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ドリトル先生と和歌山の海と山

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第十一幕その七

「そういえば仏教学にね」
「地質学もだし」
「あらゆる学問を備えていたっていうし」
 今言ったのはトートーでした。
「そうなるね」
「うん、何ていうか」
 ジップはトートーの言葉に頷きました。
「そんな感じがするね」
「空海さんは学者さんでもあったから」
 チーチーもこのことはわかっています。
「それでなんだね」
「いや、面白いね」
 ホワイティは空海さんが博物学者だと考えて思うのでした。
「空海さんはそうした人でもあるって考えると」
「学者さんか書道家か宗教家か」
 ダブダブも考えるのでした。
「それともゴーストバスターか日本を護る人か」
「はたしてどうした人か」
 ポリネシアはダブダブに続きました。
「そのことを考えるのも面白いわね」
「空海さんについてもね」
「博物学者って考えるのもいいね」
 オシツオサレツは二つの頭で思いました。
「南方さんに強烈な個性ではなかったみたいだけれど」
「それでもね」
「空海さんと南方さんって人を同時に考えると」
 最後に言ったのはガブガブでした。
「これまた色々な発見があるみたいだね」
「そうだね、そして南方さんもね」
 先生は皆にあらためてお話しました。
「この場所を歩いていたんだよ」
「そうだったんだ」
「僕達が歩いているこの場所を」
「南方さんも歩いていて」
「そうして色々調べてもいたんだ」
「そうだったんだ、和歌山に生まれてね」
 そうしてというのです。
「歴史に名を残した人の一人だよ」
「成程ね」
「和歌山も色々ね」
「何ていうかね」
「吉宗さんがいて蜜柑や梅干しがあって」
「海の幸も豊富でね」
「この高野山があって」
 そうしてでした。
「忍者のお話もあって」
「根来衆ね」
「色々と面白いわ」
「ここに来てよかったよ」
「また色々なことを知ることが出来て」
「そうだよね、ただね」
 王子も動物の皆の言葉に頷いてです、そして。
 ふとです、王子は先生にこうした人のことを尋ねました。
「ただ、何かスポーツとか武芸は」
「忍者はいてもだね」
「武将の人とかはいたのかな、和歌山は」
「雑賀孫一さんがいたけれどね」
「戦国時代の」
「うん、あの人はね」
「雑賀衆で」
 少し根来衆と混同している王子でした。
「忍者でもあったんだよね」
「ううん、鉄砲を専門的に使う人達だったかな」
「あれっ、忍者じゃなかったんだ」
「その辺りは諸説あるんだ」
「そうだったんだ」
「確かに創作の世界だと忍者である場合もあるね」
 先生は小説やゲームでの雑賀孫一さんのお話もしました。
「そういえばね」
「そうなんだね」
「鉄砲を使ったり忍者だったりして」
「何か凄いね」
「織田信長さんとも戦ったしね」
 戦国時代といえばまさにこの人です、それでここでもこの人が登場するのでした。 
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