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空に星が輝く様に

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136部分:第十一話 プールでその三


第十一話 プールでその三

「だから。よくない」
「そうなの」
「そう。それに顔もいい」
「そんな、何かずっと」
「私は嘘は言わない。お世辞も言わない」
「それは知ってるけれど」
「だからよくない」
 つまり何もかもが良過ぎるというのである。
「水着は絶対に選ぶべし」
「絶対なのね」
「まず露出の多い水着は避ける」
 最初はそれだというのだ。
「いいわね」
「露出の多い水着は」
「ビキニなんかは特に注意」
「ビキニはなの」
「絶対に胸に目がいくから」
 その理由も話す。椎名は親友のことをよくわかっていた。
「だから」
「それじゃあワンピースなのね」
「ただし競泳水着も駄目」
「えっ!?」
 競泳水着が駄目と言われてだ。思わず声をあげてしまった月美だった。
 そのうえでだ。椎名に対して問うのだった。
「それはどうしてなの?」
「競泳水着は身体のラインが出るから」
「だからなの」
「あれははっきり言ってまずい」
 また言う椎名だった。
「ビキニよりもラインがはっきり出る」
「ということは」
「つきぴーのその胸もウエストもお尻も全部出る」
 かなり具体的な言葉だった。
「サンプルはアイドルのグラビア」
「そういえば最近のアイドルって競泳水着着ることも」
「多いのはそうした理由。ラインがはっきり出るから」
 それで観る者の目を引くからだというのである。グラビアというものは観られて、注目されてこそだからだ。だからこそそうした競泳水着も着るのだった。
「だから駄目」
「駄目なの」
「大人しいワンピースか」
「それか?」
「セパレーツか。露出の多くないものならいい」
「それじゃあ」
 月美はここでぼけた。
「スクール水着とかは」
「あれはかえって駄目」
「かえって?」
「そう、駄目」
 また駄目出しをする椎名だった。
「マニア心をくすぐるから駄目」
「だからなの」
「そう、だから」
 椎名の言葉は続く。
「スクール水着もかえって駄目」
「難しいのね、水着って」
「私も駄目らしいけれどつきぴーはもっと駄目」
 駄目出しもまた続くのだった。
「何故なら」
「何故なら?」
「そのスタイルと顔だから」
「だからなの」
「童顔なのに巨乳」
 月美を形成する二大要素だった。ついでに言えば背もお世辞にも高いとは言えない。しかし椎名と一緒ならば彼女の方がずっと小さいからそれはここでも問題ではなかった。
「それでスクール水着の組み合わせは」
「駄目なの」
「戦略兵器レベルの威力がある」
 この言葉ははったりではなかった。椎名の冷静な分析による言葉だ。
「だからそれはビキニや競泳水着と同じ位駄目」
「そうなの」
「わからなくてもわかってくれたらいい」 
 少し聞くと矛盾する言葉だった。
 
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