、英雄はそう考えつつ述べた。 
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