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サトシ「25歳」〜理想と現実の先にあるもの〜

作者:ドリ男
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ダイニングBAR MUSASIにて


コジロウ(電話):「わかった。
なら当日、俺はヤマブキシティで
待機しておく。俺はポケモンを
所持していないから大した事は
出来ないと思うが、俺は俺の得意分野で
貢献してみせるさ、、、あぁ。わかった」

ピッ(通話終了)


ムサシ:「またあのハゲオヤジ?」


コジロウ:「あぁ。どうやら3日後、
シルフに仕掛けるらしい。電磁パルス攻撃を
仕掛けた後、モンスターボールを
使えなくなったシルフに
あいつら(サトシ達)のポケモンを
ぶつけてな、、」


ムサシ:「あんた、本気でシルフと
やり合うつもりなの?」



コジロウ:「、、今更退く訳には
いかないだろ」



ムサシ:「全く、、揃いも揃って
どうしてこんな無謀な事するんだか」


コジロウ:「ムサシも
協力してくれるよな?当日、俺は
ヤマブキシティで待機する。
だからムサシも、、」


ムサシ:「アタシはやらないわよ」


コジロウ:「、、え?」


ムサシ:「だからぁ、アタシは
やらないっつってんの。なんでアタシが
そんな危ない事に首突っ込まなきゃ
なんないのよ。冗談じゃないっての」


コジロウ:「いや、何言ってんだよムサシ。
俺たちが立たなきゃ、誰ひとり
救えないんだぞ!?あいつらも、一般の人も!
みんなシルフの奴隷みたく
なっちまうんだぞ!?」


ムサシ:「んなのアタシが知ったこっちゃ
ないわ。世の中がどう動こうが、
人がどう変わろうが、アタシはアタシ。
アタシが変わらなければそれでいいわよ」



コジロウ:「ふざけた事言うなよ!
お前だって今まであいつらの協力に
携わって来たじゃないか!一緒にロボ作ったり
密会を開いたりしてさ!」


ムサシ:「それはジャリボーイ達が
客だからした事。アタシのした事は
その延長での事に過ぎない、、。
アタシは店のオーナーで、
あいつらは店に足を運ぶただの客。
関係はそれ以上でもそれ以下でもない」


コジロウ:「なんだよそれ、、」


ムサシ:「シルフがその気なら、アタシは
店をたたむ。実際、あと3日で
この店をたたむように言われてるし。
だから丁度いいんじゃない?
アンタはジャリボーイ達の元に、
アタシはアタシの自由なままに。
これからはそうやって、、」


ムサシの言葉を遮るように、コジロウは
テーブルを強く叩き、立ち上がった。


コジロウ:「いい加減にしろよムサシ!!
何でそうなるんだよ、、何でそんな
勝手な事言えるんだよ!!俺たちがシルフを
倒さなきゃ何も取り戻せないんだぞ!?
それに丁度良いってなんだ!!
俺たちの仲はそんなもんかよ!
状況が変わったら関係も変わっちまうような、
そんな薄っぺらいもんだっかよ!!」


ムサシ:「、、、」


コジロウ:「ニャースの時だってそうだ、、。
あの事件以降、お前は一言もニャースの名前を
口にしなかった、、お前にとって
ニャースはなんだったんだよ!!
俺もニャースも、時代が変わったら
簡単に切り捨てられる存在だったのかよ!!」


ムサシ:「、、、」


コジロウ:「何か言えよ、、。
なに黙ってんだよムサシ!!」



ムサシ:「、、うるさい、、、」


コジロウ:「うるさいじゃねぇだろ、、。
ちゃんと答えろよ!!ムサシ!!」


ムサシ:「うるさいっつってんでしょうが!!」


コジロウ:「!」


ムサシは顔を上げ、荒げた声を出し
コジロウを睨みつけた。



ムサシ:「アンタに何ができるって
言うのよ!!ロケット団なんて肩書きも
プライドも捨てたアンタやアタシに、
今更何ができるって言うのよ!!」


心にある気持ちを全て叫ぶように、
感情を剥き出しにしたムサシは
コジロウに言葉を放った。



ムサシ:「シルフを倒したら全てが
元通りになって解決する、、そんな保証は
どこにもないでしょうが!!シルフを倒したら
ポケモンが戻ってくる?元の世界を取り戻せる?
そんなのある訳無いでしょうが!
世の中が変わったら人も変わらなきゃ
誰も生きてなんかいけない!!
現にそうだったてしょうが!!
いつまでも幼稚くさい希望やら可能性やらに
すがりついてるアンタらの茶番に、
これ以上付き合ってらんないのよ!!」


コジロウ:「ムサシ、、」



ムサシ:「変わりはしない、、。
時代は時間とともにただ進むだけ、、。
どうあがこうと、アタシ達は
時間の波に押され流されるだけなのよ、、」


怒りの感情をぶつけるも
どこか悲哀を感じさせるムサシ。
コジロウは、ムサシの本心がどこにあるのか
わからなかった。



ムサシ:「ジャリボーイ達に協力するなら、
今すぐここから出てって」


コジロウ:「ムサシ、、」


ムサシ:「アタシ達は
今ここで道を分かつべきよ、、。
アンタに何言われようと、
アタシはジャリボーイ達に
これ以上協力するつもりは無い。
時代に抗うか流されるか、
意見が分かれた時点で答えは明白でしょ」


コジロウ:「いいのかよそれで、、、。
失ったまま時点に流されるだけで、、」


ムサシ:「昔から失う事には慣れっこでしょ?
アタシもアンタも、、。それに、
失って悲嘆するようなもんなんて、
今のアタシには無い、、何一つね」


コジロウ:「、、わかった。
それがお前の答えなら、
俺も俺が出した答えのまま進む」



その後2人は言葉を交わす事無く、
それぞれの出した答えに沿って
動く事にした。



 
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